私が買い付けに行くとき、ロンドンに立ち寄ることはほとんどないんですが、立ち寄った際は、必ず行きたい博物館があります。
それが、ビクトリア&アルバート博物館です。大英博物館と並んで有名ですが、ココは「博物館」以外にも行きたい理由があるんです。どちらかというと、そっちがメイン?!なんですが(笑)お散歩しながらご紹介します。
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【ロンドンさんぽ】ヴィクトリア&アルバート博物館
- 水野 友紀子
ビクトリア&アルバート博物館は、地下鉄サウスケンジントン駅(South Kensington)から徒歩5分の場所にあります。
サウスケンジントン駅は、ピカデリー線、サークル線、ディストリクト線の3路線が乗り入れているので、とってもアクセスしやすくて便利な場所です。
駅の改札を出ると「V&A Museum」と書かれた看板があって、博物館まで案内されています。
駅から博物館までは、このレンガで囲まれている地下道でつながっているので、迷うことなく博物館まで行くことが出来ます。しかも、地下に博物館内に入れる入り口が。
入り口ではセキュリティチェックがありますが、いつものように、入場料は・・・無料!
館内マップは£1の寄付金でもらうことが出来ます。
さぁ、地下からエントランスに上がってきました。
ビクトリア&アルバート博物館の起源は、1851年のロンドン万国博覧会にさかのぼります。当時の英国は、一部の人だけが富を握り、多くの人は貧困と闘っている状態でした。
国際市場で競争するためには、英国の産業水準を改善する必要性がある!と感じたビクトリア女王の夫、アルバート公。
「万国博覧会の利益を、芸術と科学の教育に専念する、サウスケンジントンの博物館と、大学の文化地区を開発するために使用しよう」と促しました。
その言葉通り、博覧会で得られた収益で、博覧会に展示されていた世界中からの展示品が買い取られ、V&Aの前身となる「製造博物館」が1852年に誕生しました。
その後、1857年に現在の場所に移転し、40年以上にわたって「サウス・ケンジントン博物館」として英国民から親しまれました。
そもそも博物館が建てられた目的は・・・
「あらゆる人々に美術作品を鑑賞する機会を与え、労働者の教養を高め、国内のデザイナーや製造業者に創造的刺激を与えること」
それだけに建物もすごく凝ったデザインになっていて、エントランスの上を見上げると・・・天井もスゴイ!豪華な木製の天井です。
さらに先に進むと、明るいドーム天井のエントランス。ここに案内所があります。
いつもはこのルートで中に入ってしまうので気付いていなかったんですが、実は、後ろを振り返ると、正面の入り口になっています(笑)
思い返すと、私は正面玄関から入ったこともなければ、見たこともないことに今さらですが気が付きました(笑)。
なので、正面玄関の写真がご紹介できない!と思っていたんですが、そういえばこの日、雨が降る中、スタッフの戸田マンが「正面玄関が見たい!」と、撮りに行った写真が一枚だけあったことを思い出しました。
その写真がコレです!↓
初めて見るV&Aの正面玄関(笑)実際は、もっと大きくて、全貌が写しきれていないんですが、彼女の身長では、ここまでしか撮れないとのこと(大笑)
でも、この写真に、この博物館が「サウス・ケンジントン博物館」から「ヴィクトリア&アルバート美術館」と呼ばれるようになった理由が隠されています。
1899年に、この正面入り口の荘厳なファサードの土台をヴィクトリア女王が造ったことがきっかけになって、美術館の創設を強く支援していたアルバート殿下とともに2人を称えて名前が「ヴィクトリア&アルバート美術館」(V&A)に改称されました。
それ以来、今もずっとV&A博物館で親しまれています。
さて、もう一度、中に入ってみましょう。
鉄枠やガラス屋根を使ったこの建物は、中期的に利用される展示場として建てられたにも関わらず、今も存在しています。
そればかりか「ヴィクトリア朝、最高の建築」の一つと言われているくらい美しいので、写真撮影もOK!
