【パリさんぽ】ゴシック建築の傑作!ノートルダム大聖堂

水野友紀子
水野 友紀子
フランス旅行で訪れたノートルダム大聖堂

パリに行くことがあったら、ぜひ訪れて欲しいな・・・と、ずっと紹介したかった場所がココ!ノートルダム大聖堂です。

あまりに有名な場所なので、訪れている方も多いだろうし、今さら紹介するのも・・・と思っていましたが、2019年4月15日の夜、火災が発生し、大部分が焼失してしまったとのショックなニュースが・・・

私が訪れたのは、火災が起こる5年前の2014年。なので、美しい姿のままご紹介できると思い、なかなか海外に行けないこの時期に、当時の美しい姿を見て頂けたらと思い、今回の買い付け日記でご紹介することにしました。

いち早い復旧を祈りながら、ノートルダム大聖堂を一緒におさんぽしてみましょう。

フランスパリのシテ駅

ノートルダム大聖堂はパリの中心部、シテ島にあります。

どの駅からでもアクセスすることができる便利な場所にあるので、やっぱりおススメは地下鉄。

メトロ4番線、シテ島唯一の地下鉄の駅「Cite(シテ)駅」から出発です!

1910年12月10日に開業したシテ駅の中は、こんな感じ。なんだか他の駅とはちょっと違う雰囲気でしょう~。

サント・シャペル

シテ駅の外に出ると、注目ポイントはメトロへの入り口。フランスを代表する建築家、エクトール・ギマールがデザインしたアールヌーヴォー!・・・なんですが、上手く写真が撮っていなくてゴメンナサイ・・・(汗)

案内板の文字も他の駅とは違ってアールヌーヴォー☆曲線ラインが独特なんです。

メトロを出ると 「Place Louis-Lépine (ルイ・レピーヌ広場)」

サント・シャペル

ルイ・レピーヌ広場に出ると、正面にサント・シャペル教会が見えます。

「聖なる礼拝堂」という意味を持つサント・シャペルは、歴史的建造物に指定されていて、パリ最古のステンドグラスがある教会としても有名なんです。

実は、この時、ちょっと余った時間で来たため、ここに立ち寄ることはできなかったのですが、フランスに買い付けに行ける日がきたら、次はぜひ訪れようと思っています。

サント・シャペル

ノートルダム大聖堂行く前に、ルイ・レピーヌ広場の脇にあるカフェに入って、みんなで腹ごしらえ(笑)

半分、屋外のパリのカフェは、どこもおしゃれなんですよね~

ミヤマンとムーさんの酒豪コンビは、ご機嫌にビールで乾杯☆ちなみに、ここで食べたのは・・・エスカルゴ!

酒井さんがエスカルゴの中身をとる時、手が滑って、熱々のエスカルゴが私のジーパンに飛んできたので、よく覚えています(大笑)

フランスパリの街並み

さぁ、お腹もいっぱいになったので、みんなで歩いてノートルダム大聖堂に向かいます。
裁判所に沿って歩いて、セーヌ川に向かいます。

フランスパリのシテ市内

歩いてきた道はRUE DE LA CITE(シテ通り)。
とてもおしゃれで、おみやげとしても人気のフランスの道路看板。

一番上の数字は区号を表していて、この看板は「4」と記載されているので、ここが4区だということが分かります。

その下の「RUE」は、一般的な通りを表しているんですが、フランスでは、道と言う道、全てに名前が付いていて、道の種類によって、言い方がいろいろあるんです。

Rue (リュー)は一般的な普通の道のこと。
Avenue (アヴニュー)は大通りの並木道。
Boulevard (ブルヴァール)は、Avenueと同じような幅の広い並木道のことですが、昔、城壁があったところを壊した道。なので、町の中心部の周りを囲む大通りのことを言います。
Faubourg (フォーブール)は中世都市で市壁の外にある街区。町中心と郊外を繋ぐ通りです。
Ruelle(リュエル)歩行者が通る路地や通路、小さい道のことです。
Allée (アレ)細い路地、車の通れない石畳の道です。
Quai (ケ)河岸。川沿いの通りのこと。
Place (プラス)広場のこと。
Impasse (アンパス) 行き止まり。袋小路のことです。

