ロイヤルアルバートとは?英国アンティーク食器の魅力

水野友紀子
水野 友紀子

ロイヤルアルバート(Royal Albert)


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ロイヤルアルバート(Royal Albert)とは、1869年に英国の陶磁器の街、ストーク・オン・トレントで創業した英国を代表する陶磁器メーカーのことです。

2015年にウェッジウッド、ロイヤルドルトンと共にWWRDグループホールディングスの一員となり、今もブランド名だけ生き続けるロイヤルアルバートの人気のヒミツについてお話しします。

紅茶を最もおいしく飲むための究極の形

私がロイヤルアルバートを知ったきっかけは、カップ&ソーサー!めっちゃくちゃ可愛らしい形のカップがすっごく気になったことが始まりでした。

ふっくら膨らんだ女子力高めの「モントローズシェイプ」と呼ばれる形。実は可愛いだけじゃなくて、紅茶を最もおいしく飲むための究極の形と言われています。

そもそも、美味しい紅茶をいれるためには、めっちゃくちゃ熱いお湯で抽出させることがポイント!

モントローズシェイプは、カップの下がふっくら膨らんでいて、上にいくと縁の部分が横に広がっていくんですが、下の丸く膨らんでいる部分で紅茶を対流させて温度と旨みを保ち、上が広がっていることで表面積が増え、熱い紅茶を覚ます役割をしているんです。 モントローズシェイプ そして、一番下の高台やスカートと呼ばれる部分があることで、ソーサーに熱が奪われないようになっているという、トコトン紅茶を美味しく飲むことにこだわった形なんだとか。

このモントローズシェイプを使ったロイヤルアルバートのシリーズはいろいろありますが、一番人気は1962年に発表した「オールドカントリーローズ」です。

オールドカントリーローズに使われたのがモントローズシェイプ☆オールドカントリーローズは、金彩に筆を使わず、スポンジパットでぼかしている所が一番の特徴です。

ロイヤルアルバートの歴史

ロイヤルアルバートの始まりは1896年。父のトーマス・ワイルドと息子のトーマス・クラーク・ワイルドの親子が、英国の陶磁器の産地、ストークオントレントで創業した陶磁器メーカー「トーマス・C・ワイルド」でした。

創業した翌年の1897年に、ビクトリア女王の即位60周年の記念品を依頼され、その功績が認められて1904年には「Royal」の称号が与えられ「Royal Albert」になりました。

実はこの「ロイヤルアルバートRoyal Albert」と言う名前。もともとはメーカー名ではなくブランド名でした。

英国王室が大好きだった父のトーマス・ワイルドがヴィクトリア女王の夫だった「アルバート公」と、ヴィクトリア女王夫妻の孫でのちのジョージ5世「アルバート・ジョージ王子」の名前をとって「アルバート・クラウン・チャイナ」というブランド名をつけたのですが、ロイヤルの称号をもらったことから、メーカー名がロイヤルアルバートになりました。 創業当時のロイヤルアルバート ロイヤルの称号をもらって以降、最も英国らしい王室御用達のテーブルウェアを作り続けたロイヤルアルバート。

英国御用達の名前にふさわしくハンドペイントで美しいお花が描かれたものから、モントローズシェイプに代表される優雅なシェイプ、さらにロイヤルアルバート独特の技、スポンジパットまで、いろんな陶磁器を作り続けてくさんの作品を作り続け、英国を代表する陶磁器メーカーへと成長しました。

1978年にはエリザベス女王から表彰を受けましたが、その後はロイヤルドルトンの傘下に入り、2015年にはWWRDグループホールディングスの一員になってしまったことで、英国での製造は行われなくなってしまいましたが「ロイヤルアルバート」のブランド名は今なお残り続け、作品は作り続けられています。

オールドカントリーローズ

オールドカントリーローズ

1962年にデザインされたロイヤルアルバートを代表するデザイン「オールドカントリーローズ」

もともとは、1921年にデザインされたキングスランサムをもとにデザインされた、英国らしい薔薇の花が咲き誇る模様です。

縁取りの金彩は筆ではなく、一つ一つ手作業で仕上げたロイヤルアルバートの得意技「スポンジパット」で仕上げています。


マスカレード

ロイヤルアルバート マスカレード

私が初めて見つけたロイヤルアルバートがこのマスカレード。

薔薇の模様が描かれているアンティークの陶磁器はたくさんあるけれど、マスカレードのような黒いバラの模様はとってもめずらしく、とっても魅力的!

サイズやシェイプ違いなど、いろんなマスカレードを見つけてきましたが、最近はなかなか探し出せなくなってきました。


モスローズ

モスローズ

1947年から2001年まで製造されていた「モスローズ」

つぼみを覆う萼片や茎にできるたくさんの突起が、まるで苔のように見えることから「Moss(苔)Rose(薔薇)」と呼ばれるようになった、実存する薔薇の名前です。

1947年~56年まで製造された初期シリーズの縁の装飾は金彩が厚めです。


ラベンダーローズ

ラベンダーローズ

1961年に発表された「ラベンダーローズは」、名前の通り、ラベンダー色の薔薇の花とグリーン色の葉っぱが美しく描かれたデザインが人気のシリーズ。

1992年に生産終了になったため、他のシリーズと比べて生産量も少なく、あまり見かけることが出来ない希少品です。


ブリガドーン

ブリガドーン

1963年に発売された、スコットランドの国花、アザミが描かれている「ブリガドーン」

「Brigadoon(ブリガドーン)」とは、1954年に制作されたミュージカルに出てくるスコットランドの伝説の村の名前。

水色と白で描かれたアザミの花がとっても爽やかな雰囲気で、スコットランドの美しい自然を表したシリーズです。



【ロイヤルアルバート商品一覧】

イギリスで直接、買い付けてきたアンティークのロイヤルアルバートを販売しています。


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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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