脚の折れてしまったチェストの修復方法

水野慎太郎
水野 慎太郎

大切にお使い頂いている家具が、何かしらのアクシデントで破損してしまう・・・という悲しいことは、 毎日生活しているとどうしても起こってしまいます。 そんなときでもHandleのアンティーク家具なら、お直しが可能です! そんな大切なアンティーク家具のお直し方法をご説明していたいと思います。 今回はこちらのチェストの脚の部分です。


チェストの脚が折れてしまいました

脚の折れたアンティークチェスト

残念なことに、繊細な後ろ脚が1本ポキッといっています。 小ぶりなチェストでデザインも繊細なので、脚が少し細めのため難しい修復です。


木工用ボンドで接着する

折れた脚を接着する

まずは、木工用ボンドで折れたアンティークチェストの脚を接着していきます。

実はココが、お直しがキレイに仕上がるかどうかの最大のポイントでもあるんです。 この接着が隙間なく、元の脚のような位置に持ってこれるかどうかが最後の仕上がりに影響してきます。 いきなり一番の緊張の場面です。


ハタガネを使い丸一日固定する

ハタガネを使い丸一日固定する

キレイに接着できたら、ハタガネを使って脚の四方を締めて、ボンドが完全に乾くまでに1日ほどおきます。 しっかりと隙間なく締めていくのがコツなんです。


はみ出たボンドはきれいに拭き取る

ボンドをきれいに拭き取る

はみ出た水性ボンドは水で塗らしたタオルできれいに拭き取ります。 ここでちゃんと拭き取らないと後からが汚くなるので、しっかり拭き取っていきます。


ハタガネを外し、ビスを打ち込む

ハタガネを外し、ビスを打ち込む

接着剤が完全に乾いたのを確認しハタガネをはずして、折れた脚の強度を増すために細いビスを打ち込んで脚の強度を高めます。 このときに残っているボンドもケンマロンでキレイに削っておきます。


ビスの頭をキレイに埋め込む

ビスの頭をキレイに埋め込む

ビスの頭が見えてしまうと格好が悪いので、アンティーク家具用のロウやパテを色を合わせて選び、きれいに頭が隠れるように埋め込んでいきます。


接着面をぼかしてなじませる

接着面をぼかしてなじませる

それからチェストの折れた脚の切れ目をアンティーク家具用のステインで補色して隠していきます。 この補色でのぼかし方の技術が難しいところです。


シュラックニス・ワックスをに塗って仕上げる

シュラックニス・ワックスをに塗って仕上げる

アンティーク用のステインがしっかり乾いたら、シュラックニスを刷毛を使って丁寧に塗って行きます。


シュラックニス・ワックスをに塗って仕上げる

最後に仕上げとしてアンティーク家具用のワックスを塗って仕上げます。


完成です!

アンティークチェスト修復の完成

じゃん!!完成です。

お気に入りのチェストの脚が折れてしまっても、実際の生活で使っていただくのに問題がないくらいの 強度が取れるような場合の破損であれば 上記のようにお直しをしていくことが可能なんです。 なので、もしお使い頂いていて家具に不具合が出てきた時にはぜひ、お気軽にご相談下さいね。


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水野慎太郎

水野 慎太郎

創業明治36年、1903年から続く老舗家具屋4代目。
アンティークショップHandleオーナー。

小さい頃から囲まれて育ってきた、家具に対する知識と修復技術力は誰にも負けない自信がある。
30年後に日本の10人に1人がアンティーク家具を使っている文化を作ることを目標にし、日々、アンティーク家具の修復に奮闘中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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