ローズウッドとは?「木の宝石」と呼ばれる幻の銘木の魅力に迫る

水野友紀子
水野 友紀子
ローズウッドとは

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ローズウッドとは、家具の世界で最高峰と言われる超高級木材のこと。日本では「紫檀(シタン)」と言う名前で呼ばれ、お仏壇や伝統工芸品などに使われてきた木材のことです。

実は現在、ワシントン条約で絶滅危惧種に指定されているので、それ以前に造られたアンティーク家具のように古いものでしか、手に入れることが出来ない幻の銘木なんです。

今回は「木の宝石」ローズウッドについてお話します。

Handle 水野友紀子


ローズウッド材とは

日本では紫檀(シタン)と呼ばれ、古くから馴染みのあるローズウッド(Rosewood)とは、マメ科ツルサイカチ属(Dalbergia属)の広葉樹の総称です。

「ローズウッド」と言う美しい名前の由来は・・・香り!

原木を伐採した時に、まるで薔薇の花のような甘い香りがふわっと漂うことから「薔薇の木=ローズウッド」と呼ばれるようになりました。

ローズウッド材

ローズウッドは、とても硬くて耐久性に優れているので、超高級家具や仏壇、楽器などに使われてきました。

・・・が、あまりにたくさん伐採したことで激減してしまったため、ワシントン条約の規制対象になり、現在は厳しく規制されているので、新しく手に入れることが極めて困難な「幻の木」になっています。

ローズウッドの特徴


現在は手に入れることが出来ない超最高級木材ローズウッドの特徴を3つにまとめてみました。


01 重硬&耐久性

希少価値が高く重硬

水に沈むほど密度が高く、非常に重くて硬い木材なので、職人さんの刃物がすぐにダメになってしまうほど加工が難しいローズウッド。

そのため、キズがつきにくく、虫や湿気にも強いため、何百年と言う時を経て歪むことなく美しい姿のまま残っています。


02 高貴な縞模様

美しい紫檀色

濃い紫色の木肌の中に、まるで黒い墨を流したような力強い縞模様を描く、唯一無二の木目を持つローズウッド。

圧倒的な高貴な杢目がヨーロッパの王侯貴族に愛され、家具はもちろん、ピアノやクラシックギター、高級車のダッシュボードなどに使われました。


03 年月が作り出した色

ローズウッドの特徴

東洋で「紫檀(シタン)」と呼ばれたほど、かなり濃い紫色の木肌を持つローズウッドは、時を重ねて光を浴びることで、だんだんと紫色が抜けて、極上のはちみつ色に変化します。

黒い縞模様はそのまま残っているので、ベースの色が明るくなった分、木目のコントラストがより美しく惹き立って見えます。

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ローズウッドが流行した時代背景



ヴィクトリアン様式の部屋

18世紀後半、ナポレオン戦争の時代にイギリスはポルトガルと友好関係を結んだことで、ポルトガルの植民地だったブラジルで育つブラジリアン・ローズウッドがイギリスへ輸入されるようになりました。

ローズウッドの美しい木目は英国の王侯貴族たちに愛され、宮廷家具や調度品などに使われるようになりました。特に脚光をあびるきっかけになったのがリージェンシー様式です。



リージェンシー様式で人気だったローズウッド材

芸術愛好家として知られるジョージ4世が摂政を務めたリージェンシー様式時代の家具は、複雑な彫刻よりも木目の美しさを活かしたシンプルなデザインが主流でした。

深みある紫褐色に黒い縞模様が走るローズウッドは、まさにこの時代の美意識にピッタリ!

マホガニーと並ぶ最高級家具材として貴族や富裕層に広く愛されていきました。


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リージェンシー様式のデザイン


ローズウッド材が人気だった時代の家具に用いられた、シンプルなリージェンシー様式の代表的なデザインを見てみましょう

1 サーベルレッグ

サーベルレッグ(saberleg)

サーベル(saberleg)とは、ヨーロッパの剣のこと。

まるで剣のように外側にカーブした、細くて美しいデザインの脚にとても硬くて丈夫なローズウッドが使われています。


2 リングターン

リングターン(挽物細工)

ポコポコっと丸いングがたくさん連なったようなデザインがおしゃれなリングターン。

刃物が使えないほど硬いローズウッドで造られた挽き物細工は細くても丈夫。艶があって高級感たっぷりです。


3 クロウフィートキャスター

クロウフィートキャスター

「リージェンシーテーブル」とも呼ばれる、クロウフィートキャスターが付いたテーブル。

キャスターが付いている足先は、ライオンをモチーフにしたもの。コロコロと転がしながら移動することが出来ます。


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ローズウッドの種類


ローズウッドとは、マメ科ツルサイカチ属(Dalbergia属)に分類される木材のことを言うので、一言でローズウッドと言っても、いろんな種類があります。

日本でお仏壇や工芸品に使われてきた「紫檀(シタン)」と呼ばれる木材は、木目の出方や産地によって「本紫檀(ホンシタン)」「手違い紫檀(チンチャン)」など細かく分類されてきました。

それに対し、西洋のアンティーク家具や楽器の世界では、世界3大産地から採れる『ブラジリアン』『インディアン』『マダガスカル』ローズウッドがほとんどです。
それぞれの特徴について、カンタンにお話します。

