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イギリス生まれのおしゃれなビンテージ食器「HORNSEA(ホーンジー)」の魅力

- 水野 友紀子
買い付けに行くと、どこにあってもすぐに目に飛び込んできちゃうくらい、独創的で目立ちすぎるビンテージの食器「HORNSEA(ホーンジー)」
モダンで洗練されたデザインとあたたかみのある色使いが特徴的な食器は、ミッドセンチュリーやレトロなインテリアに似合うのはもちろん、職人の手作業で作られたよさが感じられるホーンジーの魅力についてお話します。
HORNSEA(ホーンジー)とは?
1949年にイギリスのイーストヨークシャーの海辺の街、Hornsea(ホーンシー)で、コリン・ローソンとデスモンド・ローソン兄弟が「ビーチにくる観光客向けのおみやげ品を作って売ろう!」と設立した会社が「Hournsea(ホーンジー)」です。
当時、バットレー芸術大学に通う大学生だったローソン兄弟に賛同して出資したのが、地元のビジネスマンだったフィリップ・クラッピソンでした。
ローソン兄弟は出資金で小さな窯を購入し、作った経験もなかったのに、出資金で小さな窯を買って、コリンがデザインしたおみやげものの陶磁器を作りはじめました。

いわゆる学生起業だったホーンジー社ですが、コリンがデザインしたおみやげが・・・大当たり☆
一番最初にデザインしたものはトビージャグでしたが、その後、売り上げがドンドン上がっていき、それとともに優秀なスタッフが次々に加わって、気付けばおみやげ屋さんから食器メーカーへと発展していきます。

1954年には64人の従業員を抱える会社にまで発展し、広い敷地を求めて移転。
新しい工場では製造だけではなく、実際に作っている様子を見れるよう工場見学ツアーが催されました。
・・・が!ホーンジーのすごい所はココから!

ただ単に工場見学が出来るだけではなく、工場見学に来た家族連れが遊べる施設を作ったところです。
子ども達が遊べるゴーカート体験やアスレチック広場、自動車博物館や動物園などなどいろんな施設が造られ、大人が楽しめるカフェなどもあって、大人から子どもまで楽しめるテーマパークのような場所でした。

年間100万人を超える来場者を集めるホーンジーの名前はイギリス全土で知られるようになり、たくさんの人から支持されていったことで、1974年には250人もの従業員を抱え、年間300万個以上の製品を生産する大企業へと発展し、2番目の工場をランカスターに開設します。

独創的なデザインが魅力のHORNSEAホーンジー社の陶磁器のブランドコンセプトは「家庭で日常的に使えるテーブルウェア」
高級品だった陶磁器を、誰でも使えるよう家族層をターゲットにして、分厚くて丈夫な日常使い出来るおしゃれなデザインの食器を作ったことでさらに大人気に!
一時は、生産が追い付かず、販売に制限が掛かるほどの人気ぶりでした。

そんなホーンジーのおしゃれなデザインを手掛けていたのは、出資者だったフィリップ・クラッピソンの息子、ジョン・クラッピソン。
カッコよすぎるデザインの食器は、一般家庭で使うことだけにとどまることがなく、丈夫だという利点から、ホテルのビュッフェやカフェなどでも使われるようになっていきました。

1981年には従業員が700人にまで達しましたが、1974年に開設したランカスター工場での開発費や生産の損失によって、経営が傾き始めます。
従業員を解雇するより維持したいという会社の意向が経営難をさらに悪化。2000年4月には事業が完全に閉鎖され、工場の跡地も住宅地として再開発されてしまいました。

工場が閉鎖された後も、残っていた高品質で美しいデザインの食器は世界中で販売され、デズモンド・ローソンの甥っ子がその一部を展示し「ホーンジー博物館」を設立しました。
今もボランティア団体によって運営されている博物館では、生産中止になったモデルを含む、工場設立当初から終わりまでの2000点の作品を見ることが出来ます。
HORNSEA(ホーンジー)が愛される理由
1. トータル コーディネート

