アンティークのチャーチチェアはこんな風に修復します

水野慎太郎
水野 慎太郎
アンティークチャーチチェアの修復

はるばる船に乗って海を3ヵ月航海して、やっと日本に到着したチャーチチェア。
名前のとおり、教会で使われていた椅子は、たくさんの人が座っても大丈夫なように、構造がとてもしっかりして丈夫に作られたものたちばかりです。 でも、たくさんの人が座って、長い年月の間、使われてきたことで、グラツキが出てきたり、キズや汚れがたくさん付いていたり、塗装が剥げたり・・・

アンティークと言えども、椅子は椅子。
実際に座って使うことが出来て、初めて椅子として役に立ちます。

Handleでは、キレイで、お家で安心して使っていただけるように、修復・メンテナンスをしていきます。


届いた直後はキズや最初に今の状態をしっかり確認します。

ガタツキ、ぐらつき、手触り、汚れなどをまず確認し、修復開始です。

まず、椅子が組み上げられる前の状態に丁寧にチャペルチェアを解体していきます。


脚や背もたれトップやボックス、座面の部分など全て丁寧にバラバラにしていきます。

解体した状態での、パーツの状態でもダメージがないかを確認します。

当時の構造として釘をうっているので、その釘も丁寧にはずしていきます。

問題がないことを確認したら、接着面を丁寧にクリーニングし、木工用ボンドやニカワなどの接着材を入れしっかりと組み立て直します。

座面までのバランスを見ながら、仮組みをしハタガネなどを使い締めこみつつ座面をビスで固定していきます。最後にはみ出した接着剤をキレイにふき取ります。

ハタガネをつけたままで、しばらく乾燥するのを待ちます。


その後、トップといわれる背もたれ部分の一番上のパーツや、聖書入れがついているものはビスで取り付けていきます。

オリジナルの状態だと、多くは釘が使われているんですが修復の際には釘を使うことはせずビスを使って取り付けていきます。

釘を使っていた箇所などの穴はキレイにスティックワックスなどを補填をし、きれいにお直しをしていきます。


組み立て後に、水平台に上に椅子をのせてバランスを確認します。

木のクセや反りからどうしてもバランスがとれず、ガタツキが出る場合は 脚をカットして微調整しながらしっかりと座れるように水平を確認していきます。

ここから、仕上げ作業に入ります。


木で出来ているチェアなので、経年の乾燥や使用感でささくれなどがあったりします。

座面などをサンドペーパーを使ってサンディングしていきます。
キレイに整えることにより、あとから塗っていくワックスが塗りやすくなったり、お使いいただくときのケガを防止することにもつながります。

スチールウールにアルコールを付けて全体にワイピング(ふき取り)し、塗装面のクリーニングをしていきます。

座面についてしまっているシミなどはこうすることで綺麗に出来ます。


色落ちの激しいところは、顔料をシュラックニスで溶きながら、色を調合して塗りこんでいきます。

全体的に色入れが必要な場合は、座面の裏面から全体に出来るだけオリジナルに合わせた色でオイルステインで着色していきます。

全体的にキレイに整ったら、シュラックニスを刷毛で丁寧に塗っていきます。

しっかり乾燥をさせてから、最後に蜜蝋ワックスで磨きこみ塗面の保護と艶出しをして完成です!!


ピカピカになりました!
こうして、ひとつずつ工程を丁寧にしていくことで、また長く使っていくことができます!

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水野慎太郎

水野 慎太郎

創業明治36年、1903年から続く老舗家具屋4代目。
アンティークショップHandleオーナー。

小さい頃から囲まれて育ってきた、家具に対する知識と修復技術力は誰にも負けない自信がある。
30年後に日本の10人に1人がアンティーク家具を使っている文化を作ることを目標にし、日々、アンティーク家具の修復に奮闘中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13

【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41

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第521010008980号

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