フロアはレベル0から6までの7階ですが、かなり広くて146室のギャラリーがあるので、見たい場所を決めてから計画的に見ないとクタクタです。
トイレもエレベーターも、かなり混んでいるので、注意してください。
視線を上に向けると・・・
この美しいオブジェは、2001年に設置された世界的に有名なガラスのアーティスト、デイル・チフーリのガラスのシャンデリアです。
博物館の中には、ヨーロッパ、北アメリカ、アジア、北アフリカ文化の古代から現在までを網羅する、陶磁器、ガラス工芸、テキスタイル、ドレス、銀製品、鉄工芸、宝飾品、家具、彫刻、絵画、版画、写真などなど、驚くほどのコレクション数が展示されています。
世界でも最大規模の博物館は、230万点所蔵の展示物が全長11キロのギャラリーに並べられているので、見応えたっぷりです。
さぁ!展示場に行ってみましょう。
思わず見とれてしまっているこのタワー。なんだか分かりますか??シルバーコーナーです。
やっぱり英国のシルバーは世界一。いろんなシルバー製品が置かれているんですが、博物館レベルなので、うちのお店で扱っている気軽に使って欲しいアンティークのシルバー製品とは、桁違い(笑)
でも、こういうスターリングシルバーで実際に食事をしていたってスゴイな・・・
私たちが職業柄、気になるものはレベル6に集まっています。まずは陶磁器ギャラリーです。
紀元前から現代までの驚くほどの数の陶磁器が集められていますが、その中に慣れ親しんだ見覚えのある陶磁器が。
ここは日本の陶磁器コーナーなんです。日本の陶磁器は英国の人たちの憧れだったんだな~って、このコーナーを見ているだけだと、日本の骨董屋さんにいる気分です(笑)
個人的に大好きなミントンブルー。そういえば、私がアンティークの陶磁器にハマったのは、ここで陶磁器を見てからかもしれない・・・
それまでは、そんなに興味がなかった陶磁器ですが、ここでいろんな陶磁器を見てから、陶磁器の世界にどっぷりハマったような気がします(笑)
さて、目的地に到着。絵画や彫刻、有名な美術品が沢山ありますが、やっぱり一番興味があるのは、レベル6にある家具コーナー。
実は、以前、ココに着た時、リニューアル中だったので、中が見れなかったんです!
しかも、その後、来た時は、なぜか家具コーナーだけクローズしていて、ガラス扉の向こうから張り付いて中を覗いていたんだった・・・(汗)
なので、今回、初めての家具コーナー。ドキドキしながら中に入ってみます。
リニューアルされる前がどんな感じだったのか気になるんですが、中はスッキリしていて見やすい!
しかも、手が届きそうな展示なので、末っ子を連れている私はドキドキです(汗)
いや!末っ子より危ない人がココにいた!!(大笑)
「この椅子の彫刻、スゴイ~!」と大騒ぎして、写真撮影。本当にすごい彫刻。しかも、すぐに触れる至近距離。危険デス(汗)
「看板を忘れていた~!」と、再度、写真撮影を求める、自称「YOU TUBER」の彼(汗)
彼は、この後、展示場で動画を撮り始め・・・(汗)一緒に現場にいたスタッフの報告によれば、不審者として周りの警備員から警戒されていたらしく(大汗)
途中、熱いナレーションで興奮した彼は、もう少しで展示物に触れるところまで手を出したらしく、警報を鳴らしたそうです・・・
スタッフは大汗!当の本人は自分のこととは思わず「うるさいな~」となぜかタイミングよく退出したそうです(大笑)
反省の色、全くナシ!の様子(笑)
これ、面白いでしょう~U字の大きな座面に、いろんな椅子の背もたれと脚がバラバラに設置されて、パズルになっているんです。
生き生きとしている主人と・・・
対照的にクタクタの子どもたち(笑)
このパズル、正解は分かりますか??今まで、アンティークの椅子のことをよく勉強した方だったら、カンタンな問題ですよね?!(笑)
左手前の背もたれから、正解の脚は、左から4番目、5番目、2番目、1番目、6番目、3番目です!
せっかくなので、このまま椅子の説明をしていきましょう。この家具コーナーでは、7人の家具作家、デザイナーが紹介されています。まずはこの人。この椅子の背もたれの形。見たことがありますよね??
Handleのアンティークチェアでもよくご紹介する、Thomas Chippendale(トーマス チッペンデール)が造ったチッペンデールチェアです。
次に、この椅子はなんでしょう??何度も見たことありますよね?!
