G-PLAN(ジープラン)の家具
ジープラン(G-plan)は、1952年に誕生したE.Gomme社の家具のブランド名です。北欧スタイルのシンプルでおしゃれなデザインでいろんなシリーズが作られました。
G-PLANとは、イギリスの老舗家具メーカーのE.Gomme(イー・ゴム)社が1952年に作った家具ブランドです。
1898年創業のE.Gomme社は、戦後の復興や産業の発展によって家庭で使うための家具がたくさん必要とされた20世紀に、それまでの伝統的な英国スタイルからデザインを一転。
スタイリッシュなデザインが人気のデンマークなどの北欧スタイルを取り入れつつ、英国らしい洗練されたデザインの家具を作り出しました。
機械化によって大量生産もしやすいシンプルなデザインのG-PLANの家具で、時代や流行の変化にいち早く対応することで、E.Gomme社は成功を収めます。
そんなG-PLANのブランド名には、「何年もかけてプランを立て、買い足していく家具」という想いが込められています。
名前の通り、少しずつ買い足していけるように、G-PLANでは同じデザインでキャビネットやテーブル、ドレッサーに椅子など、いろんなアイテムが作られました。
見た目のオシャレさだけでなく、家庭でも使いやすい実用性も兼ね備えたG-PLANの家具は、ロンドンの若者にとっても憧れの家具だったんです。
point 01.
デザイン力
どんなスタイルにも合わせやすい、シンプルで洗練されたデザインのG-PLAN。
ただシンプルなだけでなく、丁寧に手彫りで造られた取っ手や、足先に向かってだんだんと細くなるテーパードレッグなど、細部にまで妥協のない職人技が詰まっています。
だからこそ、今見ても斬新さが感じられつつも、飽きることなくずっと使い続けられるデザインになっているんです。
point 02.
品質のよさ
機械を使った大量生産とはいえ、現在のような機械とは違うため、もちろん繊細な作業は職人の手作業。
素材も品質の高いチーク材を使って木目を生かしながらひとつひとつ丁寧に造られています。
さらに、無垢材で造られた取っ手や、外れないようにダブテールと呼ばれる技法が使われた引き出しなど、年月を経た現在でも違和感なく使えるのには、英国らしい職人の技術が詰まっているからこそなんです。
point 03.
トータルコーディネート
ブランドの中でもいろんなシリーズがあり、シリーズごとにトータルコーディネートできるようにいろんなアイテムが作られたG-PLANの家具。
もちろん、同じシリーズじゃなくても、G-PLANの家具や椅子なら見た目も統一感があるので、あえて違うシリーズを合わせてもおしゃれに使えます。
「何年もかけてプランを立て、買い足していく家具」というブランド名のように、少しずつ集めながら時間をかけてコーディネートしていくことが出来る家具なんです。
いろんなシリーズが作られたG-PLANの中でも、代表的な人気のデザインをご紹介します。
ブランドン
1953年に発表された、本格的に北欧スタイルを取り入れる前に作られたG-PLAN最初のデザインです。
トラー&ブラック
トラー材と、日本の漆塗りのような黒い塗装に、真鍮のゴールドもプラスされたカッコいいデザインが人気。
サニーオーク&チャイニーズホワイト
オーク材とホワイトの塗装のツートーン。なかなか見つからない珍しいシリーズです。
ダニッシュ
デンマークのデザイナーIb Kofod Larsenがデザインした、生産数も少なく高価なことから現在でも希少なアイテム。
チーク
無垢のチーク材で造られた巻貝のようなデザインの取っ手が特徴。シンプルな分、木目の美しさが際立ちます。
クヮドリール
フランスでスクエア(四角形)になって踊る古典舞踊「Quadrille」から名前が付けられたシリーズです。
フレスコ
扉や取っ手の色が微妙に濃くなることで立体感のあるツートーンに仕上げられたデザイン。
シエラ
安定感のある直線的なデザインが特徴のシリーズ。一番販売数の多い1970年代を代表するアイテムです。