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家具の基礎知識!家具のカビのお手入れ方法
- 酒井 有紀子
まれに「カビが発生してしたとき、どうすればいいですか?」とお問い合わせを頂く事があります。 なんとなくアンティーク家具だとカビが生えそうというイメージをもたれることが多いようですが、新品の家具でもカビは発生します。
家具に使われている素材や塗装方法、置いてある場所によって、同じ部屋に置いた場合でもカビが発生する家具としない家具がありますが、湿気が多い日本ではカビが生えることが多いので、今回は、カビの原因と防止策について、私、酒井がお話をします。
家具にカビが生える原因について
カビが生える原因は、いろんなことがありますが、やはり一番大きい原因は湿気です。
特に、最近は、高気密、高断熱のお部屋や、自然素材をあまり使っていないお部屋が多いので、カビが生えやすい原因になっているようです。
湿気は、呼吸しやすい素材のものに貯まっていくので、同じ家具であっても、合板の家具より木製の家具、
化学系の塗料より、
自然素材の塗料の家具のほうが湿気を吸いやすく、カビが生える原因になります。
以下のことに注意してみて下さい。
1.換気をしましょう
最近は、マンションや高気密・高断熱のお家が多く、湿気の逃げ場がなくこもりやすいので、カビが生えやすい原因になっています。
また、エアコンや空気洗浄機などを使うことが多く、窓を開けて喚起することが少なくなってきました。
やはり、部屋の湿度が高いとカビも生えやすくなるので、湿度を下げるために、時々、窓を開けて換気をしましょう。
また、家具の扉や引き出しの中は閉じてしまうと密閉されているので、窓を開けるように、家具の扉や引き出しも、時々、開け放って、扇風機などで風を送り、空気を循環させると、カビが発生しにくくなります。
さらに、家具の中に収納する際、隙間なく詰められていると、空気が全く通りません。
こまめに扉や引き出しをを開けて換気することはもちろん、物を詰め込みすぎないというのもポイントに1つです。
2.ドライシートや新聞紙を使いましょう
家具の扉の中に、湿気吸収剤(水とりぞうさんなど)を扉の中に入れておくと湿気を吸ってくれるのでおススメです。
最近は、棚板に敷く湿気取りのシートも販売されています。
さらに、最近は、引き出しに湿気がたまらないよう、家具に敷いておくドライシートが販売されています。
ドライシートには、タンス用、食器棚用、布団用などいろいろな種類があります。
引き出しなどの大きさに合わせて、はさみでカットして入れるだけで、湿気やニオイから守ってくれるので便利です。
引き出しの中に敷いたドライシートの上に衣類などを入れていくだけ。活性炭配合なので、天日に干すだけで繰り返し使えて経済的です。
さらに経済的なのが新聞紙!
新聞紙には吸湿効果があるので、ドライシート代わりに敷いておくのもおススメです。
着物の虫干しも同じようなことで、干すことによって虫食いやカビから着物を守るお手入れ法の1つで、定期的に虫干しなどを行うことが大切です。
ドライシートや新聞紙を活用して、家具やお洋服をジメジメ湿気から守りましょう。
3.家具と壁の間に隙間を作りましょう
家具を置く際、壁にピタッとくっつけておく方が多いのですが、実はこれがカビ発生の大きな原因です。
壁の中から家具が湿気を吸い込んで、カビを生やしてしまうので、家具を置く際は、壁と家具の間に隙間を作るようにしましょう。特に、家の外壁側ではなく、廊下などに接している壁は、カビが生えやすい場所なので、壁との隙間を作ることで空気が通る道を作り、空気を循環させることで、カビの発生を抑えます。
4.除湿機&サーキュレーターを活用しましょう
ぬれた洗濯物を室内で干すと、お部屋の湿度は、場合によっては約10パーセントも上昇します。
これを繰り返していると、当然、カビが生えやすい環境になすので、部屋干しされる方はには、まず除湿器を使うことをおススメします。
また、空気を循環させるために、洗濯物の下からサーキュレーターで風を送ると、湿度の上昇を抑えることができ、さらに洗濯物も乾きやすくなるので一石二鳥です。
5.ホコリを取りましょう
実は、ホコリはカビの栄養です。カビの栄養源をなくすためには、家具もお部屋と同じように掃除をしてあげて下さい。
カンタンにホコリを落とすだけでカビが生えにくくなります。
6.食品のカスや油などに注意しましょう
食品カスや食品油などは、カビの大好物です。
食器棚などに入れておいた食品がこぼれた場合は、すぐに拭きとりましょう。
また、食べ物の油がついた手で家具の扉や引き出しを開け閉めすると、その油が原因でカビが発生する場合があります。
家具を触る場合は、きれいな手で開け閉めをするようにするか、もしくは、手で触る部分を時々、お掃除しましょう。
封を開けた食品を収納する際は、ホーローのブレッド缶やキャニスターなどに入れることをおススメします。ホウロウはガラス質なので、湿りにくく衛生的。さらにお洒落なのでキッチンが明るくなります。
家具にカビは発生してしまった場合の対処法
硬く絞ったタオルなどでカビを取り除いて、あとは乾拭きし、家具の中に入っているものを取り出した状態で、壁から離して乾燥させるようにしましょう。
風通しをよくし、扇風機やサーキュレーターを使って、出来るだけ家具の中の湿気を取り除いて下さい。
カビが発生する原因は、湿気です。木製家具の場合は、木自体が湿気を多く含んでしまったことでカビが発生してしまっているので、とにかく乾燥させることが必要です。
※アルコール除菌剤の使用について
カビが生えた際、アルコールが使える家具は、以下の家具のみです。
・天然木を使っていない家具
・化学的な塗装(ウレタン塗装)などを施し、家具に分厚い塗膜を作っている家具
弊社で使っているアンティーク家具などは、天然木を使い、自然由来の塗装材を使っているため、アルコールで塗装膜が溶けてしまいます。
また、アンティーク家具に関わらず、自然塗料や、天然木の家具の場合、アルコールが使えないものが多いので、いい家具をお使いの方は、必ず、アルコールが使えるかどうかを確認するようにして下さい。
まとめ
いかがでしたか?カビが発生する原因はいろいろありますが、家具の置き方、環境、お掃除など、当たり前のことで防止することできます。
なんとなく「アンティークだからカビが生える」というイメージをお持ちの方も多いようですが、そうではありません。自然由来の塗装材を使っている家具や、天然木の家具を使って造られている家具は、木が呼吸するため吸湿性が高く、お部屋の湿気を吸いやすいので、他の家具と比べるとカビが生えやすいので、新品の家具でも変わりません。
逆に、カビが生えやすい天然木の家具は調湿効果があるので、お部屋の湿気を吸い取ってくれます。カビが生えるということは、かなり湿気が貯まっているというお部屋であると言う、お部屋の環境のバロメーターにもなります。
カビが生える=空気が循環せず、湿気がこもっているということなので、まずはしっかり換気をして、お部屋の湿気を取り除いてあげるようにしましょう。
今回使用したアイテム
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酒井 有紀子
アンティークショップHandle お客様担当主任
インテリアや家具に対する疑問や質問、不安に思うことなど、毎日、全国からかかってくるお客様の電話の生の声に対し、回答するため得た知識を、そのまま情報として発信している。
30年の主婦歴と、5歳の孫と過ごす日々で気付いた、インテリアのことを分かりやすく書くことをモットーに執筆中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
【南青山オフィス】
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古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号
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