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バーボラとは?女性のための装飾で彩るアンティークのある暮らし

- 水野 友紀子
バーボラ(Barbola)
バーボラとは
最近は、ほとんど見つけることが出来なくなってしまったBarbola(バーボラ)とは、粘土細工で出来たアンティークの装飾のことです。
バルボラとも呼ばれる細工は、1900年代前半のヨーロッパの女性の間でバーボラ細工は特に人気が高く、鏡や小物入れ、スクリーンなど、いろんなアイテムを華やかに彩る細工として使われました。
今のように機械化が進んでいなかった時代に、堅くて重い木材に彫刻を施すことは、女性にはとても難しく、また、価格も高額だったので、思うような装飾が入ったアイテムを手にすることは出来ませんでした。
とは言え、華やかな装飾に憧れた女性たちが代替品として注目したのが、まるで彫刻のように繊細で価格も安価な粘土細工、バーボラ細工です。
バーボラは、石膏や木粉粘土、パルプなどを粘土状に手でこねて柔らかくし、指先でつまみながら花びらや葉、つぼみなど細部まで丁寧に表現したものです。
出来上がったバーボラをミラーやフレームなどに押し当てて装飾にした後、しっかり乾燥させ、淡いピンクやブルー、グリーンなど当時の女性たちに人気だった優しい色で彩色したり、金彩を施してより華やかな装飾として彩りをプラスしました。
一つ一つ手作業で仕上げたバーボラは、それぞれに表情が違う一点もの。当時の女性の憧れがギュッと詰まった装飾として大人気でした。
バーボラの歴史
バーボラは、家庭の中に華やぎを求めた第一次世界大戦後のヨーロッパで誕生しました。
当時、ヨーロッパ女性たちは「手軽に飾れてお部屋が華やぐアイテム」を求めていましたが、戦後の物資不足や、まだ機械化が進んでいないこの時期に、女性が木に彫刻することは無理なことでした。
そんな時、イタリアの小さな工房で、粘土やパルプをこねて花のレリーフ(浮き彫り)を手作業で作る技法が誕生。
女性でも比較的簡単に作れて、木材より軽くて安価。それでいてまるで彫刻のように繊細な装飾はヨーロッパ各地に広まり、お花の装飾を施した鏡や小物が瞬く間に人気になりました。
これが、後に「バーボラ細工」と呼ばれるようになり、ヨーロッパ各地に広まったと言われています。
その後1920年代には、イギリスでもこの技法が広まり、バーボラを使った「バーボラミラー」がドレッシングルームの象徴的アイテムとして一気に普及し、大流行しました。
結婚祝いや誕生日プレゼントなど、特別な日のギフトとして贈られることも多く、当時の少女たちにとってバーボラミラーはまさに憧れの鏡でした。
また、バーボラ細工は海を渡ってアメリカの女性の間でも大流行!
接着剤が混ざっていて乾燥すると堅くなる、成形可能な白いペースト状の粘土細工は、好きな色に着色も出来て華やかなので女性の心を鷲掴みしましたが、繊細すぎるため傷つきやすく、しかも一つ一つが手作りなので数も少ない・・・
ということで1920年代に商材会社のウィンザー&ニュートンが、上流階級の若い女性に向けて、バーボラ細工を手作りできるキットを販売し始めました。
キットの中には、粘土や絵の具、ブラシやツールはもちろんバラやアネモネ、ポピーなど、いろんなお花の作り方を説明した説明書も入れてあったので、寝室に置くミラーの周りをバーボラで装飾するDIYが人気に!
ところが、第二次世界大戦に入り、物資不足と大量生産の時代が到来したことで、手間のかかるバーボラ技法を続ける職人が急激に減少します。
また、戦後はモダンデザインが主流となり、可憐な花の装飾よりもシンプルなラインが好まれたため、バーボラはほとんど生産されなくなりました。
現在、当時と同じようなバーボラを再現することは難しいため、アンティークならではの可憐さと一点物ならではの芸術性が評価され、希少なアンティークとして人気のアイテムとなっています。
いろいろなバーボラミラー
オーバル型

オーバル型のミラーの上部に咲くバーボラの立体バラのブーケの装飾が優雅なバーボラミラーです。
まるで本物のブーケをそのままミラーにのせたような存在感で、
アンティークらしい、落ち着いたくすみカラーが魅力です。
ラウンド型

スタンド型のバーボラミラーの中で、あまり見かけないめずらしいラウンド形。
トップに施されたバーボラの装飾の色彩がとても鮮やかで、落ち着いたアンティークカラーの中に、ぱっと目が行く華やかな明るさがあります。
トップにだけバーボラ装飾をぎゅっと集めることで、丸いフォルムのころんとしたフォルムと、小さな丸い脚の可愛らしさがより引き立っています。
掛け型

掛け型タイプのバーボラミラーの全体を囲むフレームは、アンティークらしい深みのあるゴールド。
トップにはバーボラで作られた小さな花束のような装飾が控えめながらもしっかりと華やぎを感じさせてくれます。
しかも、この子はめずらしい凸面鏡。
壁面に飾るとバーボラの華やかさと凸面鏡の存在感が、空間に上質な彩りが生まれます。

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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
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〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41
古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号
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