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家具のガタつきや扉のズレのお直し方法
- 酒井 有紀子
「新築したばかりの家なのに、家具を置いたらガタガタする・・・」
「キャビネットの扉の左右がズレている・・・」
「アンティーク家具だから、もしかしてゆがんでいるの?」
とお問い合わせを頂くことがあります。
届いたばかりの家具に気になる部分があると不安になりますよね。
特にアンティーク家具の場合、新品ではないため、なんとなくガタガタしそうとか、もともとがズレているのではと思われがちです。
もちろん家具自体に問題がある場合もありますが、Handleのアンティーク家具は、全て専門の職人が修復し、発送前には水平板の上に乗せて、扉のズレや並行を確認しています。
アンティーク家具と言えども、しっかり修復し確認済み後に発送していますので、到着して設置した際、ガタガタしたり扉がズレているのであれば、床と家具のレベルが合っていないことが原因と考えられます。
意外に知られていないことですが、アンティーク家具に限らずどんな家具を設置する場合でも、床と家具のレベルがほんの少し違うだけで、家具本体がゆがんでグラついたり、扉同士の高さがズレて当たってしまうことがあるので、本来は家具を置いた際、必ずレベル調整を行うことが必要です。
今回は、家具のガタツキや扉のズレをカンタンに直す、家具と床のレベル調整方法についてお話します。
家具がガタついたり、扉がズレる原因は?
そもそも、家具がガタついたり扉の位置がズレる大きな理由の一つが、家具と床のレベルが合っていないことです。
新築したばかりのお家の床は、全てが平行と思われがちですが、面積が広い木製の床は、完全には水平にはなりません。
目で確認できないくらい、ほんの少しのレベルのズレでも、床に乗せた家具がガタついたり扉がズレたりします。
特に幅が広いサイドボードや大型家具、ガラスキャビネットやテーブルの場合、床のレベルと合っていないことで、大きなガタツキを感じる原因になります。
ガタつきを簡単に直すレベル調整法
まずは、家具を違う場所に移動させてみましょう。
ほんの少しズラしただけでも、ガタツキが直る場合があります。
もし、違う場所がガタついたり、扉のズレがよりひどくなったりと言う場合は、レベル調整が原因です。その場合、以下の方法でレベルを合わせて下さい。
【 1 】床から浮いている足がどれかを確認します。
まず、床から浮いているのがどの足なのかを確認しましょう。
今回わかりやすく4本脚のテーブルでご説明しますが、チェストやキャビネット、サイドボードなど、どの家具でも同じ方法です。
【 2 】脚の下にダンボールを挟みます。
浮いている脚の下に、段ボールや薄いベニヤ板、フェルトキーパーなどを挟み込みます。
それだけで床と家具とのレベルが合い、ガタツキがなくなったり、扉のズレがなくなります。
オススメはちょっと厚めのフェルトキーパー。
大きなフエルトキーパーをハサミで脚の大きさに切ってカンタンに挟み込むことが出来ます。
→フェルトキーパーはコチラから
グラつきが大きい場合、ベニヤ板など堅いものを挟むようにしましょう。1枚入れてもまだガタつく場合、様子を見ながら足していきましょう。
扉のズレを簡単に直す方法
キャビネットやサイドボードなどの扉がズレている時も、ガタツキを直したときと同じように、床と家具のレベルを調整をすることで、かなり改善されます。
同じように、段ボールやベニヤ板、フェルトキーパーを挟むことで調整できますが、ズレている位置によって挟む脚の位置が違います。
まずは、どちらの扉が下がっているかを確認してください。
TYPE.1「右」の扉が下がっている場合
横長のテレビボードで実際にレベルを調整してみましょう。
左の扉と比べて、右の扉が下がっているのが分かります。
①「右の前脚」もしくは「左の後脚」に挟みます。
「右」の扉が下がっている場合は、「右の前脚」もしくは「左の後脚」の下にダンボールや薄いベニヤ板、フエルトキーパーなどを挟みます。
②扉を確認しながら高さを調整
ズレ具合によって、必要な板の厚みが違います。板を一枚入れても位置が変わらない場合は、思い切って何枚も重ねて厚めのものを入れてみましょう。
扉の位置を確認しながら挟む板の厚みを調整しましょう。
TYPE.2 「左」の扉が下がっている場合
今度は、「左」の扉が下がっているガラスキャビネットのレベル調整をしてみましょう。
①「左の前脚」もしくは対角線上の「右の後脚」に挟みます。
「左」の扉が下がっている場合は、「左の前脚」もしくは「右の後脚」の下にダンボールや薄いベニヤ板、フエルトキーパーなどを挟みます。
先ほどと同じように、扉のすき間を確認しながら、挟む板の厚みを調整してください。
TYPE.3 一枚扉の場合
一枚扉のキャビネットの場合も、2枚扉と同じようにレベル調整しましょう。
今回は、右開きタイプの一枚扉のキャビネットで試してみました。
「右の前脚」もしくは対角線上の「左の後脚」に挟む
右開きタイプの一枚扉のキャビネットは、「右の前脚」もしくは対角線上の「左の後脚」に板を挟んで、2枚扉のキャビネットと同じように、扉のすき間を確認しながら、挟みこむ板の厚みを調整して下さい。
逆に、左開きタイプの一枚扉のキャビネットの場合は、「左の前脚」もしくは対角線上の「右の後脚」に板を挟みましょう。
バランスよくモノを収納してみましょう
家具の中に何も入れていない状態の時にガタつきが出る場合でも、中にモノを入れることで、入れたものの重さで家具が安定し、ガタつかなくなる場合もあります。
まずは家具の中に収納してみましょう。
その際、1カ所だけに集中してモノを入れすぎると、グラつきやすくなります。
出来るだけバランスがよくなるように収納するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
本来、家具屋さんが家具を届ける際には、床とのレベル調整を行うので、扉のズレが生じたりガタつくことはほぼありません。最近は、家具屋さんが直接、配送することが少なくなったので、まず、家具が到着した際、家具と床のレベルを調整しましょう。
レベルが合うだけで、扉収納の家具は見た目はもちろん、扉同士の高さも合って、開け閉めもしやすくなります。
また、ガタつきをなくすことは、家具を長持ちさせることや、心地よく使うことに繋がるので、ぜひ試してみて下さい。
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酒井 有紀子
アンティークショップHandle お客様担当主任
インテリアや家具に対する疑問や質問、不安に思うことなど、毎日、全国からかかってくるお客様の電話の生の声に対し、回答するため得た知識を、そのまま情報として発信している。
30年の主婦歴と、5歳の孫と過ごす日々で気付いた、インテリアのことを分かりやすく書くことをモットーに執筆中。
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