ロココ様式とは？フランスで誕生した曲線美の魅力

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ロココとは、18世紀のフランスで流行した優雅な曲線美が特徴的な女性的な様式のことです。
サロンをきっかけに発展したロココ様式の魅力からコーディネート方法について、分かりやすくお話します。

Handle　水野　友紀子

ロココ様式とは？

ロココ様式とは、18世紀にフランスを中心に流行した様式のことです。

17世紀に流行した豪快で雄大、男性的なバロック様式に対し、その後、流行した優雅で華やか、女性的な雰囲気がロココ様式です。

ロココ（Rococo）の語源になっているのは、ベルサイユ宮殿の庭園につくられた、貝殻の曲線模様を施した人工の築山「ロカイユ（Rocaille)」。

そこから、貝殻の曲線模様が入ったモチーフをロカイユと呼ぶようになり、その後、お花やアカンサスの葉など、自然をモチーフにした曲線的な非線対称デザインへと発展。

女性的で繊細、優しい雰囲気の「ロココ様式」が誕生しました。

ロココ様式は他の様式とは違って、建築に先行してフランス宮廷のインテリアから始まっためずらしい様式。

絵画やファッション、家具などの様々な分野から建築まで、優雅で女性らしいロココ様式は宮廷文化として広まっていきました。

フランスで流行したロココ様式はその後、イギリスやイタリア、ドイツにも広まり、それぞれの国、独自のロココ様式へと発展していきました。

誕生のきっかけ サロン

ロココ様式が大流行した理由に、女性が集うサロン文化の発展があります。

ルイ14世の没後、貴族たちはそれまでの堅苦しい宮廷生活から解放され、自分たちの住まいが持てるようになります。

そこで親しい人たちをお家に招いて自由に知的な談話を楽しむ社交界「サロン」が女性たちを中心に開かれるようになります。

サロン文化を流行させたのが、フランス王・ルイ15世の公妾・ポンパドゥール夫人でした。

▲ルイ15世

▲ポンパドゥール夫人

政治に関心がないルイ15世の代わりに、才色兼備のポンパドゥール夫人は政治にかかわるようになり、啓蒙思想家と親交を深めためにサロンを開くようになります。

サロンを開催するための部屋は自分の権力を表すための場所でもあったので、豪華な素材を使って芸術性の高い煌びやかなインテリアにこだわるようになりました。

そこで、自分がパトロンになって、多くの芸術家や家具職人と交流するようになり、女性らしいロココ様式のインテリアが発展していきました。

またサロンで使うために見た目だけではなく快適に過ごせる女性らしく居心地の良い家具も誕生！

仮眠をとるために作られた長椅子「セティ」や、「コモード」と呼ばれるチェストも、サロン文化とともに造られるようになり、ロココ様式が発展していきました。

ロココ様式の 特徴

女性らしいロココ様式の特徴について、分かりやすくまとめてみました。

01　曲線

ロココ様式の家具の曲線カーブに使われているのはS字形とC字形。

S字形の曲線はフレンチカブリオールレッグ、C字形の曲線はアカンサスの葉や貝殻の彫が入った彫などに用いられ、女性らしくエレガントで柔らか、華やかな印象になります。

S字形 カブリオールレッグ

ロココ様式の家具の定番が「カブリオールレッグ」。

フランスのロココ様式の代表は、まるでハイヒールを履いたような足元が特徴的な、しなやかにS字にカーブするフレンチカブリオールレッグです。

C字形 ロカイユ

C字形に曲線を描くロココ様式の装飾の代表が「ロカイユ」

貝殻や花、アカンサスなどの植物をモチーフにした繊細で優美な曲線の装飾は、室内装飾や家具の装飾、彫刻やインテリアなど様々なインテリアに使われました。

02 　色

ロココ様式では、パステルカラーやライトグレー、クリーム色のように、白を基調とした優しい色彩が好まれました。

金箔を貼った煌びやかなものとパステルカラーを使った柔らかく明るい色とのコラボが優美なところもロココ様式らしさです。

ロココ様式の 家具

ロココ様式の家具や椅子は、それまで人気だった豪華なバロック様式に比べて華奢で小ぶり。 それでいて装飾性が高く、華やかで女性らしい雰囲気が特徴的です。

今までHandleに届いたロココ様式の代表的なアイテムをご紹介します。

Item.1　プチポワンチェア

マリーアントワネットが愛したことでも知られる美しい刺繍プチポワンのサロンチェア。

ロココ様式らしい色使いと絵画のような美しい刺繍が魅力です。

Item.2　セティ

ロココ様式を代表する家具の一つ、背もたれつきの長椅子「セティ」

サロン文化の発展とともに誕生したセティは、細部まで美しい芸術品のような椅子です。

Item.3　コモード

引き出しがついたチェスト「コモード」もロココ様式に流行した家具です。

フランスらしい柔らかい曲線ラインのフォルムや、まるでジュエリーのようにきらびやかな取っ手がロココ様式らしいチェストです。

Item.4　コーヒーテーブル

テーブルのまわりをぐるりと囲むアカンサスの装飾がロココ様式らしいコーヒーテーブル。

C字形のアカンサスの彫のデザインと、S字形のフレンチカブリオールレッグの足の曲線コラボがロココ様式らしいテーブルです。

Item.5　ドレッサー

ロココ様式らしい曲線美が華やかなデザインの女子力高めの優美なドレッサー。

明るいホワイトペイントと、華やかな装飾が細部にまで施されロココ様式らしい宮廷デザインを楽しむことができます。

Item.6　キャビネット

ロココ様式の装飾がたっぷり施されたガラスキャビネット。

貝殻やアカンサスの彫がたっぷり入ったフランスらしい扉の装飾がとっても優雅で、一台置くだけでお部屋が一気に華やかになります。

ロココ様式の 部屋

ロココ様式のアンティーク家具や椅子を使ってコーディネートしたお部屋をご紹介します。

ROOM01 ダイニング

カブリオールレッグのダイニングテーブルをメインに、フランスの家具で統一した華やかなダイニングをコーディネートしました。

ロココ様式を代表するロカイユ装飾の家具に、華やかな刺繍が贅沢なプチポワンのセティを合わせることで、フランス貴族気分が楽しめます。

ROOM02 リビング

サロンをイメージした華やかなロココスタイルのリビングをコーディネートしました。

プチポワンのセティと、サロンチェアの中心には、ロココ様式らしい贅沢な装飾がたっぱり施されたコーヒーテーブルを合わせてみました。

ペルシャ絨毯とロココ様式の家具は相性がとてもいいので、床に広げるだけで、まるでお花畑にいるような華やかな空間が広がります。

ROOM03 寝室

淡いピンクの壁に映える白いドレッサーを中心に、思いっきりロココ様式を楽しむ可愛く華やかな寝室をコーディネートしました。

仕上げにキラッキラに輝くシャンデリアを組合わせれば、フランス宮廷気分の寝室が楽しめます。

ROOM04 和室

和室の畳にロココ様式の家具を組合わせた、エレガントな雰囲気漂う和室。

畳の淡いグリーンの上に、木をメインにしたロココ様式の家具を組み合わせたことで、落ち着いた大人の和のロココ様式が完成です。 日本の和とフランスのロココのおしゃれコラボを楽しみませんか？