お部屋を華やかにしてくれるマホガニー材の家具

水野友紀子
水野 友紀子

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マホガニー材とは、ウォルナット材、チーク材と並ぶ世界三大銘木の中の一つと言われ、昔から高級木材として、世界中の人に愛されてきました。

特に英国では、線が細く上品な雰囲気でお部屋に置くだけでパッと華やかな雰囲気を作ってくれるマホガニー材で造られた家具は富裕層の方に好まれました。
そんなマホガニー材ですが、実は、現在は家具材としてマホガニーを手に入れることが出来ないので、本当の意味でのマホガニーの家具はアンティークでしか手に入りません。

そんな高級家具材、マホガニー材についてお話しします。






マホガニー材の歴史 マホガニー材の歴史

マホガニー材は世界の三大銘木の一つと言われる木材です。そもそも「マホガニー」は「黄金色」と言う意味。カリブで初めて発見されたことから「カリブの宝」とも呼ばれてきました。

そんなマホガニー材が人気になったのは、1709年の厳冬の影響でウォルナット材が採れなくなったフランスが、イギリスへの輸入を禁止したことが始まりでした。

それまで、イギリスで家具の主流として使われていたウォルナット材が輸入できなくなった事で、代替として違う木材が輸入されました。その中に含まれていたのがマホガニー材でした。

マホガニースタイリング

マホガニー材は木目が締まってとても頑丈。それでいて軽いので、エクステンションテーブルなど、それまでの家具にはなかったアイテムが作られるようになります。

また、加工もしやすく繊細で細やかな装飾のデザイン性が高い家具が造れるようになって、一気に人気が広がっていき、イギリスでは 「マホガニーの時代」に突入します。

ところが、あまりにもマホガニー材の家具が人気だったため、大量に伐採されてしまい中南米のマホガニー材が絶滅に近い状態になってしまいます。

マホガニーの木

そもそも本来マホガニー材と呼ばれた木材は「キューバンマホガニー」「ホンジュラスマホガニー」「メキシカンマホガニー」「ブラジリアンマホガニー」など中南米産の木材です。

赤みを帯びた木肌の美しさがとても人気で、見映えのいい家具が作り出されたことで大流行したのですが、あまりの人気で大量伐採されたことで、南米産マホガニー材を保護するために伐採や輸出入に厳しい規制がかけられるようになりました。

1946年にキューバ政府がマホガニー材の輸出を禁止、またワシントン条約により取引が制限されているので、現在は本来「マホガニー材」と呼ばれた南米産の木材で造られた家具を手に入れることはできません


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なぜ、現在でもマホガニー材で造られた家具を手に入るの? なぜ、現在でもマホガニー材で造られた家具を手に入るの?

伐採されてしまった後も南米産のマホガニー材は大人気!当時のヨーロッパでは「マホガニー」と名前が付くだけで値段が上がるほどだったので、英国では世界中の植民地からマホガニーのような赤い色の木肌を持つ木材を集めるようになりました。

その結果、本来、マホガニー材と呼ばれる、南米産のマホガニー材ではない木材も、赤い木色をしているだけで「○○マホガニー」と名前を付けて呼ぶようになりました。

家具に加工された後、そのまま「マホガニー」と呼ばれるようになったので、現在も、マホガニー材の家具は残っていますが、実際には本来のマホガニー材とは違う木材を使ったものです。

今は南米産のマホガニー材は手に入れることが出来ないので、現在、マホガニー材として製造・販売されているマホガニー材の家具は、東南アジアで植林された、マホガニーに似た「センダン科カヤ属」の樹木だったり、木目がよく似ているカバ桜などを、赤っぽい染料で染色し、マホガニー色として加工されたものなどです。

アンティークと現代の家具 アンティークと現代の家具

現在、製造されている家具の中に、本来マホガニーと呼ばれた本物のマホガニー材を使って造られる家具は存在しません。
本物のマホガニー材を使った、家具の美しさを楽しむことが出来るのはアンティークのみです。


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マホガニー材の特徴 マホガニー材の特徴

本当の意味でマホガニー材の家具と呼ばれる、南米産マホガニーを使った家具の特徴は3つです。


加工性・耐久性が良い(ギター)
加工性・耐久性が良い(ギター)タイトル

加工がしやすく耐久性が高いマホガニー材は、それまで出来なかったピアス・ド・カービングのような、繊細な透かし彫のデザインが特徴的です。

ジョージアン様式時代に普及したマホガニー材は、ロココ様式やバロック様式などの華美な装飾を作り出し、線が細くて美しいラインで作りあげられた家具は、とても上品で魅力的です。


