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ウランガラス(ヴァセリンガラス)とは?幻想的に光るアンティークガラスの魅力

- 水野 友紀子
ウランガラス・ヴァセリンガラス
ウランガラス(Uranium glass)とは、極少量のウラン化合物を着色剤として加えて作られたガラスのことです。
ヨーロッパのアンティークの世界では、その色合いからヴァセリンガラス(Vaseline glass)と呼ばれ、世界中のコレクターから愛されている希少なアンティークガラスです。
今回は、一度見たら誰もが虜になってしまう美しいアンティークガラス、ウランガラス(ヴァセリンガラス)についてお話します。
ウランガラス(ヴァセリンガラス)とは
ヨーロッパアンティークの世界ではヴァセリンガラス(Vaseline glass)と呼ばれるウランガラスとは、1830年から1940年代までの期間だけ製造された希少なガラスのことです。
独特の色が軟膏のヴァセリンクリームに似ている所からヨーロッパではヴァセリンガラスと呼ばれるようになりました。
色は淡いイエローやグリーン、半透明の乳白色など、いろんな色がありますが、どれもパッとひと目で普通のガラスとは全然違うと分かる、独特の美しさを持つガラスです。
現在ではチェコや日本の一部でごくわずかに工芸品として製造されていますが、アンティークで見つかるものは、一番新しいものでも80年以上前に作られたもの。
なので、残っている数もとても少なく希少で、世界中のコレクターの間で大人気のアンティークガラスです。
ヴァセリンガラスの特徴
ウランガラス(ヴァセリンガラス)の一番の特徴は、なんと言っても色。
まるでヴァセリンクリームのような独特の色が一番の特徴ですが、実は紫外線(ブラックライト)を当てると、目が覚めるような鮮やかな蛍光グリーン色に光ります☆
とは言え、紫外線ランプが出来たのは比較的最近。
まだブラックライトがなかった当時は、太陽の光に紫外線が多く含まれる早朝や夕暮れ時に、窓から差し込む紫外線に反応して蛍光色に浮かび上がるヴァセリンガラスの神秘的な美しさを楽しんでいたようです。
ヴァセリンガラスのはじまり
ヴァセリンガラスは、ドイツの化学者マルティン・ハインリヒ・クラプロート(Martin Heinrich Klaproth)が1789年に新鉱物「ウラン」を発見したことから始まりました。
その後、ガラス工芸で名高いボヘミア地方(現在のチェコ)の職人が、ガラスの着色剤としてウラン化合物を用いる技術を開発。
色に娘の名前から、鮮やかなヴァセリンガラスを「アンナの黄色(Annagelbアンナ・ゲルブ)」「アンナの緑色(Annagrünアンナ・グリュン)」と名付けて売り出しました。
ボヘミアで生まれた美しいウランガラス(ヴァセリンガラス)は、その神秘的な姿から大人気に!1837年、英国ヴィクトリア女王の即位を祝う晩餐会で、数千点ものウランガラスの器が特注され使用されたことで話題になりました。
その後、万国博覧会などを通じ、あっという間にヨーロッパ全域へ広がっていきました。
型押しの技術の発展とともに、一般家庭でも手に入りやすくなったプレスドグラスの花器や小物、ランプなど、家を飾るアイテムとして大流行していきました。
20世紀前半になるとアメリカでも広く作られるようになり爆発的な人気を博したウランガラスですが、第二次世界大戦を境に、ウランが厳重に管理されるようになったことでウランガラス(ヴァセリンガラス)の着色剤として使うことが法律で禁止されるようになりました。
そして現在、チェコや日本の一部でごくわずかに工芸品として製造一部で復刻されたものもありますが、1830年代から1930年代の黄金期に作られアンティークのウランガラス(ヴァセリンガラス)は、生産された期間も短く、またガラスなだけに破損しているものも多いため、とても希少。
きれいな状態で残っている数はとても少ないので、年を追うごとにドンドン貴重品として人気のコレクターズアイテムです。
ウランガラス?ヴァセリンガラス??
ドイツや日本では「ウランガラス」と呼ばれることが多いですが、ヨーロッパのアンティークガラスを呼ぶ時の呼び名は「ヴァセリンガラス」です。
もちろん、どちらも同じもので、呼び名が違うだけです。
ちなみに「ウラン」と聞くと、人体に影響があるのでは?!と思われる方もいらっしゃるようですが、使われているウランの量は極微量。
ガラスに含まれるウランから出る放射線量は、私たちが日常で浴びている自然界の放射線(太陽光や大地から出ているもの)と同じレベルなので人体への影響はなく、健康上の心配はありませんので、安心してお使下さい。
ヴァセリンガラスコレクション
ペンダントライト

一番多く見つけることが出来るアンティークのヴァセリンガラスが、ペンダントライトのランプシェードです。
いろんなデザインや形、色がありますが、どれも幻想的でとても素敵。
最近はなかなか手に入れることが出来なくなっているので、ガラスシェードコレクターとして集めている方も多いようです。
プレート

ドレッサーの上に置いてお化粧品を入れて使っていたドレッシングセットのプレート。
一緒に使っていたと思うパフケースやキャンドルスタンド、アクセサリースタンドは見つからなかったことがとても残念ですが、大きなプレートはいろんなことに使えてとっても便利!
この子の色はクリアなグリーンなので、朝日が当たった時、キレイな蛍光グリーンになったんじゃないかな??(笑)
ビスケットバロー

めったに見かけることがないヴァセリンガラスのビスケットバロー。
ヴァセリンガラスでいろんな食器が作られましたが、ビスケットバローは特別な存在です。
中にビスケットやキャンディを入れておもてなしに使われていたのかな?と想像するだけでワクワクしちゃうめずらしい器です。
オブジェ(白鳥)

プレスドグラスでも大人気の女王の鳥、白鳥のフィギュリン。
ヴァセリンガラスで出来ているフィギュリンはほとんど見かけることがない超貴重品です。
羽根の一枚一枚が浮かび上がるような繊細なレリーフ模様は、角度や光の当たり方で表情が変わり、眺めているだけでもうっとり・・・ブラックライトを当てると、どんなに美しいだろう・・・と想像する時間も楽しいです。

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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
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