「道」だけでもこんなにあるなんて・・・覚えられない~(汗)

ノートルダム大聖堂近くの裁判所のドア

思わず写真に撮ってしまいたくなった裁判所のドア!当時、小学4年生の次男がこんな感じ(笑)

一体、どうやって、このドアノブを回すんだろう??(大笑)かなりダイナミックなドアです。

ノートルダム橋

裁判所を通り過ぎると、ノートルダム橋が見えてきます。

セーヌ川右岸とシテ島を結ぶノートルダム橋がある場所は、「グラン・ポン(大橋)」と呼ばれるパリで初めて橋が架けられた場所です。

1919年に現在の姿になって、パリを代表する橋になりました。

右側を見ると・・・

ノートルダム大聖堂近くの花屋

お花屋さんや鳥屋さんが10軒ほど連なっている場所があります。

すごくこだわっているお店がたくさんあって、どのお店も面白いんです。

このシテ島の花市が出来たのは、なんと!1808年!

まだ街中に花屋さんがなかった頃、貴族のお家に飾るための花を、給仕たちが毎朝買いに来ていたそうです。

パリ公共の水飲み場

その中で発見!「eau de Paris」と書かれた緑色の鋳鉄製のパリの公共水飲み場。パリを歩いていると、あちらこちらで、公共の水飲み場を見かけるんです。

と言うのも、19世紀後半のパリでは、上下水道が全然整備されていなかったので、パリ市民は路上で販売されている水を買って、生活用水として食事や洗濯に使って生活していました。

ところが、セーヌ川の汚れた水を汲んで販売する悪質な業者も多く、公衆衛生面で最悪・・・

しかも、パリのアパルトマンの家主の中には、水道工事の負担を拒む人も多く、思うように水道管の整備が進まない・・・

それとともに、水の料金も高騰し、価格が高い水より、安いワインを飲んでアルコール中毒になる人も・・・という状況。

これを打開するために、街中につくられたのが、無料の水飲み場でした。しかも、2010年からは、炭酸水飲み場も設置されるように!

これまた無料なんですが、実は、ペットボトルを削減するために作られたもの。確かに、パリの街はペットボトルがあちらこちらに落ちていて汚かったんですが、無料で炭酸水が汲める水飲み場が出来たおかげで、膨大な量のペットボトルが削減されるようになったそうです!

ちなみに、水道水にガスが入っているんですが、味はなかなかのものらしく、ペリエにも似ている?とのことです。

フランスパリのシテ駅からのノートルダム大聖堂までの町

さて、お水を飲んで、少し歩くと、今度は「Pont d'Arcole(アレコル橋)」が見えてきて、その奥には美しいHôtel de Ville de Paris(パリ市庁舎)が見えてきます。

パリの地方行政機関が入っている1357年に建てられたネオ・ルネサンス様式の建物、パリ市庁舎は、1871年のパリ・コミューン事件で、コミューン支持者が火をつけたことで焼失。

フランス革命期から残っていた公文書のほとんどが消失しましたが、1882年に建設当時、そのままの姿で再建されて、今、現在に至っています。

ここを右に曲がれば、ゴールはもうすぐ!

フランスパリの街並み

お散歩していても、街並みが美しいから楽しい~!

ノートルダム大聖堂と言えば、ディズニー映画の「ノートルダムの鐘」や小説「ノートル・ド・パリ」でも有名ですが、実は、この時は、立ち寄る予定が全くなかったんです。

でも、買い付けが順調に終わって、時間が少し余ったので「観光に行こう!」と行きたい場所の希望を聞いた時、スタッフの麦ちゃんが熱望した場所がノートルダム大聖堂でした。

今思えば、あの時、行っておいて本当に良かった~!危うく火事で見れなくなるところでした。

フランスパリの街並み

いかにもパリのカフェって感じの真っ赤なテントを曲がると・・・

ノートルダム大聖堂までの道

木陰から見えるノートルダム大聖堂!

