木目の美しさにうっとり、英国デザインのチェスト

多分、アンティークの家具の中で、一番支持されている人気のアイテムなんじゃないかな？と思うのがチョコレート色のオーク材のチェスト。

買い付けの度に、状態がいいものがあれば必ず「こんなに買い付けて大丈夫かな？」って思うくらい、たくさんの数を買い付けてくるんだけれど、気が付くといつも倉庫からなくなってしまっている英国アンティークの定番スタイルの家具です。

実は･･･私も最初、オーク材のチェストにそんなに興味がなかったんです(苦笑)だから、なぜそんなに人気があるのか分からなかったんだけれど、家具屋目線でよく見てみたら、気になってきた点が「木目」。

アンティークだと当たり前だったから、あまり意識してみたことがなかったオーク材の木目は、現代ではとても準備することが出来ないんじゃないかな･･･？特にオーク材らしく荒々しい「タイガークランク(虎斑)」と呼ばれる木目を見るたびに「贅沢だな･･･」って思います。

でも、修復作業を見ていると･･･この贅沢さは素材だけじゃなく職人さんの技術が伴って出来上がるものなんだなって感じるんです。引き出し一つ一つを丁寧に修復している姿はとても根気が必要なんだけれど、そのおかげで修復する前と後とではタイガークランクの模様の出方が全然違う！まるで職人さんが魔法をかけたようです(笑)

そんなチェストが、今も昔も寝室に置く家具の必須アイテムなんだなと感じたのは、最近、とっても貴重な昔の家具カタログを見せてもらう機会があった時。中に描かれていた「ヴィクトリアンスタイル」のベッドルームには、チェスト、ドレッシングチェスト、ワードローブ、ウォッシュスタンドがお揃いの同じデザインで並んでいるんだけれど、4点全部のアイテムがお揃いで作られるわけではなく、何かが外れて2点や3点だったりする場合も。でも、チェストだけはどの組み合わせにも必ず描かれていて外れていることはないんです。

背が高いものから低いもの、天板部分に収納がついたバチュラーチェストにサイドチェストなどなど、今も昔もなくてはならない必須アイテム。どのタイプも人気のチョコレート色のチェストは、1つはお部屋で使ってもらいたい人気モノです。