もともと陶磁器メーカーから始まったわけではないHornseaホーンジーは、とにかくすべてが型破り(笑)
それまではアフタヌーンティーを楽しむため、高級品だったカップ&ソーサーの形からデザインまでを一新。
誰もが気軽に日常づかいでガンガン使って楽しめるアイテムが豊富です。
特にアフタヌーンティーで使うためのティーセットはもちろん、キッチンで使うアイテムが多く、見せる収納としても人気!
キャニスターやボウル、調味料入れなど、置いておくだけでキッチンをおしゃれに魅せてくれるアイテムをデザインを合わせてトータルコーディネートで作られていたので、お揃いのデザインで集めることが出来ます。
2. おしゃれなデザイン

北欧のテキスタイルデザインをイメージさせる幾何学的であたたかいおしゃれなデザインのホーンジーは、誰が見てもとにかく目立ちます。
この独創的な型破りなデザインを手掛けたのは、芸術大学生だったコリン。そして、出資者だったフィリップ・クラッピソンの息子でデザイナーとして活躍していたジョン・クラピソンでした。
3. 高品質で丈夫!

それまでのエレガントな形とは違い、ホーンジーの食器は良質な粘土を使って、とても厚みがあるのでとにかく丈夫!
今、手に入れることが出来るものはヴィンテージだけ。なので、新しいものとは違い、経年変化による欠けやキズは必ずありますが、実用的に使えるものが多いです。
ホーンジーデザイン集
独創的で存在感バツグンのホーンジー。代表的なデザインをご紹介します!
1966年に発表されたホーンジー社が最初に作り出したテーブルウェアシリーズHEIRLOOM(ヘアルーム)
オータムブラウン、レイクランドグリーン、ミッドナイトブルーと呼ばれる3色展開のシリーズです。
ポコポコした表面のくぼんだ部分に特殊な釉薬を使ってカラーリングされた、ジョン・クラビソンがデザインしたホーンジーの代表作です。
1970年に発表された女性からの人気が高いSAFFRON(サフラン)は、丸い形を組み合わせたデザインがとても印象的なパターンです。
イエローとオレンジで組み合わせたポップな模様でサフランのお花を表現しています。
男性がデザインしたとは思えませんが、ジョン・クラビソンのデザイン。マットな質感は普段使いしやすいと女性の支持率No.1です。
1972年に発表された、当時、一世を風靡したBRONTE(ブロンテ)シリーズは、有名な文学家から名前を付けたデザインです。
一番の人気は色。キャラメルとダーク、異なる2つの茶色をベースに、印象的な銅錆色で描かれたデザイン。これは酸化銅を使って出している独特のグリーン色です。
曲線的なデザインがそれまでのジョン・クラビソンのデザインとはちょっと違って柔らかさがあると人気になりました。
女性デザイナーSara Vardy(サラ・バーディ)が手掛けたFluer(フルール)。
テキスタイルを学んでいたサラ・パーティのデザインは、女性らしさ溢れる優しい印象です。
けしの花をイメージしたお花の柄と、やさしい色使いがとても人気で、長年に渡りホーンジー社のベストセラーのひとつとなりました。
1973年に発表された、サラ・バーディがデザインしたTAPESTRY(タペストリー)。
名前の通り織物をイメージしたシリーズは、くぼんだ部分に特殊な釉薬を使い、釉薬の弾きを利用して立体的な幾何学模様を作り出しています。
まるで刺繍のように淡いブルーと濃いブルーを組合わせた繊細な幾何学模様のお花が特徴的なひときわ輝きを放つ女性らしいデザインです。
1974に発表された「Contrast(コントラスト)」は、1992年まで製造され続けていたベストセラーシリーズ。
数々のデザイン賞を受賞したデザイナー「Martin Hunt(マーティン・ハント)」の傑作です。
チョコレート色のベースに黒と白のラインが入った、名前通りにコントラストが楽しめる作品は、1975年に design council award を受賞し、1976年にはヴィクトリア&アルバート博物館でパーマネントコレクションにも選ばれた特別なシリーズです
1974年から2年間だけ作られた「PALATINE(パラティン)」と名前が付けられたシリーズ。
パラティンとは領主という意味で、中世イギリスのランカスター公領が名前の由来とされているデザインです。
円形の模様と直線的な枠の組み合わせが、なんとなく古代建築の装飾を思わせ、古代ローマを感じることが出来るデザインです。
1977年に発表された「Impact(インパクト)」は、コントラストと同じくマーティンハントがデザインしたシリーズです。
