アンティークのテーブルの天板の割れを修復しました。

水野慎太郎
水野 慎太郎

2年前にご購入頂いたアンティークのオールドパインのダイニングテーブル。お客様から天板が割れたとのご連絡を頂きました。
アンティーク家具に限らず新品のテーブルでも、無垢材といって、一枚の本物の板で天板を作っているテーブルに関して、天板の割れは起こり得ることです。特に、マンションやアパート、ご新築間がない住宅ではお部屋の乾燥が原因で天板が割れる事ガあります。

2年ぶりに戻ってきたテーブルの天板。中央部分に大きな割れが入っています。

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では早速、修復作業に入りましょう。

この割れをサイズを測ってみると、約5ミリ。かなり乾燥していたらしく大きな割れです。

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現代の住宅環境は、この家具が生まれた時代とは違い、住宅の気密性も高まりエアコンなどの使用により常に乾燥している状態です。 そのため、人間と同じように木製の家具も乾燥しているんですね。

まずは、割れを埋めるクサビを作ります。

この大きなテーブルの割れた部分はくっつけることは出来ないので、割れを埋めていきます。木材をカットして、クサビ形を作ります。

割れたテーブルの天板の修理

天板の割れの幅に合うように丸ノコを使って、厚みのあるものを数本、用意します。

クサビを差し込みます。

出来上がったクサビを割れたところに差し込んでいきます。ピッタリ合うまで丸ノコで調整していきます。

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接着します。

天板の割れの部分に、水性の木工用ボンドをたっぷり塗り、先ほどの木材を差し込んで金づちでたたいて割れに押し込んでいきます。

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カナヅチに書かれた名前「水の」がいい感じでしょう(笑)かなりの年代ものです。

乾燥させます。

はみ出た木工用ボンドを、塗れタオルでキレイにふき取っていきます。

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木材とテーブルの割れが、しっかりくっつくよう乾燥させます。
はみ出たボンドを、しっかりとキレイにふき取るとキレイに仕上がります。

クサビを切り取ります。

乾燥させ、ボンドがしっかりと接着したところで、差し込んだクサビの木材の出ている部分を切り取っていきます。

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カッターをテーブルの天板に平行にスーッとすべらせて切り取ります。
木材を切り取る時には、カッターは必ず新しい刃を使います。刃の滑りもよく、切れ味が違います。

天板に沿って整えていきます。

ある程度カッターで切り取ったあと、天板に対して凸凹している部分はノミを滑らせながら整えていきます。

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色付けをしていきます。

次に、アンティーク専用のステインを使い、差し込んだ木材に周りの色と合わせながら色付けをしていきます。

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ここは腕の見せ所です!より近い色合いへと近づけていきます。

完成です!

色付けをして完成しました!

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まるで割れがあったのがわからないくらいキレイに埋め木ができました。
これで、以前のようにお使いいただけます。最後、ワックスで仕上げてピカピカに出来上がり!
お届け後、お客様も大満足で大喜びしてくれました!この喜んでもらえた瞬間が、一番、嬉しい瞬間。こんな風に直しながら大切に使い続けられる家具っていいな・・・って思います。

こんな風に、お使いいただいている中で、どうしても不具合がでた場合はいつでもご相談ください。

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ボクが心を込めてしっかりお直しして、届けさせていただきます!

今回修復したアイテム

アンティークのテーブルはコチラからご覧いただけます。


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水野慎太郎

水野 慎太郎

創業明治36年、1903年から続く老舗家具屋4代目。
アンティークショップHandleオーナー。

小さい頃から囲まれて育ってきた、家具に対する知識と修復技術力は誰にも負けない自信がある。
30年後に日本の10人に1人がアンティーク家具を使っている文化を作ることを目標にし、日々、アンティーク家具の修復に奮闘中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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