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本物はちょっと違うんです。テラコッタタイルの貼り方
- 中嶋 美幸
新築やリフォームの方に人気のテラコッタタイル。
でも、日本で使われているテラコッタは本物のテラコッタタイルではなく、テラコッタタイルに似せた「テラコッタ風タイル」やテラコッタの柄を使ったクッションフロアが多いんです。
なので、職人さんでも本物のテラコッタを貼った経験がある方も少ないのが現実。でも、本物のテラコッタとテラコッタ風タイルでは貼り方が全然違います。
ここでは、本物のテラコッタタイルの貼り方のポイントをご紹介します!
テラコッタタイルについて詳しくはこちらをご覧くださいね♪
→ 本物の質感が感じられる本当のテラコッタタイルとは
そもそも、本物のテラコッタとは・・・
「テラコッタ」とはイタリア語で「焼いた土」と言う意味。テラコッタタイル焼いた土で作られた素焼きのタイルの事です。
ヨーロッパでは、一番ポピュラーに使われているタイルですが、日本では本物のテラコッタタイルを使っているお家はあまり多くありません。
と言うのも、本物のテラコッタタイルは自然の色むら(焼きムラ)が出るため、一枚一枚、微妙に表情が違い、均一性を求める日本人は色むらなどが気になってしまうので、あまり向いていないと、テラコッタタイルの模様をプリントしたテラコッタ風の磁器タイルやクッションフロアなどがよく使われているようです。
ただ、最近は日本でもインテリアにこだわる方も多くなってきて、素材感や風合いが、本物のテラコッタと似せたものでは全然違っているので、本物のテラコッタを選ばれて貼るお家も増えてきました。
本物のテラコッタタイルは、磁器タイルより厚みがあって、空気孔がたくさんあるのが特徴です。
左がテラコッタ風タイル。右が本物のテラコッタ。表面はよく似ているように見えますが・・・
裏を見ると、全く違います。本物のテラコッタは、裏も同じ感じですが、テラコッタ風タイルはやはり普通のタイルです。
次に横から見てみると、上がテラコッタ風タイルで下がテラコッタ。厚みも全く違います。
こんな風に本物のテラコッタとテラコッタ風のタイルは全然違うため、水分の吸い込みも速く、貼り方が異なります。
日本では、実際に本物のテラコッタタイルを施工された経験のある職人さんが少ないのが現実。
そのため、普通のタイルやテラコッタ風のタイルと同じように施工されてしまうと、イメージと違う仕上がりになるケースも少なくありません。
本物のテラコッタタイルの貼る時は、以下の点に注意するよう職人さんに確認して下さい。
1.まずはタイル割りをしましょう
テラコッタタイルを貼りたい場所に、どうやって貼るかイメージしながらタイルを並べていきましょう。
テラコッタタイルは、普通のタイルよりも厚みがあるため一枚一枚の間を少しあけ、目地幅を太めに入れます。
目地の目地幅の基本は、通常、タイルの厚みに合わせて決めます。
例えば、陶器タイルであれば厚みが3~5mm程度、磁器タイルの場合は8~10mm程度なので、目地も同じくらいの幅でいれます。
本物のテラコッタの場合、厚みが2~3cmと、陶器や磁器タイルに比べてかなり分厚いので、少し細くされる職人さんも多いですが、Handleで扱っているテラコッタの場合は、2㎝以上で太めに目地材を入れる方がオシャレに仕上がるとおススメしています。
2.テラコッタを固定します
テラコッタを室内に貼る場合と、屋外(土間)に貼る場合で固定の方法が違います。
室内に貼る場合は、コンパネの上に直接、コンクリートボンドやタイル用のボンドを付けてテラコッタタイルを固定します。
屋外の場合は、平らにする必要があるため、下地を塗って高さを調整し、ボンド代わりになるセメントを水で薄めたものを塗り込み、テラコッタを固定します。
その際、テラコッタと下地の間に隙間が出来ないよう、ハンマーなどを使って、軽く叩きます。
テラコッタタイルの表面は普通のタイルとは違って平らではないので、タイルと下地の間にすき間が空きやすくなります。すき間が空いたままの状態で上に乗ると、タイルが割れる原因にもなるので、しっかりと埋めるように押さえましょう。
3.目地材を入れます
タイルとタイルの間に目地材を入れます。
目地材の種類は施工環境や施工業者さんによって選ばれるものはいろいろあります。
例えば、床暖房の上に施工される場合、普通よりも乾燥しやすい環境のため、床暖房用に対応している目地材を使用されたりするので、施工業者さまの使いやすいもので施工してもらって下さい。
ココが重要!目地を入れる際のポイント
一般的なタイルに目地を入れる場合、タイル全体に目地材を塗りこみ、後からタイルについた目地材を拭き取って仕上げます。
テラコッタ風のタイルも一般的なタイルと同じように仕上げるため、本物のテラコッタを施工したことがない職人さんの場合、一般的なタイルと同じように施工されてしまう可能性がありますが・・・
本物のテラコッタタイルには、たくさんの通気口があり、タイルの表面がデコボコしていて水分の吸収もいいので、一般的なタイルと同じように、タイルの上から全体に目地材を塗りこんでしまうと、表面のデコボコに目地材が入りこんでしまい、仕上がりが美しくなりません!
写真のような感じでテラコッタの表面に目地材が入り込んでしまい、黒ずんでしまうことがありますので、絶対にやらないようご注意ください。。
目地コテを使ってください
本物のテラコッタタイルを貼る場合は、目地材をタイルの上から塗りこんでしまうのではなく、目地コテを使って目地幅にそって目地材を置き、押さえるようにして下さい。
4.仕上げです
目地幅全体に目地材を塗ったっら、スポンジに水を含ませて、余分な場所に付いた目地材をキレイに拭き取り仕上げます。
予め、マスキングテープで養生されていた場合、外してください。
番外編.テラコッタタイルのワックスについて
素焼きのテラコッタタイルは吸水性が高いため、一般的なタイルと違って汚れがつきやすいです。
汚れを風合いととらえて、アンティークテラコッタを作る感覚で使われる方には必要ありませんが、
汚れを気にされる方や撥水効果を求められる方には、テラコッタ専用のワックスを塗ることをおススメしています。
ワックスは施工前に塗られても、施工後に塗られてもどちらでも構いませんが、汚れ防止のためには施工前に塗られることをおススメします。
また、アンティークのテラコッタの場合は、もともと長く使われていたものなので、すでに汚れています。なので、特にワックスを塗る必要ありませんが、汚れ防止や撥水効果が気になる方、タイルに艶を出したい方はワックスを塗ってください。
5.完成です
目地材がキレイに乾燥したら、完成です!
最近では、日本の住宅でも多く使われるようになってきた本物テラコッタタイル。
テラコッタタイルの性質を理解し、施工することでオシャレで素敵な空間をつくることができます。
本物ならではの、温かみや風合いをぜひ楽しんでくださいね。
今回使用したアイテム
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中嶋 美幸
アンティークショップHandle編集ライター
短大で生活デザインを学び、そこで得た住宅の内装や家具の知識をもとに、Handleでお客様担当係を長く務める。
結婚を機に、愛知県に移住。現在、在宅スタッフとして、2人の子育てをしながら、リモートでHandleの編集ライターとして、アンティークに関する知識を中心に執筆中。
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アンティーク家具Handle
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