スツール・オットマンマホガニー
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マホガニー材の家具
「カリブの宝」とも呼ばれ、現在では本物のマホガニーは手に入らないとも言われる、希少な高級家具材のマホガニー材。そんなマホガニー材を使って造った家具の特徴をまとめてみました。
そもそも本来マホガニー材と呼ばれた木材とは「キューバンマホガニー」「ホンジュラスマホガニー」「メキシカンマホガニー」「ブラジリアンマホガニー」など中南米産の木材です。
中南米産の、赤みを帯びた美しい木肌のマホガニー材はとても人気で、マホガニー材の家具は大流行しました。
けれど、そんな大人気のマホガニー材は、大量伐採されたことにより、絶滅の危機に瀕してしまいます。
そこで、1946年にキューバ政府はマホガニー材の輸出を禁止し、ワシントン条約で取引も制限されたため、現在では、本来「マホガニー材」と呼ばれた南米産の木材で造られた家具を手に入れることはできなくなってしまいました。
現在造られている多くのマホガニーと呼ばれる家具には、東南アジアで植林された、マホガニーに似せた樹木や、木目のよく似たカバ桜などに赤っぽい染料で加工されたものが見られます。
そのため、本来の美しい木肌のマホガニー材が使われた家具を楽しむことが出来るのは、マホガニー材が流行した当時に造られたもののみになります。
イギリスの家具の歴史では、18世紀前半から19世紀までをマホガニー材の時代と言われています。
そんなマホガニー材の3つの特徴は以下の通りです。上品な木肌を活かしたデザインや、繊細な美しい装飾が施されたりと、高級家具に多く見られる木材です。
01.
加工性・耐久性が高い
マホガニー材は耐久性があり、乾燥後の狂いもほとんどない優れた材質です。
柔らかいのに、頑丈、そして軽いことから、装飾を施すのにもにうってつけの材質で、それまでできなかったピアス・ド・カービングのような、繊細な透かし彫りのデザインにも使われました。
華やかな装飾が特徴的なマホガニー材の家具や椅子は、線の細い上品で美しいデザインが魅力です。
02.
輝くようなリボン杢
マホガニー材の杢目によく見られる特徴として、「リボン杢」と呼ばれる縞模様があります。
杢目が、らせん状に交差している木材を柾目にカットすることで見られるリボン杢は、光の反射によって輝くように見え、美しいひとつひとつの縞模様がリボンの様に見えることから、「リボン杢(ribbon stripe grain)」と呼ばれています。
03.
深みを増す木目
マホガニーの木材は、外側が黄味がかった色、中心部分は淡い赤色から赤褐色となり、使う部分によってもいろんな杢目の表情が見られる木材です。
また、木材は、光や空気に触れることによって、経年変化で色味や木目の柄が変化していきますが、マホガニー材の場合は、全体的に淡いもともとの色から、だんだんと深みを増して、美しい赤褐色に変化していきます。