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ビクトリア時代の文房具「インクボトル」
- 水野 友紀子
インクボトル(ink bottle)
今のようにペットボトルがない時代、液状のものを運ぶのはそれはそれは大変・・・
全てがガラスの瓶に入れて運ばれていましたが、その中でも特に私が大好きなアンティークの瓶が「インクボトル」です。
定番のアンティークですが、インクが入っていただけに汚れているものも多く、いろんな形のものがあるので、買い付けの時、私をすごく悩ませてくれる一品デス(笑)
この時代に作られたガラスのビンは緑色から水色の美しいソーダ瓶。見ているだけでワクワクするインクボトルについて詳しくご紹介します。
ビクトリア時代の英国では、郵便が発達したことで手紙を書くことが大流行!
まだボールペンがなかった時代なので、手紙を書くときは映画で見かける羽根ペンのようなペンのペン先にインクをつけて文字を書いていました。
プラスチックもペットボトルもない時代、インクを安くて大量に運ぶために作られたのがインクボトル!
もちろん全てが手作りなので、中にはポツポツ気泡がたくさん入っています。
今だったら不良品になってしまい、出回ることのない気泡入りのガラス瓶。
アンティークの場合、この気泡がガラスの表情に見えるし、逆にアンティークだからこその証!
なんだか愛おしく見えてしまうのはみんな同じみたいで、気泡がたくさん入っているモノの方が人気があります。
ガラスの厚みも、手作りのため均一に作ることが出来なかったことで、全体がゆらゆら ゆれて見えたり底の部分厚みが凸凹になっていたり…
一つ一つが違っていて、とっても面白いんです。
口の部分に注目すると、「SHEAR LIP」と呼ばれるギザギザのものは作られた年代が古い証です。
インクを出来る限り手間がかからないように供給するため、「Burst Lip Bottle」や「Penny Ink」と呼ばれるガラスの口が閉じられたままの状態の瓶の中に入れて販売されていました。
使う際、まさにBurst Lip=口を破壊して使っていたので、口の部分がギザギザになっています。
こんな所もアンティークらしさが感じられる所です。
100年以上前に作られたアンティークのインクボトルのガラスはガラスの成分が今と違っているので、色がとってもキレイなのも特徴の一つです。
形がイビツだったり・・・
色がバラバラだったり・・・
手作りらしく、一つ一つの表情が違って個性的で、同じものが2つとないのも魅力です。
いろいろ集めてみたくなってしまうんですよね・・・(笑)
そのまま置いておくだけでも、その色や形で、絵になってしまうアンティークガラスのインクボトル。
窓辺に置くとガラスに光が入って、さらにキレイ☆
中にお水を入れると、ゆらゆらして見えるので、小さなお花の花びんとしてつかうのも人気です。
置くだけで存在感のあるので、ディスプレイとしても使って頂けます。
いろんな形があるビクトリア時代の文房具用品、インクボトルと一緒に、気軽にアンティークのある暮らしを始めてみませんか?
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
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第521010008980号
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