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クイーンアンチェアのおはなし|イギリスでの買い付けで見つけた女王時代の椅子

- 水野 友紀子
クイーンアンチェア(Queen Anne chair)
初めてクイーン・アンチェアを見た時、「中国の王朝の椅子?!」と思ってしまった私。
それくらい気位が高くて凛とした雰囲気が漂いまくっている、シノワズリスタイルの椅子に、なんだかドキドキしたのを覚えています。
とは言いつつ、そもそも「クイーンアン様式」と言うものに、全く興味がなかった私(笑)
だって~!直訳すると「アン女王の椅子」だなんて、名前がそのまますぎて、センスがなさすぎじゃない?!って(大笑)
でも、今となっては、このシンプルで気高く上品なデザインの椅子が、好きで好きで仕方がない~!!
ということで、私と同じように、そんなにクイーンアンチェアに興味を持っていない方に、クイーンアンチェアの魅力をお話したいと思います。
女王の時代に誕生した椅子
そもそも、クイーン・アンチェアとは、Queen Ann=アン女王の時代に出回ったクイーンアン様式のデザインの椅子のコト。
アン女王の時代は、1702~14年とすごく短い期間だったんですが、この時代に誕生したものは300年もの月日が経った今でも、根強い人気!
それまでの直線的でゴツゴツした装飾がたっぷり入ったデザインとは違い、なめらかな曲線を描く、優雅で女性らしいデザインの家具がいろいろ誕生しました。
そんなクイーンアン様式の代表的な存在になっているのがクイーンアンチェア!
パッと見た目は、とてもシンプルなデザインのクイーンアンチェアは、女王の時代に生まれた椅子らしく、女性らしいアイデアがギュッと詰まっている実用的な椅子」という話を聞いて、好きで好きで仕方なくなった私。
と言うのも、それまでの家具や椅子とは、王侯貴族が使うために造られたものなので、豪華絢爛で華やかなデザイン優先のものばかりでしたが、アン女王は逆。
見た目より、女性らしく使いやすさを重要視してデザインさせたことで、それまでのゴテゴテとした華美な装飾が省かれたシンプルなデザインが誕生!
さらに、機能的な中級家具が造られたことで、たくさんの人に支持されるようになりました。
一見、シンプルに見えるデザインですが、女性らしい柔らかさが感じられ、さらに実用性を考えたデザインだってところが、今も支持され続ける理由デス。
クイーンアンチェアの特徴
クイーンアンチェアの一番の機能的な特徴は・・・座面!
実は、それまでは板座の座面しかなかった椅子の座面に、初めて分厚いクッションがついたのがクイーンアンチェアなんです!
おかげで、長時間座っていてもお尻が痛くならなくなったというところが大きなポイント。
でも、実はそれだけではなく、アンティークの場合、座面だけがポコッとハズれて修復しやすい所もポイントです。
初めて座面が外れた時、壊したのかと思ってビックリしてしまった私(笑)でも、わざと外れるようにデザインされているということを知って、なんて画期的な椅子なんだろうって感動しました!
そして、2つ目のポイントが、ゆっくり寄りかかれるよう、背中に合うようにデザインされた背が高い背もたれ。
しかも、背もたれの真ん中部分には、花びんやヴァイオリンをモチーフにした背板(スプラット)のデザインと、それを囲むフレームの曲線がとっても優雅です。
この背もたれは、当時ヨーロッパで大流行していた中国の家具、シノワズリの影響を受けているので、私の中ではまさに・・・ラストエンペラー!(笑)
ちょっと思い出して見ると、高級な中華料理店で使われているのを見かけることも多いデザインだなって。
時には象嵌が入っているモノを見つけることもあったりして、シンプルなデザインの背もたれなのに、どれも個性的☆
今までたくさんのクイーンアンチェアを連れて帰って来ましたが、同じように見える背もたれのデザインも、実は微妙にいろんな部分が違っているから、コレクションしたいくらい!!(笑)
同じデザインで、全く同じパターンがない所がスゴイなって、いつも感動しています。
そして、最後の極めつけが・・・カブリオールレッグ!
実は、カブリオールレッグは、そもそもはフレンチカブリオールレッグと言って、フランスのデザイン!
当時のイギリスとフランスはとても仲が悪かったので、イギリス独自のカブリオールレッグがクイーン・アン様式で誕生しました。
なんだか女の意地?!みたいな所も感じられません?(大笑)
だからなのか、イギリスのカブリオールは、フランスのものと比べてすごくシンプル。
でも、このシンプルで落ち着いたデザインが逆に多くの人から支持を得て、その後、イギリス家具の基本になっているっていうからスゴイ!
それまでの椅子は、脚と脚をつなぐ貫(ストレッチャー)という支え棒が必要でしたが、猫脚の椅子で貫を使わない構造が生まれたことで、脚元がすっきりとした優雅な椅子が誕生しました。
やっぱり実用性を考えて女性がデザインしたものは、使い勝手がいいから人気なんだな・・・って、クイーンアンチェアを見る度に、なんだか女性であることに誇りを持っちゃう~(笑)
こんな話を聞いてから、クイーンアンチェアを見てみると、それまでとは見る目が変わって、なんだかすっごくステキに見えちゃうと思います(笑)
使い勝手を優先に考えて造られた、女王時代の椅子。女性のみなさん、いかがでしょう?

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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
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