アンティークテーブルの塗装とテーブルクロスの選び方

酒井有紀子
酒井 有紀子
天然木を使った自然塗装のHandleのダイニングテーブル

アンティークのテーブルやデスクをご購入頂いたお客様から、
「テーブルにキズがつかないように、ビニールクロスを敷いた方がいいですか?」
とお問い合わせを頂く事がよくあります。

結論から言うと・・・ダメです!

テーブルで使うクロスの種類は、テーブルの塗装方法にも関係があるんです。
今回はテーブルの塗装とテーブルクロスについてお話しします。


なぜダメ?!テーブルの上のビニールクロス


テーブルにクロスを敷く場合は、テーブルの天板の塗装の種類によって、使うクロスを選ぶ必要があります。

家具の塗装の違いについては、 「家具の基礎知識!家具の塗装とお手入れの違いについて」で詳しくお話しているので、合わせて確認してみてください。

アンティーク家具のように天然木を使って自然の塗料で塗装してある家具は、実はテーブルの天板そのものが通気し、呼吸をしている状態です。

そのため、アンティークのテーブルの上にビニール製のクロスで覆うと、本来、天板の上下から通気するものが、クロスを敷いた天板の片面だけを密閉してしまうため、通気ができなくなってしまいます。
このことで、天板そのものの呼吸ができない状態になります。


ビニールクロスを敷いたテーブル

また、天板とビニールクロスの間に湿気がこもり、ビニールクロスが天板に張り付いてしまうことがあったり、テーブルの塗装が剥がれる原因にもなります。

さらに、天板の片面だけをビニールクロスで密閉していることで、通気できず、天板そのものの反りの原因にもなため、アンティークのダイニングテーブルにはビニールクロスは使わないことをお勧めしています。

ただ、どうしても食事の際はビニールクロス使いたい!という方は、食事のときのみの短時間だけならまだ可能です。食事が終わったらすぐにビニールクロスを外して、テーブルの通気をしてください。 また、その際は、ビニールクロスの上に熱い鍋やお皿などの直置きはしないようご注意ください。


ビニールクロス

もちろん、アンティーク家具だけではなく、現代の家具でも、天然木を使って自然の塗料で塗装したテーブルの天板では、ビニールクロスをお使いいただくことはおススメしていません。

逆に、ウレタン塗装の家具は、ビニールクロスを使っても問題はありません

分厚い化学系の塗膜で塗装したウレタン塗装の家具は、塗装をすることで本来の木材の呼吸を止めてしまっています。簡単にいうと、もともとビニールクロスで覆っているような状態です。

そのため、ウレタン塗装の家具にはビニールクロスを使っても大丈夫です。


どうしても気になる場合は、ガラストップもおすすめです。

天然木のテーブルの場合、本当は何も敷かずに使われた方がいいんですが、どうしてもキズが気になるという方には、ビニールクロスよりガラスの方がオススメです。


透明なビニールクロスと同じように、透明感があるので、天然木を杢目を楽しむことが出来ます。


ガラス天板のテーブル

ガラスなので、飲み物、食べ物がこぼれてもサッと拭くだけで、お手入れも簡単です。

ただ、長年、ガラス天板を乗せっぱなしにしておくと、ビニールクロスのように天板の塗料が剥がれることがあるので、時々、ガラスを外して空気を通すようにすることをオススメします。


advice

「天板をキズつけたくない」から、テーブルクロスを使いたいと思う方は多いと思います。

でも、テーブルは毎日、食事をするために使う「道具」。なので、キズも汚れも必ずつくと割り切って使うようにしないと、食事の度に気を遣うことになって、せっかく素敵なテーブルが逆にもったいないです。

天然の木を使って自然の塗装で仕上げたテーブルは、自分でメンテナンスすることも出来ますし、キズや汚れが付いた場合は、またピカピカに修復することが出来ます。

肌触りもよく、見た目も美しいので、何も敷かずにお使いいただいた方が楽しんで頂けます!



