サテンウッド材の家具
サテンのような美しい杢目で、加工が難しく、現在でも残っているものはなかなか見つからないとても珍しい木材。そんなサテンウッド材を使って造った家具の特徴をまとめてみました。
サテンウッドと呼ばれる木材はいろんな種類があり、イギリスでサテンウッドが多く使われるようになったのは、直線的なデザインのネオ・クラシックスタイルが流行した頃からです。
1800年頃には、人気の2大木材としてサテンウッドとローズウッドが使われ、特に東インド産のサテンウッドは、数も少なく高値で取引され、富裕層が使う高級家具に使われました。
サテンウッドはその名の通り、サテン布のような光沢のある木肌に、滑らかな木目が特徴の木材です。
サテンウッドの木の性質としては、油分が多く、接着剤の乗りも悪いため、家具へ加工するのは難しい素材でしたが、その美しい木材をどうにかして家具として使いたいと、熟練の職人たちが試行錯誤を重ねて加工を行いました。
そうして、美しく希少で、扱いの難しいサテンウッド材の家具は、当時の英国貴族たちの間で、高級家具として好まれました。
そんなサテンウッド材の3つの特徴は以下の通りです。上品な高級家具によく使われましたが、現在でも残っているものはなかなか見つからないとても珍しい木材です。
01.
サテンのような材質
まるでサテンシルクのように、美しい光沢のあるサテンウッドは、英国でも人気の木材です。
色味は淡い黄色を帯びた茶色から金褐色が主で、経年変化によってだんだんと濃くなっていきます。
また、樹木自体が細身なこともあり、無垢材としてよりも、美しい木肌を生かした突板として家具の表面に使われることが多く見られます。
02.
職人技が光る家具
サテンウッドの素材は、堅く、オークやキューバンマホガニーよりも重いと言われています。
油分を多く含み、割れやねじれを起こしやすいサテンウッドは、乾燥させるのが難しく、時間をかけてゆっくりと乾燥させる必要がありました。
そのため、接着がしづらいこともあり、機械化の進んでいない当時では加工が難しく、一部の熟練した職人にしか扱えませんでした。
03.
希少な高級材
イギリスでは、持ち込まれる量も少なく、扱いの難しさから家具として加工できる職人の少なかったサテンウッド材は、王侯貴族の好む、高級家具に使われました。
現在でも残っているものはなかなか見つけられず、とても希少なサテンウッド材は、富裕層の間で親しまれた、当時の洗面台、ウォッシュスタンドなどでも見つけることができます。