コテージウェア

コテージウェア（cottage ware)とは、イギリスの伝統的なコテージを模した陶器製品のことです。

可愛らしい茅葺き屋根のコテージの形をしたデザインで作られたティーポットやカップ、シュガーボウル、クリーマー、クッキージャーなど、さまざまなアイテムがあり、第二次世界大戦後のイギリスで大変な人気を博しました。

戦後の品不足の中、温かみのあるコテージウェアは、人々に平穏な暮らしを取り戻したいという希望を与えました。

コテージウェアは、主に庶民のギフト用として販売され、多くの家庭で部屋の飾りとしても楽しまれました。
そのデザインは、イギリスの農村地帯に見られる「イングリッシュ・コテージ」と呼ばれる田舎風の一軒家を模して作られています。

1940年代から1950年代にかけて、戦後の経済復興が進む中、政府の外貨獲得政策の影響もあり、コテージウェアは輸出品としての生産も盛んになりました。 特に、スタッフォードシャー地方では、多くの陶磁器工房がコテージウェアの生産に力を入れ、国内外での人気を集めました。

コテージウェアの代表的なメーカーには、プライス・ブラザーズ（Price Bros.）、キール・ストリート・ポタリー（Keel Street Pottery）などがあります。

プライス・ブラザーズは、特にティーポットのデザインで知られており、その品質とディテールの美しさから、現在でもコレクターズアイテムとして高く評価されています。