リボン杢
リボン杢タイトル

マホガニー材の木目の特徴的な部分は「リボン杢」と呼ばれる縞模様です。柾目に挽いたマホガニー材に、ほぼ一定の周期であわられる美しい縞模様。

光の当り方によって輝くように見える、この美しい1本1本の縞模様はリボンに見立てられて「リボン杢」(ribbon stripe grain)と呼ばれています。


経年変化
経年変化タイトル

マホガニー材は磨けば磨くほど美しくなると言われている赤茶色の木肌が特徴的です。

木材は光や空気など触れることによって時とともに色味や木柄が経年変化していきます。
マホガニーの場合、初めは全体的に淡い色だった木目が、経年変化によってだんだんと深みを増して美しい赤褐色に変化していきます。


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マホガニー材を使った家具 マホガニー材を使った家具

今までHandleでご紹介してきた代表的なマホガニー材のアンティーク家具を見てみましょう。ほとんどが「ホンジュラスマホガニー」または「ブラジリアンマホガニー」を使って造られています。


マホガニー材のガラスキャビネット

1930年代 マホガニー材のガラスキャビネット
おススメ度No.1のガラスキャビネットも、マホガニー材を使ったものは、曲線的なデザインでとても優雅な雰囲気です。

マホガニー材のカップボード

1930年代 マホガニー材のカップボード
木目が浮き上がって見える美しいカップボード。この当時だから造ることが出来た赤褐色の木肌が美しく迫力があります。


マホガニー材のテーブル

1920年代 マホガニー材のテーブル
スラリとした細い脚は、耐久性が高いマホガニー材の家具の特徴。キドニー型のテーブルの天板でリボン杢が美しいです。

マホガニー材のチェア

1910年代 マホガニー材のチェア
ピアス・ド・カービングの豪華な透かし彫がたっぷり入ったゴージャスな椅子は、マホガニー材らしい一脚です。


マホガニー材のデスク

1930年代 マホガニー材のデスク
ほんの少しの木目でも際立っちゃうところがマホガニー材のよさ。凝った脚のデザインもマホガニー材らしい部分です。

マホガニー材のチェスト

1960年代 マホガニー材のチェスト
本来の英国家具らしさを大切にしようとリバイバルされ時に人気だったベッドサイドチェスト。マホガニー材らしい木目が際立っています。


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マホガニー材の家具をぜひ貴方の普段の生活にプラスしてみませんか?マホガニーをプラスすることで、どんな雰囲気のお部屋が出来上がるか、お部屋別にご紹介します!


SCENE01 寝室

ベッドルームでは、ベッドサイドにオケージョナルテーブルやチェストを置いてみましょう。

マホガニー材のオケージョナルテーブルは、線が細いのでベッド脇に置くだけで優雅な雰囲気を作ってくれます。

特に人気なのは年代が比較的若くてコンディションがいいチェスト。実用的に使えて便利なアンティーク家具です。




SCENE02 玄関

マホガニー材で作られた家具の中で、特に美しいといわれるのが、透かし彫りが入ったサロンチェア。

玄関に一脚、美しい椅子を置くだけで、お出迎え気分で優雅な雰囲気が作れます。

ちょっと贅沢な、少しハイクラスの椅子を置いて、隣りに小さなテーブルを置けば、お家の格が上がります。




SCENE03 書斎

マホガニー材のデスクは、大抵、脚が華奢で細くて優雅な雰囲気ばかりです。

上から見ると、マホガニーらしいリボン杢がスッキリとした印象で見える天板。

クラシックスタイルの王道、マホガニー材の家具を使った書斎だと、リラックスしながら仕事がはかどります。




SCENE04 ダイニング

マホガニー材の家具でトータルコーディネイトしたダイニングルーム。

軽くて丈夫なマホガニーを使ったテーブルや椅子を使えば、とても優雅な食事の時間を過ごすことが出来ます。

何か一つでもいいので、本物のマホガニー材を使った家具をプラスしてみませんか?



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いかがでしたか?実は、この記事を書くまでマホガニー材のことはそんなに詳しくなかった私(苦笑)なので「マホガニーの家具」って聞くだけで、全部はいいものだと勘違いしていたんです(笑)

でも、実際にアンティーク家具で連れて帰ってくるマホガニー材の家具と、現代、製作されるマホガニー材の家具とでは、あまりに雰囲気が違っていて、なぜ同じものなのかが理解出来なかったのですが、今回、この記事を作って、いろいろ調べた事で、さらにマホガニー材が好きになりました!

古きよき時代にだけ造ることが出来た、本当のマホガニー材を使ったアンティークの家具。この記事を読んだことをきっかけに1つでもあなたのお部屋で使ってもらえたら嬉しいです。

以上、Handle水野友紀子でした!

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点線(オレンジ) 点線(オレンジ)

【ご紹介したアイテム】

「カリブの宝」とも呼ばれる、希少な高級材のマホガニー材を使った家具や椅子をご紹介しています。



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水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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