英国生まれの小人のお家「リリパットレーン」

水野友紀子
水野 友紀子

リリパットレーン(Lilliput Lane)


リリパットレーン

イギリスに買い付けに行った時、私の楽しみの一つが建物を見ること。

「どんな人が暮らしているのかな?」と思わず中をのぞきたくなっちゃうような、おとぎ話に出てくるような可愛いお家を見ているだけでワクワクするんです。

そんな素敵なお家を、ドラえもんのスモールライトでミニチュアサイズに小さくした置物。それがリリパットレーン(Liliput Lane)です。

初めてリリパット・レーンを見つけた時「ミニチュアハウスには興味はない!」と見向きもしなかった私(笑)

ですが、たまたまリリパット・レーン専門の担当の方に、直接、話を聞いて・・・感動☆

これから先、見つける度に気に入ったものを一つずつ集めようと心に決めました!

リリパットレーンとは、石膏で作った、手作りのミニチュアハウスのこと。

ガリバー旅行記に出てくる小人の国「リリパット」から名前が付けられたそうです。

1982年に創業者のディビッド・テート(David Tate)が「英国の古い建物を世界中に広めよう!」と設立したリリパットレーン。

英国に実在する古い建物をリアルに再現し、ロンドン塔やタワーブリッジなど、有名な建物もいっぱいありますが、どちらかと言うとコッツォルズのはちみつ色のお家やコテージ、レンガ造りの建物、茅葺屋根のお家…などなど、実際に英国で目にする身近な古い建物のミニチュアハウスが大人気です。

というのも、じっくり見てみると、実に精巧!仕事が細かい!・・・いや、細かすぎる~(笑)

屋根の瓦や窓、煙突はもちろん、建物の周りには木やお花など、超リアル!

英国らしいイングリッシュガーデンのお庭には薔薇が咲いていたり、真っ赤なポストやテレフォンボックス、ベンチが置いてあったり…

時にはベビーベッドで寝ている赤ちゃんや、クマのぬいぐるみ、ワインが入っていた木箱やボートを見つけることも!リアル感がハンパないんです。

リリパットレーン

この細かさを表現するために、一つの型から作りだすのは多くても…10個!

しかも、屋根瓦やレンガ壁などは、一つ一つピンセットを使って、手作業で貼り付けている徹底ぶり(驚)

そんな風に建物をそのまま小さくした、精巧に作られている所がリリパットレーンの一番の魅力です☆

さらに、色塗りにもこだわりがあって、実は専門のペインターさんが手作業で一つ一つ着色したもの!!

きっと、とんでもなく長い時間をかけて手作業でペイントしたんだろうな・・・と思うんですが、大変過ぎたのか、ペイントされていない状態のものが販売されていた時期もあったので、時々、素人さんがペイントしたものが見つかるときもあります。

自分で好きな色にペイントできると喜んで購入された方も多いようですが、実際はかなり大変な作業(汗)

かなり前の話になりますが、英国からリリパットレーンのペインターさんが日本に来られた時には、その細かいペイント技術を見るために、大行列が出来ていたようです。

そんなリリパットレーンは、2016年に製造が中止され、翌年にオーナーが亡くなってしまったことで工場が閉鎖。新しいものは作られる手に入らなくなってしまいました・・・(涙)

精巧すぎる作りのため、欠けているものも多いんですが、数量を限定で製作されたデザインも多く、貴重なコレクターズアイテムとして世界中で人気!

ジオラマを作るコレクターも多くて、世界中にコレクターズクラブが設立されています。

ということで、100年後には間違いなくアンティークとして大切にされている逸材だと思う、ガリバー気分が楽しめる可愛い英国のお家、リリパットレーンと一緒に、ステキな時間を過ごしてみませんか?



【ご紹介したアイテム】

英国の古い建物をリアルに再現した職人が造ったミニチュアハウス「リリパットレーン」



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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

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(水野商品館 株式会社)

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