シェリー(Shelley)

シェリー(Shelley)

1860年頃にイギリスで創業したシェリー社で作られたアンティーク食器。イギリスで直接、買い付けたキレイなものだけをご紹介しています。
▼シェリー(Shelley)とは ▼

イギリスの高級窯として、世界中にもコレクターが多い食器ブランド、シェリー(Shelly)は 20世紀のイギリスを代表する陶磁器ブランドの一つです。 有名なデザイナーや、腕の立つ職人がいたシェリーは、高品質で数多くのデザインを生み出してきました。

シェリー窯は、もともと1860年頃に陶器工房を営んでいたヘンリー・ワイルマンが「フォリー(Foley)窯」として高級陶磁器の製造を目的として二つ目の窯をスタートさせたのが始まりです。 その後、ゆくゆくシェリーの名を継ぐこととなる、ジョセフ・シェリーが従業員として会社に加わります。

1864年にヘンリー・ワイルマンが亡くなった際に、ヘンリーの二人の息子チャールズとジェームスが二つの工場を継ぐことになります。 その後、チャールズが引退後、ジェームスがジョセフ・シェリーを共同経営者としてパートナーに迎え、会社名を「ワイルマン窯（Wileman & Co）」としました。 二つある工場の一つで、ジェームスは陶器製造、もう一つの工場でシェリーがチャイナの製造を行うようになりました。

1881年、チャイナの品質向上に取り組んでいたシェリーは息子のパーシーを会社に迎えます。 その後ジェームス・ワイルマン死後、シェリー一族が会社を経営することになります。 こうして1910年、これまで使用していたFoley(フォーリー)のバックスタンプからShelley(シェリー)を使用するようになりました。
そして、1925年、社名をWileman & Co（ワイルマン窯）からShelley(シェリー窯)に改名します。

1932年、パーシー・シェリーが引退後、息子が跡を継ぐことになります。 その後、第二次世界大戦が始まったことにより陶磁器の生産が大幅に削減されることになりましたが、海外輸出を行っていたシェリー社は、生産を継続することが認められていました。

シェリーブランドの中でも、特別に真っ白なディンティーシェイプのシリーズは、実は戦争中に作られた証。 戦時中、英国内で色が付いたテーブルウェアを作ることを禁止されていたので、柄を入れず、真っ白な状態で作られていました。 それでも、柄が入っていないことを感じさせない美しいシェイプは、白を引き立たせ、品が良くシェリーならではの作品です。

終戦後、1950年代、陶磁器産業も近代化により統合が続き、シェリーは1966年にアライド・ポタリーズに吸収され閉窯となりました。 そのため、シェリーの陶磁器は、現在ではアンティークでしか手に取ることができな貴重なものとなっています。

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  ディンティーシェイプ

  シェリーの代表作といえるお花型のデザイン「ディンティーシェイプ」
  ディンティーシェイプは、1896年に、デザイナーのローランド・モリスにより考案されたものです。
  
  "dainty"とは英語で可憐なという意味で、カップの縁が花びらのようになっている可憐なデザインが特徴的です。 以降、ディンティーシェイプはシェリー窯でも最も長く愛される代表するシェイプとなりました。

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  クイーンアンシェイプ

  クイーンアンシェイプはシェリーでアートデレクターを務めていたウォルターの息子のエリック・ウォルター・スレーターがデザインしたものです。
  
  デザインの勉強に励んでいたエリック・ウォルター・スレーターは1926年に初めてクイーンアンシェイプを発表。 八角形の形をした独特のデザインは、1925年に開催されたパリ万博で一気にアールデコブームが起きた影響を受けて出来上がった幾何学模様の美しいシェイプです。
  
  このシェイプが確立されると、様々なパターンが装飾され、シェリーの代表作となりました。