英国ビクトリア期を代表する椅子、ベントウッドチェア
ベントウッドを作ったThonet and Sons(トーネット)が紹介されています。こうやってノックダウン方式でバラバラになる画期的な椅子、ベントウッドがわかりやすく紹介されています。
これは、Handleで紹介することは全くない椅子(笑)
日本でも帝国ホテルなどの建築に携わったアメリカ生まれの建築家、巨匠Frank Lloyd Wright(フランクロイドライト)
左は代表作と言われるロビーチェアです。
たかが椅子。されど椅子。
いろんな椅子が年代を問わず、並べられています。
戸田マンが、何かを必死に読んでいます。
実は、タッチパネルで、一つ一つ、家具の構造などを知る事ができるようになっているんです。
・・・が、もちろん、解説は英語。次回は辞書を持参してきましょう(笑)
あっ!見たことある!プチポワンチェアですが、なんだか形がいつも見つけるものと、ちょっと違う気がする・・・
実は、約1845年製 イギリスで造られたウォルナット材の椅子だそうです。
フランスのロココとイギリスをうまく融合させた、ビクトリア期の代表的なサロンチェア。
ベルリン羊毛細工とウールベルベットで布張りされたこの子は、「エヴァンス夫人からの贈りもの」だそうです(笑)
詳しくはこちらから→
V&Aコレクション
ここからは、椅子の貼り座やクッション材についての話が書かれていて、めっちゃくちゃ勉強になるんです。
座面や背もたれの中も見れるようになっていて、すっごく分かりやすい!
クッション材の中身もいろんなものがあるんだな~って。説明が書かれているんですが、椅子のクッションだけでも、奥が深い・・・
見たことある!!!これを見たのは・・・そう!ヴェルサイユ宮殿!
英国だけではなく、世界各地の椅子が展示してあり、全てに細工などの説明が書いてあるので、見て回るのに時間がかかるんです・・・
しかも、連れて帰れるのであれば、全てを連れて帰りたい~でも、このレベルだと、一体、いくらになるんだろう??
うわ~これまたすごいセティを発見!これは値段がつかないんじゃないかな??
美しいビューローを発見!この向かって左側の白く輝くビューローブックケース。何で出来ていると思います??なんと!・・・マザーオブパール☆
1760~1810年にリマで作られたマザーオブパールで覆われたビューローブックケースなんです。すご過ぎる~
興味がある方は、ココに説明が書いてあります。
→V&Aコレクション「Desk and bookcase」
キャビネットメーカー、エイブラハムレントゲンの作った家具たちは独創的です。
左側は1750〜60年代のチェリー材で造られたテーブルなんですが、トランプ用とライティング用、2つの使い方ができる機能的ないわゆるゲームテーブルなんです。
→V&Aコレクション「Writing&card table」
右側は1775〜80年に、メープル、マホガニー、チューリップウッド、メギ、その他の森の桜とオークの枝肉にベニヤ板を張って作り出されたライティングデスク。
一軒、普通のデスクに見えますが、これも、両脇から小さな引き出しが出てくる仕掛けがついているので、面白いんです。
→V&Aコレクション「Writing table」
他にも、アイアンやタイルなど、家具やインテリアにかかわるものがいろいろ展示してあります。
うちのお店でもよく見かけるルーテーブルやティルトップと呼ばれる天板がパタンと畳めるテーブルや、フランスらしいチェストが展示されています。
この博物館の家具コーナーのスゴイところは、家具の構造や製造工程を分かりやすく説明している所です。
挽き物細工の脚の作り方は、こんな風に説明されています。ターニングと言って、くるくる回しながらロクロを回すように回しながら刃物を当てて模っています。
昔は機械がなかったので、絵のように手作業で回しながら、一つ一つ彫を入れていったんだな~って。当時の様子がすごくよく分かります。
次が浮き彫り。ノミなどの道具も一緒に展示されているのでわかりやすい~!
こうやって見ると、一つ一つ手作業で彫っていくって、やっぱり大変ですよね・・・(汗)
下絵を描いて、こんな風に手作業で彫られていく様子がよく分かります!
