美術品のように美しい「象嵌」のアンティーク家具
- 橋田 絵美
わたしのお気に入り
アンティークの家具には長い歴史の中で誕生した様々な装飾や細工の家具がありますが、中でも私が一番ときめく装飾が「象嵌」です。
まるで家具そのものに絵を描いたかのような美しい、木工象嵌。
初めてみたときは、本当に家具に絵が描かれているのだと思っていました(笑)
象嵌とは、無垢材の表面に模様を彫り、その模様に沿って切り取った色の異なる木片をはめ込んで模様を描く技法です。
突板と呼ばれる薄い木をパズルのように組み合わせて、それぞれの木が持つ風合いや色合いを活かしながら自然の色で濃淡をつけて表現していく技法はまるで芸術品のよう。
その工程はものすごく細かく、高い技術が必要となる技法。今の時代のように、便利な機械や道具がない時代に作られているため、全ての手作業で作られたもの。
さらに、繊細な型をとるために、堅く収縮しない上質な木材を使用されているんです。
中には、一体この家具が完成するまでにどのくらいの時間がかかったの??と思うくらい気が遠くなるくらいの手間と時間をかけてつくられているのがよく分かる、ものすごく細かい模様で大きな象嵌が施されている家具もあり、腕の高い職人がこれほどの手間と時間をかけて作られた象嵌の家具は本当に芸術品そのもののようです。
現代の家具では、なかなか見ることができなくなった美しい象嵌の家具はアンティークならではです!
さまざまな家具で象嵌を見ることができますが、中でも圧巻なのがやっぱりコチラ。
豪華なパーラーキャビネット。 ローズウッド材で作られたこのパーラーキャビネットには、いたるとことに繊細で美しい象嵌が施されています。 パーツごとに合わせて施された象嵌は、1つ1つ絵柄が違い、いろんな象嵌のデザインを一つの家具で楽しませてくれます。
象嵌の他にも、透かし彫りや挽物細工などのアンティークならではの美しい装飾がちりばめれていて、どこを切り取っても、文句なしの最高級のパーラーキャビネットです。
こんな素敵なパーラーキャビネット、お部屋に置いておくだけでも毎日が彩りが溢れ心豊かに暮らせそうです。
象嵌の家具を始めるなら、象嵌が施された美しい「椅子」がおススメ。
背もたれの部分に施された象嵌は、繊細なのに存在感が抜群です。 この小さいスペースに施された象嵌、中央のアカンサスの葉をモチーフにした模様だけじゃなく、周りを囲む細い線もストリキングという象嵌の技法の1つなんです。
実用的に使うのはもちろんですが、お部屋のインテリアとして、一脚置いておくだけでも美しさが際立ちますよ。
↑和室に置いたキャビネットの扉に象嵌が施されています。ワンランクもツーランクも上の和の空間になりそうです。
ちょっとした視界に入る美しい象嵌に、見るたび心躍りそうです。
毎日使うテーブルの中央には太陽をモチーフにした象嵌が。 ロゼットと呼ばれる模様で、生命・エネルギー・成功などの意味がある模様は、使うたびエネルギーチャージできそうです。
象嵌の家具でコーディネートしたお部屋は、上品で高級感あふれる雰囲気に。
暮らしの中に心を打つ美しいものがあるというのは、本当の意味で心を豊かにしてくれそうです。
ぜひお家の中に1つ、使える芸術品を取り入れてみてください。
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橋田 絵美
アンティークショップHandleチーフ
調べることが好きな性格を活かし、イギリスやフランスの歴史、インテリアや家具に関することはもちろん、おしゃれなカフェや美味しいレストランなど、幅広い情報を調べあげることが得意。
自分が知らなかったことや、新しく知った情報を分かりやすく伝えることを念頭に、日々、執筆活動を行う。
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