パーケットリー(寄木細工)

パーケットリー(寄木細工)とは、色の違う木や、木目の方向を組み合わせて模様を作り出す細工のことを言います。

パーケットリー(寄木細工)の魅力

パーケットリーを使ったヴェルサイユ宮殿

「閉ざされた小さな空間」を意味する古いフランス語が語源となっているパーケットリー

異なる木材を組み合わせて幾何学模様を作る装飾技法で、ヨーロッパでは17世紀頃から広まり、特にフランスのヴェルサイユ宮殿の床に取り入れられたものが始まりだといわれています。

職人の手によって一つひとつ精密に貼っていく必要があったパーケットリーの床は、まさに当時の豊かさの象徴。

木の自然な色合いを活かしたデザインは、時代を超えて愛され、現在もインテリアの装飾として取り入れられています。


ヴェルサイユ張り

寄木細工のヴェルサイユ張り

パーケットリーがフランスで初めて使用されたとされるヴェルサイユ宮殿。

特に有名な鏡の間の床は、この宮殿のために新たにデザインされたもので、大きな四角形の中に斜めのラインを入れ、さらに小さな四角形を組み込んだ「ヴェルサイユ張り」と呼ばれるパーケットリーが施されています。

このデザインは、フランスのダイニングテーブルやコーヒーテーブルなどの家具にもよく取り入れられています。


ヘリンボーン

寄木細工のヘリンボーン

ヘリンボーンとは、V字を繰り返し積み重ねたデザインのパーケットリーのことです。

もともとはファッション用語で、ツイード生地のコートやジャケットによく見られる、矢のような模様を指します。

その名前の由来は、ニシン(herring)の骨(bone)に形が似ていることから。近年、日本でも人気が高まり、フローリングのデザインとしても多く採用されています。実際に、ハンドルの事務所の床にもヘリンボーンが使われています。


市松模様

寄木細工の市松模様

昔から世界中で親しまれてきたチェッカー柄は、二色の正方形を交互に配置したデザインで、日本では「市松模様」として知られています。

この模様の名前は、江戸時代の人気歌舞伎役者・佐野川市松が、白と紺の正方形を交互に配した着物を着ていたことに由来し、広く人気を集めました。

さらに、2020年の東京オリンピックのエンブレムに採用されたことで、世界的な注目を浴びました。そんな市松模様は、アンティーク家具のデザインとしても見つけることができます。


ヘキサゴン

寄木細工のヘキサゴン

「ヘキサゴン」は六角形を意味し、異なる木目や色合いの木片を三枚重ね合わせて作られるデザインです。

まるでトリックアートのように、平面でありながら立体的にも見える視覚効果が特徴的なこの模様は、ハチの巣や亀の甲羅、雪の結晶など、自然界にも多く見られる幾何学パターンのひとつです。

六角形は均一性とバランスの取れた形で、調和や安定を象徴することから、パーケットリーのデザインとしても非常に人気があります。


アンティーク家具の中にも、当時の職人さんが時間をかけて作り出した職人技が光る美しい模様「パーケットリー」をたくさん見つけることが出来ます。
ぜひお気に入りのパーケットリー模様を見つけてみてください。


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