これは、どう見ても大変な作業。こんな手作業が施されたアンティーク家具って、本当にスゴイな・・・って、これを見て実感しました。
そして、展示されている浮き彫りの家具。なんと、1873年製のウォールナット材のテーブルです。
どう見てもつい立なんですが、天使の装飾が付いている板を手前にパタンと倒すと、テーブルになる家具。
造るのに、めちゃくちゃ時間がかかっている気がする・・・
コチラからご覧いただけます→
V&Aコレクション「Folio stand」
これは、何かわかりますか??実は、以前、買い付けてきたことがあるんですが、アンティークのカンナなんです。
当時は、今のように機械化されていない中で、こんなに美しい家具が造られていたんだってことに、感動です。
子ども目線の位置に説明が書いてあるので、小さい子でも興味が湧きます。
ちなみに、うちの末っ子は、かなりの木工好き。興味津々で説明してほしいと言っていますが・・・
お母さんは英語を訳しての説明が上手くできない・・・(苦笑)
これは、彫刻よりも安くて速く造れる装飾、鋳造物を作るための型です。
まず、木を彫って写真のような木彫りの型を作り、そこにロジン(固体樹脂)などの材料を入れて、型押しし、乾燥させて堅くなったモチーフに、金メッキや塗装をして、家具に取り付けて装飾にします。
例えば・・・こんな感じ↓
これは、1760年製 イギリスのチェストなんですが、このサイドや脚の部分のゴールドの装飾がこんな感じで造られたものです。
このチェストがスゴイのは、それよりも、この寄せ木細工!キングウッド、チューリップウッド、プラタナス、ベルベリスなどのさまざまな木を使って作られた寄木細工に圧巻です。
ちなみに、このコモードについて、詳しくはコチラから
→V&Aコレクション「Commode」
このサイドチェストの寄せ木細工、マーケットリーもすごい! ビックリするくらいの細かさです。
このキャビネットの象嵌にはため息しか出ない・・・
当時、高級品だった家具は、驚くほど時間をかけて美しい装飾が施されています。
色付けや、金彩についての説明もちゃんと書いてあります。
こうやって、家具の作り方を知れば知るほど、手作りで造られたアンティークの家具のよさが、より分かります。
実際、私たちが扱っているアンティーク家具は、ここまで古くはありませんが、それでも、大量生産じゃない時代の家具の美しさはこんな風に造られてきたんだな・・・と感動☆
キラッキラに輝くチェストは1762-1764年に作られたもの。
こうやって、色が付けられて、金彩が施されたんだろうな・・・
詳しくはコチラから→
V&Aコレクション「Commode」
究極のマーケットリー!大理石のテーブルにはビックリ!!
さすがにこのレベルになると、すご過ぎて、使うことも手に入れることも出来ませんが、目の保養にはなり、勉強になりました(笑)
さぁ、家具コーナーの展示会場の外に出て、窓からのぞく先に、何が見えるでしょう??
博物館を見なくても、ここに私たちが立ち寄る理由が、ココです!
博物館から中庭を挟んで北側の建物が、ロンドンで一番素敵なカフェと言われる「V&Aカフェ」です。
赤いレンガに金のフレスコが映える建物に囲まれた中庭は、みんなの憩いの場所。
お天気がいい日は子どもたちが池で水遊びしています・・・が、この日は寒くて、とても水遊びしたい気分にはならない様子(笑)
その代わり、こんなアートな作品が展示されていました(笑)
中に入ると・・・見えますか?!遠くで看板を持ちながら呼んでいる人がいる(笑)
ここが世界で初めて美術館に併設されたカフェ「V&Aカフェ」です。博物館を見学せず、このカフェだけを目的に来る人も多いので、ランチタイムはめちゃくちゃ混んでいます。
カフェは「ギャンブル・ルーム」「モリス・ルーム」「ポインター・ルーム」と呼ばれる3部屋に分かれていて、ここは「ギャンブル・ルーム」と呼ばれる部屋。
もちろん、子どもも入れます(笑)
「ギャンブル・ルーム」という名前。もしや、ここはギャンブルをする場所だったの?!と想像していたのですが、どうやら違っているようです(笑)
V&A直属デザインチームの一員だった、ジェイムズ・ギャンブルが仕上たので、彼の名前から「ギャンブルルーム」と呼ばれるようになったお部屋。
ステンドグラスがめっちゃくちゃキレイでしょう~!まぶしいくらいにキラキラ輝いています。
ここの部屋の装飾は「シラの書」の第2章が引用されていて、ステンドグラスには、食欲をそそる多くのコトワザが描かれているそうです。
おかげでお腹が空いてきた~(笑)みんなご機嫌にコーヒーで乾杯☆
天井もツヤッツヤでキレイ☆一体、何で出来ているんだろう??と思ったら、ホウロウ!大きな柱や壁にはセラミックタイルが使われているんです。
壁と柱を覆う美しいタイルは、装飾だけではなく、掃除をしやすくするための知恵。
ホウロウもセラミックも、食べ物の匂いがつきにくので、清潔さを保ちやすく、しかも防火性も高い!