コントラストと同じシェイプを使い、耐久性に優れた新素材「ヴィトラミック」を使用したシリーズは、外側はチョコレートブラウンのマット、内側は白色のシンプルモダンなバイカラー。
1970年代のホーンジーの作品らしく、縦線と半円でつくる幾何学モチーフが、モダンでカッコいい雰囲気です。
1978年に発表したコーンローズ(CORNROSE)。ひなげしのお花が風に揺れる様子が描かれた素朴で女性らしい模様が特徴的です。
クリーム色の素地にブラウン色で、中央部分が濃く、だんだんの柔らかなタッチでグラデーションしながら描かれたひなげしのお花。
柔らかな印象の手描き絵画風のデザインが、食卓に優しい雰囲気を運んでくれるシリーズです。
1978年から2年間だけ作られた作品「Charisma(カリスマ)」
神様から授けられた特別な才能と言う意味を持つ「カリスマ」は、それまでの幾何学的なデザインとは違って、白色のベースに繊細な手書き風のデザインで葉っぱが伸びている様子が描かれているボタニカル柄。
サラ・バーディらしい繊細な描写で描かれた甘くなり過ぎない葉っぱのデザインが、マーティンハントが設計した「コンセプト」と言う形に描かれた、オトナの北欧スタイルです。
1980~83年までの間にほんの少しだけ作られたシリーズCORAL(コーラル)。
作られた数がとても少ないレアアイテムなので、あまり見かけることがなく人気です。
まるで珊瑚のような可愛いコーラルピンク色と、少しザラっとした質感の岩肌を思わせるブラウン色を組合わせた優しい表情が魅力のシリーズです。
1980年代前半に、ジョン・クラッピソンがデザインした「OCEANA(オセアナ)」
海をテーマにしたシリーズらしく、深いブルー色と白を使って、お魚や波をリズミカルにラインで描いたマリンデザインです。
幾何学的で重厚な1970年代のデザインとは異なり、遊び心あふれるポップな絵と爽やかな色使いが人気!
数が少なく希少なコレクターズアイテムです。
1981年に登場した「Harmony(ハーモニー)」は、コントラストと同じくヴィトラミック素材を使用した耐久性に優れたシリーズです。
最大の特徴は、オフホワイトの素地に描かれた、南国のハイビスカスのようなアップルブロッサムの大きなお花がパッと大きく咲いているような模様です。
1970年代のホーンジーのデザインとは違って、1980年代に入るとポップで明るいデザインが増え、ハーモニーからプリント柄のシリーズも増えていきます。
めったに見かけない、とってもめずらしいシリーズ「LOIRE(ロアール)」
クリーム色の滑らかな素地に、植物のツタ模様が爽やかに描かれているデザインです。
このツタはアイビーと言われていて、ハート形に見える葉っぱの形が超カワイイ!
重厚な幾何学模様が多いホーンジーの陶磁器の中で、女性らしく清潔感のあるレアアイテムです。
ホーンジーのある暮らし
気軽に使って楽しめるホーンジーの陶磁器は、初めてビンテージ陶磁器にチャレンジする人にもオススメです。
使い方をご紹介します。
01.カップ&ソーサー

一番人気はやっぱりカップ&ソーサー。英国だと紅茶を飲むイメージですが、ホーンジーは色が濃いコーヒーを入れると特にカッコよく見えて相性がいいんです。
カップに注がれたコーヒーの色とカップの色のコントラストで、より素敵なティータイムが楽しめること間違いなし!
カップを選ぶ際は、中をよくチェックして色の入った貫入が多いものを選ばないことをおススメします。
02.プレート

お菓子や食事に使うのはもちろん、デザインがおシャレなので、食事用のお皿として使わなくても、置いてあるだけで模様が可愛い所がポイント。
アクセサリーのようなお気に入りを置くだけで絵になるので、より素敵に見えてきます。
大きさもいろいろあるので、自分が使いやすいサイズを選びましょう。
03.キャニスター

キッチン用に使われていたキャニスターは重さもあって安定感があるので、いろんな場所で大活躍。
おシャレなデザインが周りをパッと華やかにしてくれます。
組み合わせいろいろ

同じデザインでトータルコーディネートするのはもちろん、1つのデザインに決められない方は、いろんなデザインをコラボさせて使いましょう。
独創的で個性的なホーンジーと一緒に、素敵な時間を楽しんでみませんか?
Q&A

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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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