浮き彫り(レリーフ)
浮き彫り(レリーフ)とは、木材などの素材を彫り込んで作った、立体的な彫刻のことを言います。
浮き彫り(レリーフ)の魅力

浮き彫り(レリーフ)とは、木材などの素材を彫り込んで立体的に表現する彫刻技法です。
手作業でノミなどを使い彫り上げる浮き彫りは、家具のデザイン様式や使用する木材によって異なり、大きく「浅浮き彫り」と「高浮き彫り」の2種類に分けられます。
この浮き彫りの技法は古代ギリシャの神殿装飾にも見られるほど歴史が古く、家具に取り入れられるようになったのは、英国家具の原点とされるチューダー様式の時代からです。
当初、チューダー様式の家具では浅浮き彫り(ローレリーフ)が主流でしたが、時代とともに高浮き彫り(ハイレリーフ)へと変化していきました。
浅浮き彫り(ローレリーフ)

堅いオーク材に施された浅浮き彫りは、木材の表面に浅く彫刻を施す装飾技法です。
浅浮き彫りは木材の強度を保ちつつ、装飾性を高める手法として広く用いられ、後の英国家具デザインの発展にも影響を与えたともいわれます。
食器棚やキャビネットの扉に多く見られ、デザインにはゴシック様式の影響を受けたアーチ模様や紋章、植物のモチーフが用いられました。
高浮き彫り(ハイレリーフ)

1660年、チャールズ2世が王位に付くと、フランスからウォールナット材の輸入を始めます。
ウォールナット材はそれまで使っていたオーク材に比べると、木の狂いが少なく、加工もし易かった為、それまでの共和制に不満をもった貴族たちが、さらに華美な装飾の物を求め、それまでの浅浮き彫りよりも、さらに立体的になった豪華な彫刻、高浮き彫りの装飾が作られるようになりました。
果物や花、神話の登場人物などの装飾が細かく彫られ、こうした装飾は、ルネサンスの影響を受け、より華やかで芸術的なスタイルへと発展していきました。
一つ一つ手作業で、気の遠くなるような緻密な作業を繰り返し作り出される浮き彫りはまさに芸術品!
手作業で生み出された美しい浮き彫りをぜひご覧になってください。