【イギリスさんぽ】1325年建築の荘園「Samlesbury Hall」

水野友紀子
水野 友紀子


買い付け途中で立ち寄った場所を紹介する「イギリスさんぽ」。今回は、ランカシャーにあるSamlesberry Hall(サムルズベリーホール)に行ってきました。

あまり日本の人が訪れない場所なんですが、広大な敷地の中は一年中解放されていて、気軽に訪れることが出来るようになっています。

中世の暮らしをのぞいてみることが出来るサムズベリーホールの中をお散歩してみましょう!

まずは入り口にある地図から。1325年に建てられた木骨造りの中世の家「Samlesbury Hall」(サムレスベリーホール)は、日曜日から金曜日まで、毎日、一般公開されています。しかも、駐車場も、館内を見るのも無料!

宿泊もできるようになっていて、4つ星のゲートハウスの中は豪華な作りになっています。

「羊飼いの小屋」と呼ばれる29棟のカラフルな小屋でも泊まれるようになっています。羊飼いの小屋と言いながらも、中はちゃんと2段ベッドが完備。シャワーもついていてとても快適に過ごせるようになっています。

「サムルズベリーホール」は、もともとは個人が所有していた建物でしたが、広大な土地&建物を維持するのが厳しくなり、1920年代にホールが取り壊されそうになりました。

その時、6人のビジネスマンが、建物を救うためにこのホールを購入。

「サムルズベリーホールトラスト」と呼ばれる登録済みの慈善団体が設立され、現在はトラストによって管理され、博物館&ギャラリーとして、多くの人が訪れています。

白と黒を基調にした中世の建物はあまりに美しくて見ているだけでわくわくしてきます。とても1325年に建てられたとは思えない建物。

芝生もしっかり手入れがしてあるので、まるで絵を見ているような雰囲気です。

建物の近くに寄ってみると、こんな感じ。真っ黒の外壁に白で描かれている模様もとっても可愛い~!

こちら側は、いかにもチューダー様式って感じの建物。

日本の木造建築とはまた違った雰囲気のよさがあります。

よく見ると、丸くカーブしている窓ガラスにはステンドグラスが。 後ほど、中から見える様子をご紹介しますね。

それでは、ホールの中に入ってみましょう!

ここが大ホールです。とても高い天井には、大きなシャンデリアが吊るされています。

シャンデリアの下には、大きなリフェクトリーテーブルが置かれています。

サムズベリーホールでは結婚式などの冠婚葬祭も開かれるので、ここにテーブルをたくさん置いて披露宴会場にもなります。

グランドピアノも置いてあるんです。
結構、年代物のピアノらしく、建物の雰囲気にピッタリ似合っています。

その奥に見えるのが、さっき外から見ていたステンドグラス。

内側から見ると、こんな感じです。
こういう建物では、必ずステンドグラスを見つけるんですが、ここのステンドグラスはいつも見る柄と少し違っていて、家紋をモチーフにしたようなデザイン。

カラフルでいろんな色が使われた家紋は、どれもこれも可愛らしくて、見ているだけでワクワクです。

クリアな部分からはお庭の芝生もキレイに見えるので、ここに座って、外を眺めながら久しぶりにピアノが弾きたくなりました(笑)


ここはパーラー。パーラーとはいわゆるお客様をもてなすためのお部屋。

それだけに壁には大きな家紋が!その下は大きな暖炉です。

ここは、1800年代、ビクトリア朝のキッチン。この建物が建てられた当時のものではありませんが、ここではビクトリア朝の暮らしをのぞくことが出来るようになっています。

この大きなキッチンオーブンは当時のもの。銅で作られた調理器具などがそのまますぐに使えそうです。

中でも個人的に気になるのが、手前に置いてあるアイロン。昔、アイロンはキッチンオーブンで直に温められて、使われていました。

今だったら、コンセントを差すだけであっという間に使えるのに、昔はアイロンがけも一苦労。アイロンをかけたネクタイが使えるということは、英国紳士のステイタスでもあったんです。

今は、直でアイロンを温めることはないので、アンティークの買い付けに行ったときに見つけたアイロンは、ブックエンドやドアストッパーとして使うのに、うちのお店でも人気です。

キッチンの全体はこんな感じ。ほかにもいろんなキッチン用品が置かれています。

ここで気が付くことがありますか??注目するのは家具の素材です。

実は、オークやマホガニー、ウォルナット材のような高級木材はキッチンで使われることはありません。キッチンで使われているのは、ほとんどがパイン材。

高級木材は、おもてなしの部屋でしか使われることがなかったんです。

だから、なんとなくパイン材のキッチン用の家具が、ほっこりするんだな~と、ますます好きになってしまいました(笑)

ここはエントランス部分。ここにも大きな暖炉と主の肖像画が飾られています。

階段の装飾も凝ってる~!ここにも家紋が彫られています。

見上げると、ツイスト&挽もの細工の柱。そして、天井部分も美しい・・・

天井は緩いカーブを描いたポインテッドアーチ!形は違うけれど、古い倉庫を改装したわが家も同じ柱の組み方なんです。

この組み方だと、木造でも柱が少なく、広いスペースを確保することが出来るんです。

上からのぞいたこのスペース。なんだと思いますか??

そう!教会です。ここで結婚式も挙げれるようになっています。他にもいろんな体験が出来るサムズベリーホール。

一番人気なのが・・・幽霊ツアー!実は、サムルズベリーホールは、幽霊が多い場所の1つとして有名なんです。

日本だと幽霊と聞くと、怖がって寄り付かないんですが、イギリスは逆!イギリス人は幽霊が大好きなので、幽霊が出る建物はビックリすることに、とても人気!自分の家に幽霊が出たりすると、自慢しちゃうくらいなんです。

なので、ここ、サムルズベリーホールも人気があって、定期的にゴーストハントや魔女のガイドツアーなどが行われています!

ちなみに、ここに出てくる幽霊は、失恋で亡くなった伝説のホワイトレディ、ドロシーサウスワースです。ぜひ、機会があればドロシーに会うために、サムルズベリーホールに行ってみませんか?(笑)

今回、ご紹介したサムズベリーホールのキッチンのような、ナチュラルスタイルのダイニングをスタイリングしてみました。


↓↓↓

高級材で造られた家具に憧れて、高級家具を模した家具が、加工がしやすいパイン材で造られました。
加工がしやすいだけに、凝った彫りや、装飾のものが多いんです。

ペイントされているものも多い、パイン材の家具は、ナチュラルな雰囲気を作り上げてくれます。

他にも、ナチュラルスタイルの家具を使ったお部屋のスタイリングはこちらからご紹介しています。

Samlesbury Hall
Preston New Road, Samlesbury, Preston, PR5 0UP T: 01254 812010 E: enquiries@samlesburyhall.co.uk



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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

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