1 ブラジリアン・ローズウッド

別名「ハカランダ(Jacaranda)」と呼ばれる、ローズウッドの頂点に君臨する伝説の銘木「ブラジリアン・ローズウッド」

紫黒褐色の木肌に、墨を流したような美しく黒い縞模様と蜘蛛の巣のように複雑に絡み合う「スパイダーウェブ」と呼ばれる木目が特徴です。

16世紀に入ってヨーロッパに渡り、王侯貴族の宮廷家具や最高級の装飾品として大人気に。音の響きがいいことから1960年代後半までは、ギターなどにも使われてきました。

ところが、過剰な伐採により数が減少したことで1992年に絶滅危惧種としてワシントン条約に指定。現在はブラジリアン・ローズウッドを使って新しく家具や楽器を造ることが絶対に出来ないので、ワシントン条約以前に作られたものは特別な存在です

2 インディアン・ローズウッド

和名でマルバシタンと呼ばれるインディアン・ローズウッドは、ブラジリアンに比べると、木目が比較的まっすぐで上品な表情。色は赤紫から濃いブラウンで非常に硬く頑丈で、美しい艶が出ます。

成長に長い年月がかかるため、インドネシアで人工的に植林されて育ったマルバシタンが「ソノケリン」という名前で出回っています。

同じ種類ですが、暖かい気候で急速に育つため、少し色味が淡く木質が軽くて柔らかいです。

1950~60年代の北欧スタイルのビンテージ家具で使われているローズウッドは、主にこのマルバシタンかソノケリンです。

3 マダガスカル・ローズウッド

アフリカ東海岸に浮かぶ独自の生態系を持つ島、マダガスカル島にのみ自生するマダカスカル・ローズウッド

非常に鮮やかで明るい赤みのベースに、細く明瞭な黒い縞模様が走る杢目は、最もブラジリアンに雰囲気が近いと言われ、ワシントン条約でブラジリアンが一切、手に入らなくなった後、世界中の高級家具メーカーや楽器メーカーがこぞって代替品として使用しました。

その結果、急速に激減してしまい、現在はマダガスカル・ローズウッドもワシントン条約で厳しく規制され、市場では見かけることが出来ない幻の木になりました。


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ローズウッドの家具


今までHandleでご紹介してきたローズウッド材のアンティーク家具は、ほとんどがブラジリアン・ローズウッドです。とても希少価値が高い家具を見てみましょう。

ローズウッド材のキャビネット、高級感なパーラーキャビネット

1910年代 ローズウッド材のキャビネット
ローズウッド材に象嵌がほどこされた希少価値が高いパーラーキャビネット。

ローズウッド材のテーブル、美しい縞模様の天板の家具

1930年代 ローズウッド材のテーブル
ローズウッドらしい美しい縞模様の天板が楽しめるティーテーブル。


ローズウッド材のデスク、リージェンシー様式のアンティーク家具

1930年代 ローズウッド材のデスク
ローズウッドが一番人気だったリージェンシー様式らしい直線的なデザインのデスク。

ローズウッド材のチェア、透かし彫と、美しい象嵌のチェア

1910年代 ローズウッド材のチェア
豪華な透かし彫と、美しい象嵌がコラボしたゴージャスなサロンチェア。


ローズウッド材のセティ

1910年代 ローズウッドのスツール
透かし彫りが入ったとってもめずらしいローズウッドのスツール。収納も出来ます。

ローズウッド材のビンテージサイドボード

1950年代 インディアン・ローズウッドのサイドボード
シンプルなビンテージ家具に似合う縦模様のマルバシタンを使ったサイドボード。


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ローズウッド材の美しいアンティーク家具

今まで、たくさんのアンティーク家具を買い付けして、日本に連れて帰ってきている私ですが、ローズウッドを使った家具や椅子にはほとんど出会うことがないんです。

ただでさえ希少なローズウッドは、ワシントン条約によって国際取引が厳しく規制され、現在では家具材として新たに使うことがとても難しくなっています。 だからこそ、すでに作られているローズウッド材の家具は、これからさらに希少価値が高まっていく特別な存在!

なので、もし、ローズウッドの家具を見つけた時には、迷わずゲットしてください(笑)

以上、Handle水野友紀子でした!

ローズウッド材の家具、珍しいアンティーク家具


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Q&A

ローズウッド材とはどのような木材ですか?
インド原産の高級木材で、バラのような香りと美しい縞模様が特徴です。
なぜローズウッド材は希少なのですか?
絶滅危惧種に指定され、現在はワシントン条約により伐採・流通が禁止されているためです。
ブラジリアン・ローズウッドとは何ですか?
別名ハカランダと呼ばれ、楽器や高級家具に使われる最高級のローズウッド材です。
ローズウッド材の家具の魅力は何ですか?
美しい縞模様、芳醇な香り、硬く耐久性があり高級感にあふれている点です。
どのようなアンティーク家具にローズウッド材が使われていますか?
キャビネット、テーブル、チェアなど、リージェンシー様式の家具に多く使われています。
リージェンシー様式とはどんなデザインですか?
木目の美しさを活かしたシンプルで直線的なデザインが特徴の家具様式です。
ローズウッド材の家具の価値は今後どうなりますか?
供給がないため、今後さらに希少価値と価格が上昇する可能性があります。
ローズウッド材の見分け方は?
紫檀色の黒紫がかった色合いと、縞模様の木目、香りが特徴です。

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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

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