アンティークの魅力たっぷり、オールドパイン材のチェスト

水野友紀子
水野 友紀子

私がアンティーク家具にハマってしまって、まず欲しくなってしまった家具がオールドパイン材のチェストでした。

オールドパイン材の家具って聞くと可愛いイメージが強いから、自分のキャラに似合わない!と言うことはわかっているんですが(笑)どうしても譲れない~。ぽってりとしたフォルムや、時を経て変化した木目の艶やあめ色。なんともあたたかくホッと出来る雰囲気が、やっぱり大好きなんです。

そんなパイン材の家具は、実は、マホガニーやウォルナット材などの、高級木を使った高額な家具に手が出せない階層だった農民たちのために作られた家具なんだって話を聞いてから、ますます好きになってしまいました。

安価で手に入りやすく、柔らかいから家具として加工もしやすいパイン材。高級木を使って作られた家具は高価で買えないけれど、美しい家具に憧れる人たちがまるで彫刻が施されたように漆喰で凹凸をつけたり、パイン材とわからないようにペイントして作られたからパイン材のアンティーク家具はアイテム数がとても少なくて、キッチン用以外の家具だとチェストくらいしかないんです。

こんな風に書くと、まるでパイン材で造られた家具がダメなように聞こえちゃうかもしれないんだけれど、逆に、安価で手に入りやすいパイン材で作られたからこそ、チェストの引き出しの中や底板など、見えない部分までも無垢材で仕上げてあるものが多いから、無垢材が大好きな日本の人向き(笑)!

わが家でもペイントのものをリビングで使っているのですが、脚のデザインもスッキリと真っ直ぐなストレートタイプから、可愛く丸い玉ねぎのようなもの、取っ手も木製はもちろん真鍮製や白い陶器製のもの、さらにガラスのものまでいろいろあって、それぞれにかなり個性があるのも魅力です。

私がアンティークを買い付けに行き始めた頃は、もっとたくさんのオールドパイン材のチェストが見つかって、結構、気軽に連れて帰ってくる事が出来たんだけれど、最近は、どんなに探しても状態のいいものが全然見つからなくなっちゃって・・・価格も高騰して高級材で造られたチェストより高額になっているくらい貴重な存在になりました。

これって、高級品が買えなくても、自分たちなりの個性を表現した人たちの「プライドが詰まった家具」が評価されるようになってきた証じゃないかな?と思っています。



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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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