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160年以上受け継がれる英国伝統の製法、バーレイ社の陶器
- 水野 友紀子
豊かな土地と陶器に適した気候に恵まれたイギリス陶器のふるさと「ストークオントレント」で1851年に誕生したBurgess&Leigh社(バーレイ社)
創業してから160年以上の間、MADE IN ENGLANDにこだわり続け、昔ながらの手作業で作り続けています。
現在もなお職人たちが昔のままの手作りで陶磁器を作り続けています。
バーレイ(Burleigh)とは?
バーレイ社とは、イギリスのストーク・オン・トレントのバーズレムで設立された、日本でも人気の陶磁器メーカー。
ストーク・オン・トレントは、英国陶磁器産業の里とも言われており、現在では観光地としても有名な場所です。
現在のバーレイは、1851年の創業当時には、創業者の名前を取ったハルム・アンド・ブースとして誕生。
その11年後の1862年にブランドを引き継いだ、「フレドリック・ラスボーン・バージェス」と「ウィリアム・レイ」の名前を取り、現在のBurgess & Leigh=Burleigh(バーレイ)へと名前が変わっていきました。
現在も稼働する唯一の工場
ミドルポート・ポタリー
そんなバーレイ社が、現在も稼働し続けている英国でも歴史の長い陶磁器の工場、ミドルポート・ポタリーに移ったのは1868年のこと。
ミドルポート・ポタリーは、廃棄物の処理などにおける環境に配慮した製造過程や、工場内での優れた動線によって、1880年代にはストーク・オン・トレントの模範工場として高い評価を得ていました。
昔から続く同じ場所で、当時の技術を引き継ぎながら生み出されてきたバーレイの陶磁器は、世代を超えて今も尚、イギリスはもちろん日本でも愛されているアイテムなんです。
バーレイのブランドを守った
ドーリング夫妻
長い歴史を持つバーレイも、人々の生活スタイルの変化や輸出入の活発化などによって、陶磁器業界での競争も激しくなり、1990年代には倒産の危機に陥ってしまいます。
そんなバーレイ社に手を差し伸べたのが、イギリスのウィンチェスターで陶磁器事業を営んでいたドーリング夫妻。
ロンドンでも有名な百貨店、リバティを訪れた夫妻は、そこでバーレイ社のフラワーベースと出会います。
このバーレイの作品に惚れ込んだ夫妻は、ブランドを守るために、私財をかき集めてバーレイ社を買い取ることにしました。
夫妻が経営にかかわる間、バーレイ社はバージェス・ドーリング・アンド・レイ社としてブランドの再建を開始。
それまでと違う新しい客層の開拓や商品開発など、様々なブランドのリニューアルを行いましたが、なかなか状況は好転せず…。
しかし、そんな夫妻の活動は陶工業界に広まり、2010年に英国の陶器メーカーであるデンビー社の傘下に入ることで、ブランドとして存続できるようになりました。
チャールズ皇太子からの
工場への支援
これで一安心かと思いきや、その翌年すぐに、バーレイ社の拠点、ミドルポート・ポタリーの工場の老朽化が指摘されてしまいます。
工場の修復に充てられるほどの経済力のなかった当時のミドルポート・ポタリーの工場は閉鎖の危機に。
そんな、ミドルポート・ポタリーに力を貸したのが、チャールズ皇太子でした。
チャールズ皇太子の慈善団体「プリンスズ・リジェネレーション・トラスト(PRT)」によって、工場存続のために、なんと、900万ポンドもの支援が得られることに。
それにより、3年の修復期間を経て、2014年の7月には、バーレイ社のあるミドルポート・ポタリーの工場は、一般の観光客が訪れることが出来るまで復旧されました。
バーレイ社は、長い歴史の中でいろんな人たちの助けを借りながら、現在も英国の老舗ブランドとして、ヴィクトリア時代の技術と伝統が守られ続けているんです。
ひとつの製品に、何人もの職人が携わります。
Point.01
原料の土から英国産
MADE IN ENGLANDにこだわるバーレイ社の製品は、原料となる「土」からすべてが英国産。
陶器を製造するための石膏型はすべて自社工場内。素焼きの陶器を作り、スポンジで表面を滑らかにします。
Point.02
すべての絵柄は、
手彫りで型を作ります
銅版転写と呼ばれる技法で行う柄付け。まずは何種類ものニードルを使って銅版に手彫りで柄を刻みます。
1つの銅板が完成するのに6週間以上!出来上がった銅版にインクを塗って薄い半紙に柄を印刷します。
Point.03
マグ1個に約30分!
印刷されたロール紙が乾く前に、一つ一つ素焼きの陶器の形に合わせて貼り合わせて、絵画の要領でブラシでこすり柄を転写します。
プリントされた紙を立体の陶器に貼り付けるのが熟練の技術!マグ1個の貼付けに、なんと約30分もかかります。
Point.04
熟練した職人による
高い技術
たくさんの職人さんたちによって仕上げられるバーレイの陶器。
160年以上、ずっと変わらない工程で一つ一つ手作業で作られているほっこりとしたあたたかみの残る英国伝統の陶器をお家で楽しんでみませんか?
高麗キジと牡丹が描かれた「アジアティックフェザンツ」シリーズのブルー。
バーレイの中でも最もファンの多い代表的なパターンです。
ホワイトに淡いブルーの優しい雰囲気は、あなたのティータイムをより優雅な時間に変えてくれます。
→ブルーアジアティックフェザンツを一覧で見る
高麗キジと牡丹が描かれた、上品で優しい絵柄の “アジアティックフェザンツ” シリーズのピンクです。
1851年に製造されて以来、現在もファンの多い、バーレイの代表的なパターンです。
淡いピンクがとても可愛らしく、あたたかい雰囲気のシリーズです。
→ピンクアジアティックフェザンツを一覧で見る
オリエンタルな東洋のイメージを連想させるアジアティックフェザンツのプラムシリーズ。
とても落ち着いた雰囲気で、ブルーやピンクにはない大人っぽい上品さがあります。
→プラムアジアティックフェザンツを一覧で見る
高麗キジと牡丹が描かれたオリエンタルな雰囲気のバーレイを代表するパターンの一つ。このシックで落ち着いたグリーン色は、日本でか手に入らない日本限定販売職です。
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英国の素朴な草花をモチーフにしたアーデン。
1880年代にデザインされた、サンザシの花を生き生きと描いたコバルトブルーのコントラストが印象的なパターンです。
→アーデンを一覧で見る
コントラストの強い色彩が人気のキャリコ。
バーレイのフェザンツに次ぐ代表的なデザインで、氷のうえに落ちたプルナス(桜の一種)をイメージしています。
長い冬を終え、春の始まりを感じさせる温かい花柄です。
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ニワトコの木を思い出させる小花模様が散りばめられた、可愛らしいパターンのフェリシティ。
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「鳥の王を選ぶ東洋のおとぎ話」にでてくる優雅な孔雀を描いたシリーズ。
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桜の一種、プルナスの花や芽、葉っぱが美しく絡み合った、バーレイ史上、初めてブリティッシュグリーンで描かれたシリーズ。
→グリーンプルナスを一覧で見る
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
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〒910-0019 福井市春山2-9-13
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