芸術的な美しさはもちろん、実用性を兼ね備えた、革新的デザインのお部屋に仕上がっています。
物価が高いロンドンですが、セルフサービスなので比較的良心的な価格のV&Aカフェは、「ロンドンで最も豪華なカジュアルカフェ」とも呼ばれているそうです。
カジュアルと言えども、セルフサービスする際に使うトレイをよく見てみると・・・ウィリアム・モリス柄!
いろんな柄のトレイがあって、どれにしようか悩んでしまうくらいです(笑)
私のおススメは、やっぱりスコーン!初めてここでスコーンを食べた時に、それまで私が日本で食べていたスコーンと全然違うことに衝撃を受けました☆
とても大きくて、外はカリッカリ。中はふわっふわ~。でも、スコーン以外のメニューも、何を食べても、美味しい!
当日、仕入れた新鮮な食材を館内で調理しているのがおいしい理由の一つだそうです。
さて、隣のお部屋「ポインター・ルーム(Poynter Room)」に移動しました。
画家でデザイナーのエドワード・ポインターがデザインをしたこのお部屋には、日本の装飾をモチーフにした暖炉があります。
壁一面を覆っている青と白のタイルは、ポルトガル伝統のアズレージョタイル。
この部屋にはステーキやチョップを調理するための鉄製や真鍮製のグリルが収められています。
ちょっと休憩して・・・ここはどこだと思いますか?実はトイレなんです。
トイレの壁に貼られているタイルの模様があまりにも可愛くて・・・よく見るとV&Aのモチーフ。思わず写真を撮ってしまいました。
最後の部屋に到着です。あっ!ここでも看板を持って呼ぶ人が(笑)
ここはウィリアムモリスがデザインした「モリス・ルーム(Morris Room)」。
今でこそデザイナーとして有名なウィリアムモリスですが、この部屋の装飾を依頼されたときは、それほど有名ではありませんでした・・・
まだ無名だったウィリアムモリスが、公共の場のデザインの注文を初めて手掛けたのがこの部屋です。
この部屋の色から、「緑の部屋」(The Green Dining Room)と呼ばれていました。
個人的には・・・このウィリアムモリスデザインのお部屋に、近代的な家具が組み合わせてあるところが魅力的だなって。全然雰囲気が違う内装と家具のコラボが絶妙です。
ウィリアム・モリスの友人だった建築家のフィリップ・ウェッブ(Philip Webb)がしっくいの上塗りをデザインを担当し、デザイナーのエドワード・バーンジョーンズ(Edward Burne-Jones)がステンドグラスと壁の下絵をデザインした、モリスルーム。
ウィリアムモリスの世界観が楽しめます。
この日は、ギャンブル・ルームとは対照的で、落ち着いた雰囲のモリスルームで、みんなでティータイムです。
今までにない、長いお散歩。お疲れさまでした・・・
今回、V&A美術館で見たチッペンデールチェアを使った、ダイニングルームを作ってみました。
背もたれのデザインが美しいので、どんなテーブルに合わせても、高級感あふれる雰囲気を醸し出してくれます。
チッペンデールチェアは、あまり見つけることが出来ないので、見つけた時、気になる方はぜひゲットしてください。→サロンチェアはコチラ
トーネットが紹介されていたベントウッドチェア。ベントウッドチェアは、その後、いろんな形が作られて、ノックダウン方式で輸送がラクだったため、世界中で愛される椅子になりました。
美術館の中でマザーオブパールで造られていたビューローブックケースを使った書斎。大きな英国のアンティーク家具がお部屋にあるだけで、とても絵になります。
他にも参考になる英国スタイルのお部屋をご紹介していますので、のぞいてみてください。
Victoria and Albert Museum
住所 Cromwell Road London SW7 2RL
TEL 44 (0)20 7942 2000
URL http://www.vam.ac.uk/
毎日 10:00~17:45
毎金曜日 10:00 ~22:00(一部の展示室は18:00以降もオープン)
カフェ
毎日 10:00〜17:15
金曜日 10:00〜21:30
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41
古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号
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