ランチョンマットやコースターは、必ず使ってください。


天然木の家具を使う場合、どんな塗装のテーブルであっても、熱いものや冷たいものが入ったグラスを置く際は、必ず下にランチョンマットやコースターなどを敷くようにしましょう。

ランチョンマットやコースターなどを敷かずに使用すると、どの塗装の家具でも必ず輪染みの原因になるので、ご注意ください。


ランチョンマットを敷いた天然木のダイニングテーブル

ランチョンマットやコースターなどはコンパクトサイズなので、使いやすく、汚れても一枚だけを洗えばいいので便利です。
食事が終わったら取り外して、天然木の質感を楽しみましょう!


アンティーク家具のテーブルにオススメのテーブルクロス


アンティーク家具や天然木の自然塗料の家具におすすめのテーブルクロスをご紹介します。 天然木の自然塗装の家具は、天板そのものが呼吸している状態なので、天板に乗せるクロスは、通気性がある自然素材のものを選ぶようにしましょう。


1.コットン100%のテーブルクロス

いろんなお店で一番手に入りやすいテーブルクロスが、コットン(綿)100%のものです。
綿は通気性が良く、汚れてもすぐに洗濯ができます。


コットン100%のテーブルクロスを敷いた天然木のダイニングテーブル

吸湿性と耐久性に優れている素材で、手触りが優しく柔らかいので、使い心地も良いです。
布地が丈夫なので長く愛用することができるますが、シワになりやすいのでアイロン掛けが必要です。


2.アンティークのクロス

アンティークのクロスは、もともと、アンティーク家具のテーブルの天板に使われていたものなので、相性がいいのは間違いありません。

昔に作られたものなので、化繊がつかわれていないため、非常に通気性がよく丈夫です。


アンティークのクロスを敷いた天然木のダイニングテーブル

レースや刺繍などが施されているものが多く、テーブルの上に広げると、とても豪華な雰囲気でお部屋を彩ってくれます。
手編みで編まれているので、生地が薄いわりにとても丈夫!汚れてもすぐに洗濯ができて乾きやすいので、使い勝手もいいです。


3.リネンのテーブルクロス

リネンは通気性がとても良く、何より乾きやすいのが特徴です。
特にリネン100%のテーブルクロスは、汚れも付きにくく、とても丈夫です。汚れる度にすぐに洗濯をしてもあっという間に乾くので、テーブルクロスにはもってこいの素材です。


リネンのテーブルクロスを敷いた天然木のダイニングテーブル

ただ、シワがよりやすいので、ピーンとしたテーブルクロスを使いたい方は、高温のアイロンで、じっくりアイロンがけをする必要があります。

シワが気にならない方は、干すときに伸ばして、そのままお使い頂けば、リネン特有のクシャとした感じで温かみのあるダイニングが楽しめます。

ガラス天板やテーブルクロスを使って大切に使っていても、毎日使うテーブルは、どうしてもキズや汚れが気になってくるもの。
大切なテーブルをもっとキレイに使うための、お家で出来る簡単なメンテナンス方法は、 「家具の基礎知識!アンティークのテーブルのお手入れ方法について」でもご紹介しているのでこちらも合わせてチェックしてみてください。


まとめ

テーブルクロスは、どちらかというと「天板をキズつけないため」のものではなく、ダイニングの雰囲気をイメージチェンジするために使うものです。

テーブルの天板の塗装はいろいろありますが、やっぱり本物の木の家具は、木の肌触りを楽しむことが一番!

塗装の違いを知って、自分にあうテーブル&テーブルクロスを選んでください。


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酒井 有紀子

アンティークショップHandle お客様担当主任

インテリアや家具に対する疑問や質問、不安に思うことなど、毎日、全国からかかってくるお客様の電話の生の声に対し、回答するため得た知識を、そのまま情報として発信している。
30年の主婦歴と、5歳の孫と過ごす日々で気付いた、インテリアのことを分かりやすく書くことをモットーに執筆中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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