絵本の中から飛び出した英国の田園風景「コテ―ジウェア」

水野友紀子
水野 友紀子

コテージウェア(Cottage wear)


コテージウェア

▶コテージウェア商品一覧


英国のアンティーク陶磁器には面白いデザインのものがいろいろありますが、その中でも一番英国らしいな・・・と思うのが「コテージウェア(Cottage wear)」と呼ばれるアフタヌーンティーで使う食器です。

コテージウェアとは、イギリスの田舎に建っている「イングリッシュ・コテージ」と呼ばれる茅葺屋根で出来た一軒家をモチーフにデザインされた陶磁器のこと。

ティーポットカップ&ソーサーシュガーボウルミルクジャグなどアフタヌーンティーに使う茶器を中心に、ソルト&ペッパーのようなスパイス入れやバターケース、クッキーを入れておいたクッキージャーまで、食卓で使ういろんなテーブルウェアが作られましたが、どれもこれも使うのがもったいないくらい可愛い(笑)

もともとは食器として使うために作られたものですが、食器棚の中に入れておくだけで、まるでイギリスの農村地帯にやってきたような気分になっちゃう可愛さで、ディスプレイ用としても人気の食器です。

コテージウェアの誕生

コテージウェアが誕生したのは1930年代でしたが、地元の小さな窯でしか作られていなかったこともあり、ほとんど知られていませんでした。

そんなコテージウェアが大人気になったのは、第二次世界大戦後の1940年代後半。

1915年創業のキールストリートポタリーがコテージウェアを作り始めたことがきっかけになりました。

第二次世界大戦中、閉窯をよぎなくされたキールストリートポタリーは、1946年に生産を再開。その時、生産ラインに加えたのがコテージウェアでした。

昔ながらのイギリスの田舎のお家を模った、素朴でほっこりあたたかな雰囲気が漂うコテージウェアは、第二次世界大戦後の物資不足の中で「平穏な日常の暮らしに戻りたい」と願う人々の心を鷲掴みにします。

特に茅葺屋根の形をしたティーポットは一般庶民のギフト用として販売されたこともあって、たくさんのお家でティーポットとしてではなくお部屋の飾りとして大人気になりました。

また当時、国家財政の再建にかなり苦労していたイギリスでは、戦後の経済復興と合わせて、政府が外貨獲得のために国際貿易を激励。輸出業に力を入れるようになります。

それに伴い、スタッフォードシャーでも輸出品やおみやげ品の陶磁器をたくさん作るようになり、キールストリートポタリーが作ったコテージウェアを海外に輸出されるようになりました。

イギリス人の紅茶の飲み方「アフタヌーンティー」と、イギリスの田舎の素朴な雰囲気の両方を一度に伝えることが出来るコテージウェアは海外で大人気!

紅茶とともに、第二次世界大戦後のイギリス経済の再建に貢献したアイテムの1つになりました。

Price & Kensington

最初はキールストリートポタリーだけで作られていたコテージウェアですが、爆発的に人気になってきたことで、ストークオントレントのいろんな窯でコテージウェアが作られるようになります。

一般的なコテージウェアは、茅葺き屋根のコテージの形をした磁器製のもの。

まるで本物のコテージのように見える自然な色のお家と植物は手描きされているものですが、特に定評があるのがプライス&ケンジントン(Price & Kensington)社が作ったものです。

プライス&ケンジントン

歴史は古く、1896年の設立当初は、日常で使う紅茶やコーヒーのセット、ノベルティや記念品などを作っていたプライス・ブラザーズ(Price Bros.(Burslem)Ltd)社。

その後、斬新なデザインのティーポットを専門に作っていたケンジントン・ポッタリーズ社と1962年に合併してプライス&ケンジントン社としてスタートしました。


イギリスの他の窯元も含めて、多くの窯元がコテージウェアを作っていましたが、プライス&ケンジントン社のディテールや、ハンドペインティングの技術はとても高く、特にコテージウェアはコレクターズアイテムとして今なお人気があります。

飾っておくだけでとっても可愛いイギリスの田舎のお家と一緒に、素敵な時間はいかがでしょう?



【コテージウェア商品一覧】

イギリスで直接買い付けてきたアンティークのコテージウェアをご紹介します。



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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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