ちなみに、ノートルダム大聖堂があるシテ島は、パリの中心部を流れるセーヌ川の中州になっている場所で、パリ発祥の地と言われている場所です。

紀元前250年頃、ケルト民族のパリシイ人がセーヌ川の中州に住んだことが始まりとされているそうです。

ノートルダム大聖堂の正面

到着しました!!ここが1163年から約200年もの長い長い年月をかけて完成したノートルダム大聖堂です。

あまりの美しさに圧巻!広場は、大聖堂の中に入る人で長い行列が出来ているので、最後列に並びます。

・・・が!マジメに並んでいると、気付かないうちに横入りする人だらけ!なかなか前に進まずイライラするので、気を付けて下さい。

ナポレオンの戴冠式

かつては、ナポレオンがフランス皇帝に即位した戴冠式にも利用された場所で、ルーブル美術館にこの時の絵画が飾られていることでも有名です。

火災があるまでは、大切な行事を行う際、必ず使われていた、フランスに欠かせない場所、ノートルダム大聖堂。一刻も早くもとの姿に戻ることを祈っています。

ゴシック建築の最高峰ノートルダム大聖堂

「ゴシック建築の傑作」と言われているノートルダム大聖堂の正面がココ。シンメトリーになった二つの塔が、堂々とした姿でそびえ立っています。

その姿に圧倒されながらも、よーく見てみると・・・ものすごく細かい彫刻の数にビックリ~!!

ノートルダム大聖堂の3つの門

入り口部分は、3つのアーチが門になっていて、中央の門が「最後の審判の門」、右側が「聖アンナの門」、左側が「聖母マリアの門」です。

左側の聖母マリアの門の中柱には、キリストを抱える聖母マリアの像と、キリストが天国で戴冠される様子が彫られています。

そもそも「Notre-Dame(ノートルダム)」とはフランス語で「わたしたちの貴婦人」と言う意味。

私達の貴婦人=聖母マリアのことなので、門の彫刻にも聖母マリアに関するものが多いんです。

ノートルダム大聖堂正面の最後の審判の門

真ん中の「最後の審判の門」は、お墓から呼び出された死者に対して、キリスト教の裁きを受けている様子が忠実に表現されています。

3段構造になっていて、下段は「復活」、真ん中の段は「死者への天国と地獄の選別」、そして上段の「キリスト教の裁き」では、上段の真ん中に座って、手を挙げ、傷跡を見せながら自分を信じるように求めている姿のイエス・キリストの右側の天使が十字架、左側の天使が槍と釘を持っている姿が描かれています。

ノートルダム大聖堂の彫刻

そして、アーチの上にずらりと並んでいるのは、「旧約聖書」に登場するユダヤとイスラエルの諸王たち。

フランス革命の際に一度破壊されてしまったそうですが、19世紀に復元されたそうです。

大聖堂へつながる門、それぞれのアーチにある彫刻1つ1つに意味があり、それぞれの物語を感じることができるんですが、一人一人の表情もそれぞれ違うし、じっくり見入ってしまうと中に入れず・・・

しかも、ドンドン横入りされてしまうので、ご注意下さい(笑)

ノートルダム大聖堂の外観

ちなみに、私たちは時間がなく、ノートルダム大聖堂を正面からしか見ませんでしたが、ノートルダム大聖堂は東西南北どこから見ても美しい佇まいになっていて、見る場所によって景観が全然違うんです。

時間があればノートルダム大聖堂をぐるっと一周するのがおススメです!

ノートルダム大聖堂の内観の様子

中に入ってみると・・・中は真っ暗!

写真をかなり明るく加工したので、こんな感じで見えますが、実際は驚くくらい真っ暗なので、目が慣れるまで何も見えない状態デス。

ビックリするくらい高い天井に、ズラ~っと並ぶ大きなシャンデリア。そして正面に見えるステンドグラス。

大聖堂内の空気はひんやりとしていて厳かで、まるで別世界に来たような神秘的な雰囲気です。

教会内は、木のベンチがずらりと並んでいて、実際にお祈りをささげている方もたくさんいらっしゃるので、ジャマにならないよう見学します。

ここでは毎日ミサが行われていて、参加も自由。午前中に行われるミサでは聖歌隊もいるそうです。

ノートルダム大聖堂内の床

そしてやっぱり注目してしまうのが「床」

大聖堂の床は、市松模様の大理石。なんとHandleのお店の床とソックリなので、一気に親近感が湧きました(笑)

ノートルダム大聖堂の内にあるジャンヌダルク像

そして翼廊の南側に、旗を抱えて祈る女性の像を発見!誰だと思いますか??

