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【パリさんぽ】日曜日はクリニャンクール蚤の市をお散歩
- 水野 友紀子
日本では日曜日に観光地が営業しているのは当たり前ですが、パリの観光地は、大抵、日曜日がお休みです(汗)
なので日曜日にパリを訪れた場合は、蚤の市をお散歩してみましょう!蚤の市は、基本、週末に営業しているので、お休みの日のパリを楽しむにはうってつけの場所です。
いろんな蚤の市がありますが、今回はパリで最大の蚤の市、クリニャンクールの蚤の市をお散歩してみましょう。
パリ最大級の蚤の市、クリニャンクールとは
クリニャンクールは、約3000店以上のショップが立ち並ぶパリ最大の蚤の市です。 いくつかのマルシェが集まって大きな蚤の市を作っているんですが、 きちんと区画整理されていて、エリアごとに名前がつけられて地図もあるので人気の観光地になっています。
お店は土曜日~日曜日の9時頃からオープンとなっていますが、正直、何度訪れても10時に開店しているお店も少なく・・・気分に合わせてお店を閉めちゃうことも多くてフランスらしさが感じられます(笑)
基本は露店のお店ですが、ビルの中に入っているお店も何百件もあるので、雨の日でも歩きやすくおススメです。
ちなみに、パリの3大蚤の市と言えば、ヴァンヴ、モントルイユ、そしてここ、クリニャンクールの蚤の市。クリニャンクールはパリの北に位置していて、オペラ座駅からメトロを使って約30分くらいの場所にあります。地下鉄4号線Porte de Clignancourt駅で降りてMarcheaux pucesの看板に従って進んで行くのですが、正直、蚤の市までの道のりは治安があまりよくありません。歩く時間も結構かかるし怖いので、私はいつもタクシーを使っています。
クリニャンクールはかなり広いですが、目標地点を決めて運転手さんに伝えておけば、連れて行ってもらえます。オペラ座付近からだとメトロを使うよりタクシーの方が時間もかからず安全なのでおススメです。
クリニャンクール蚤の市の歴史をお話しします。
日本ではクリニャンクールと呼ばれる蚤の市は、パリでは「サン・トゥアンの蚤の市(Marche aux Puces de Saint-Ouen」と呼ばれます。
蚤の市と言ってもほとんどは古美術商が店を構えているスタイルなので値段は高め。なので、私たちはここでしか見つけることが出来ない照明やシャンデリアのパーツ、めずらしい小物を探すことはあっても、アンティークの家具を買い付けることはありません。
そもそも、クリニャンクールは、かつてティエールの城壁というパリ最後の城壁があった場所。建設当初は軍事地域と呼ばれて建物の建築が禁じられていた場所です。
19世紀、オスマンのパリ改造の時に、パリ市内にいた廃品回収業者(家庭のいらないものを回収してそれを売って生計を立てていた人たち)は、衛生上の理由からパリに住むことを許されなくなりました。そこで城壁外のクリニャンクールに住み始めるようになったことが始まりです。
毎週日曜日に市を開いたところ、骨董好きのパリ市民が訪れるようになって露店の数が増え、現在のようにパリ最大の蚤の市が出来上がりました。
ちなみに現在、城壁は取り壊されてしまっています。
現在のクリニャンクールは、それこそアンティークの家具やオブジェから、ヴィンテージのお洋服、カバンや靴、生活雑貨やリネンから古着、美術品、アクセサリー、古本にレコード、ガラクタまで、とにかくなんでもあります!
アンティークの小物を見つけるなら、Vernaison(ヴェルネゾン)
有名なのは、VERNAISON(ヴェルネゾン)地区
三角形の地区全体に300店以上の小さなお店が路地にたくさん並んでいます。
クリニャンクールの中で一番古いと言われているこのエリアには、骨董品や古い家具、絵画、食器、雑貨、おもちゃ、 手芸品、アクセサリー、ビーズ屋さんなどが細々としたお店が多いので、観光で行くには楽しい場所です。
中に入ってしまうと観光客が多く、日本人の方にもお会いするので安心してしまうのですが、スリが多いので貴重品は気をつけてください。
クリニャンクールのいろんな地区をご紹介します
BIRON(ビロン)
高級アンティーク専門の地区。高価なアンティークが並べてあるので、他のエリアとは違った雰囲気を味わえます。
アールヌーボーやアールデコ様式のガラス類(ラリック、ガレ、ドーム、アージー=ルソーなど)や、バカラのアンティーク。さらに、エルメス、ランバン、グッチ、カルティエなどの一流ブランドが並んでいるので、クリニャンクールのフォーブルサントノレと呼ばれています。
MAILASSIS(マラシ)
2フロアのガラス張りの大きな建物の中にあり、家具やリネン、美術品からバカラやラリックのガラス製品を専門とするお店、マイセン、セーブルなど陶磁器を置くお店など少し高級なものが集まるクリニャンクールの中でも最も新しいマルシェです。
DAUPHINE(ドフィーンヌ)
マラシのお隣にある2階建ての建物。
大きな高級な家具やインテリア、古本、2階には洋服などが置いてあります。
MALIK(マリク)
レコードや古着、アクセサリーなどがある市です。
SERPETTE(セルペット)
ここも屋内にある市。高価なものがたくさん置いてあるのですが、親しみやすく入りやすい店が多いです。
PAUL BERT(ポール ベール)
大きな家具やインテリアの雑貨、ガーデン用品を扱うお店が多い市です。
インテリア雑貨やキッチン用品なども置いてあります。
L’ENTREPOT(ラントルポ)
大型家具や建築パーツなどを扱う市です。買って帰ることはなかなか出来ませんが、インテリアの参考に見て歩くのは楽しいと思います。
L’USINE(ルジーヌ)
装飾品や家具などを扱う市です。
JULES VALLES(ジュール ヴァレ)
ポストカードや古書やレース、ビーズなどの小物のお店が多く、小道具やガラクタなど豊富にあり見ていてとても面白い市です。
CAMBO(カンボ)
家具や絵画などを扱う市
ROSIERS(ロジェ)
アールデコ中心の工芸品を扱っている市。小さいスペースにヴィンテージの古着などを扱うスタンドがあります。
気に入ったものを見つけた時には・・・
クリニャンクールはとにかく広くてお店の数も多いので、とても1日では見て回る事が出来ないと思います。
正直、数がありすぎて、何か欲しいなと思っても、一体、何を買えばいいのか分からなくなっちゃうくらい(笑)でも、何も買わずに眺めながらお散歩するだけでも面白いです。
もし、気に入ったものがあったら、値段交渉をして手に入れるのも蚤の市の楽しみのひとつ!とよく言われますが・・・実は、私はクリニャンクールでの値引き交渉はおススメしていません。
と言うのも、クリニャンクールは蚤の市と言ってもちゃんとしたショップ(スタンド)を設けているお店がほとんどなので、ついついフリーマーケット感覚で値引きをしてしまうと、怒られる場合もあります。
やはりそこがフランスらしさ!あまり無理な金額を言うと舌打ちされたり、不機嫌になってしまうこともありますので、気をつけてください。もちろん無理な金額はいけませんが、たくさん買ったお店では交渉して少しでも安く手に入れることをおススメします!
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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