サザーランドテーブル

サザーランドテーブルとは、ゲートレッグテーブルの一種であり、その特徴的なデザインや機能性から、ヴィクトリア朝時代の英国で広く愛された家具です。

その中でも特にスリムで装飾的なデザインを持つのがサザーランドテーブルです。

この名前は、ヴィクトリア女王の女官長であり親しい友人でもあったハリエット・サザーランド公爵夫人がオーダーしたことに由来しています。

ハリエット・サザーランド公爵夫人は、ヴィクトリア女王から絶大な信頼を受け、秘書のような役割を担っていました。
また、彼女は建築やインテリアデザインに強い関心を持ち、セントジェームズ宮殿での接客の際に使用するための特別なテーブルを注文しました。

その結果生まれたのが、華奢で装飾性が高く、コンパクトに収納できるゲートレッグテーブル、すなわちサザーランドテーブルです。

サザーランドテーブルの最大の特徴は、そのスリムなデザインとエレガントな装飾です。
そうしてプレゼントされた高級なシンブルは実際にはお裁縫には使わずに装飾品として飾っておくことが王侯貴族の女性たちの間で大流行したのです。

通常のゲートレッグテーブルはオーク材が使われることが多いのに対し、サザーランドテーブルには高級木材であるマホガニー材やウォールナット材が用いられています。

また、畳んだときの厚みが非常に薄く、まるで壁に寄り添うようにコンパクトに収納できる点も魅力の一つです。

さらに、天板を支える脚が細く華奢なデザインとなっており、左右に動く足先にはキャスターが付いているものが多いため、女性でも簡単に開閉できるという利点があります。