実は、ジャンヌ・ダルクなんです。

1412年頃に納付の子どもとして生まれたジャンヌダルクは、12歳の時に神の声を聞き、神のお告げでフランス対イングランドの百年戦争に参戦。

劣勢だったフランス軍の先頭に立って、勝利へ導きました。

その後、シャルル7世をフランス王にするために、ノートルダム大聖堂で戴冠式を行おうと目指し、成し遂げましたが、戦いを続けたいジャンヌダルクに対し、戦うことを止めたいシャルル7世の意見が対立。

戦力不足になったジャンヌダルクは次第に孤立し、1930年に戦場で捕まり1931年に火あぶりの刑に・・・

犯罪者として処罰されたジャンヌダルクですが、1455年にノートルダム大聖堂で復権裁判が開始され、無罪に!

晴れてフランスの守護聖女になり、復権裁判が行われたノートルダム大聖堂にジャンヌダルク像が置かれることになりました。

ノートルダム大聖堂内のシャンデリア

暗くて、ブレブレの写真ですが(汗)高さ33メートルもある大聖堂の天井を支えるため、天井を軽量化するためのアーチ「リブ・ヴォールド」や建物の高さを補強する「フライング・バットレス」などゴシック建築初期に登場した、当時の最先端の技術を見ることができます。

ゴシック建築で使われているアーチは、アンティーク家具で使われているデザインも多く、注目してみると面白いんです。

アンティークの定番デザイン「アーチ」

大聖堂で使われている建築デザイン「アーチ」にはいろんな形があります。ゴシック建築をモチーフにして造られたことがよく分かる、アンティーク家具の定番デザインについて、詳しくお話します。


フランスパリ、ノートルダム大聖堂旅行

中でも有名なのが、この「バラ窓」といわれるステンドグラス。

ノートルダム大聖堂には、西側の正面入り口と、ファサードの南北の3カ所にバラ窓が設置されています。

中でも有名なのが最も古い南側の翼廊のバラ窓。キリストの生涯がモチーフになったデザインが描かれていて、バラ窓の下の横並びのステンドグラスには、偉大な予言者たちが描かれているそうです。

ノートルダム大聖堂内のバラ窓

陽の光を浴びると色鮮やかなステンドグラスがキラキラと宝石を散りばめたように輝いて、息をするのも忘れるくらいの美しさです。

そもそも、ステンドグラスとは、もともとは字が読めない人たちに、聖書の内容を伝えるため、教会で使われたもの。

私は仏教徒なので、よく分からないのが残念ですが、この美しさはよく分かります!

ノートルダム大聖堂内のステンドグラス

大聖堂のステンドグラスは12世紀後半から作られたもので、火災でも奇跡的に被害にあわなかったそうで、この時に見た美しいステンドグラスを、もう一度見に行きたいと思います。

アンティークのステンドグラスとは・・・

誰にでもわかりやすいアンティークの雑貨、ステンドグラスとは、いろんな色のガラスを組み合わせて、絵が描かれているもののことを言います。起源は古く、1500年以上も前。もともとは、字が読めない人たちに聖書の内容を伝えるため、教会で使われたものです。


フランスパリ、ノートルダム大聖堂旅行

今回は時間がなかったので、塔頂まで行くことはできませんでしたが、今度行く機会があればぜひ塔の上まで登ってみたい! パリの街並みをぐるりと見渡すことができて、また違った景色を見ることができるみたいです。

フランスの歴史と最たるゴシック建築を感じることが出来る場所に、酔いしれることが出来たことに感謝し、火災からの復興を心より祈っています。

復興した際は、ぜひ、立ち寄ってもらいたいノートルダム大聖堂です。



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水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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