ウォールナット材の家具
日本で言うクルミ(西洋胡桃)の事で、木目が細かくてとても堅く、ゆがみや収縮も少ないため、家具にもピッタリのウォルナット材。そんなウォルナット材を使って造った家具の特徴をまとめてみました。
ウォールナット材とは、クルミ科属の落葉広葉樹、クルミの木のことを言いますが、一言でウォールナット材と言っても、実はいろんな種類があります。
そのため、現代で一般的に使われているウォルナット材とアンティーク家具で使われているウォルナット材は、木材の種類も使い方も違っています。
現在の家具や床板などによく使われているウォールナット材は、北米産の「ブラックウォルナット」で、黒っぽい茶色が特徴の、堅い材質を活かした、無垢材のダイニングテーブルなどに人気です。
アンティークで使われるウォールナット材は、ヨーロッパ東部のカルパチア山脈周辺が原産で、「西洋胡桃(Emglish walnut)」や「樫胡桃」とも呼ばれています。
ブラックウォルナットとは違って、木目が詰まった赤茶色で、柔らかい表情をしているのが特徴で、美しい杢目の多くは、家具のデザインとして突板に使われることが多くあります。
そんなウォルナット材の3つの特徴は以下の通りです。堅くて加工のしやすい西洋胡桃の木材は、繊細な寄木細工や彫刻が施された高級家具に使われています。
01.
堅くて、加工しやすい
彫刻刀で彫ろうとすると、刃が負けてしまうくらい堅いウォルナット材。
堅い分、ネジや釘もしっかり締まって、固定されるので、丈夫で壊れにくい家具が造れます。
また、加工もしやすく、塗料や接着剤の定着性が高いので、象嵌の細工や、金箔の貼られた、ロココ調の豪華な家具にもよく使われています。
02.
華やかな杢目
少し太めの導管が作り出すウォルナット材の美しい杢目は、突板で、模様として家具の表面に使われています。
彫りなどの豪華な装飾を使わなくても華があるため、木目を生かした、シンプルで洗練されたデザインが増えました。
上品なウォールナット材の家具は、英国の上流階級の人たちに多く好まれました。
03.
木材の色の変化
現在、一般的に使われているブラックウォールナット材は、とても濃い茶色なので、着色されずそのまま使われることが多く、経年変化により色がどんどん薄くなっていきます。
逆に、ヨーロッパで使われたウォールナット材(西洋クルミ)が使われた家具や椅子は、木肌が明るい茶色なので、木目がより美しく見えるよう、着色して使われたため、木肌の色は変化せず、そのままの状態で楽しむことが出来ます。