アンティークのある暮らし ~大阪府 坂井さまのお家~
- 水野 慎太郎
ずっとお伺いしたかった坂井さまのお家
ずっとお伺いしてみたい!と思っていた大阪府の坂井さまのお家。コロナが落ち着いたので、やっと実現することになり、ワクワクしながらHandle号で出かけました。
地図を見ながら「ここら辺じゃないかな?」と角を曲がった瞬間、小雨が降る中、到着時間を見計らって、わざわざ曲がり角まで出て待っていてくれた坂井さま。
初めてお会いしたので顔も分からなかったんですが、すぐにお迎えに来てくれていることが分かりました!到着した瞬間から感動でした(涙)
今回、お届けしたのは、象嵌がキレイに入ったマホガニー材のアンティークガラスのキャビネット。
ダイニングの大きな掃き出し窓の横の空いているスペースに置きたいとのことでお選びいただきました。
幅はピッタリ!高さは坂井さまのご希望で、足を少しカットして少し低めに仕上げてからお届けしました。実際置いてみるとイメージピッタリだったようで、気に入って頂けて、ボクも満足デス。
「アンティークのキャビネットが届いたら、中に入れようと思っいたんです」
テーブルの上に、アンティークの陶磁器がたくさん並んでいたので、キャビネットを設置して早々に撮影を開始!
お気に入りのアンティーク食器たちを、テーブルの上からキャビネットに移動してもらう様子を撮影させて頂きました。
アンティークキャビネットの中に実際に入れてみると、それはそれはいい感じ!
キャビネットの中に入れて、アンティークガラスを通して見る陶磁器たちは、テーブルの上に置いてあった時より、なんだかより美しく、そして高級に見える☆
さらにキャビネットも、とっても嬉しそうです(笑)
アンティーク調で統一したリビング
キャビネットの撮影がひと段落したので、ダイニングの横にあるリビングスペースに移動。
ここは、アンティーク調の家具で統一された空間になっていて、以前、お届けしたテレビボードやセティ、パーソナルチェアにローテーブルがお揃いで置いてありました。
いつも食事が終わると、ここでテレビを見ながら、スマホをチェックされるそうです。
「パソコンでインテリア小物をいろいろ見るようになって、ハンドルさんを見つけました。
毎日、古いものが紹介されているので、毎日、チェックするのが楽しくなってしまって…カップ&ソーサーを選んだのが始まりでした」
お友達と一緒に楽しむ、普段使いのアンティーク
「2階も覗いてみていいですか?」とお願いして上がってみてビックリ!
3室ある2階の部屋には、いろんなアンティーク家具!!しかも、階段を上がってすぐ前の一番大きな部屋は、本がたくさん並んだ図書スペースになっていて、お友達が遊びに来て、ゆっくりくつろげるお部屋になっていました。
1階の撮影だけで充分だったので、もう帰ろる準備をしていたカメラマンを大慌てで呼んで、急遽、撮影会、続行です!
パーソナルチェアを4脚置いた図書スペースにはフロアランプとテーブルランプの間接照明を置いて落ち着いた雰囲気。
本棚の中は古い本がいっぱい並んでいて、ものすごく古い本も大切に置いてあります。
お母様が大切にしていたレシピ本など、それこそビンテージ本もいっぱいあって、ついつい読みあさって、何時間でも長居してしまいそうなお部屋です。
写真を撮るのを忘れてしまったんですが、この横にダイニングテーブルと椅子を置いて、これまたくつろげるスペースがあります。
「1階でも2階でも、どちらでも好きな方で、お茶をしながらお友達とお喋りしているんです」
ここでおしゃべりしていれば、時間を忘れてしまいそうです。
わざわざ1階まで行かなくてもお茶を入れることが出来るようにと、入り口のドアのすぐ横には、自作のお茶コーナーが作ってあります。
黒い小さな冷蔵庫の上にテーブルを置いて、お茶を入れるためのカウンタースペースになっていて、テーブルの上には小さなキャビネットを置いてお茶やティーポットなどの茶道具を。
テーブルの隣に置いたキャビネットにカップなどを収納。使いやすいコーナーになっています。
「遊びに来た友達にコーヒや紅茶を出すとき、アンティークのカップに入れてあげると、何も言わなくてもなんとなく特別な感じが伝わるみたいです(笑)
「いつ作ったもの?」とか「何が描かれているの?」とか、カップの絵を見ているだけで話が弾むんです。
「次は、どんなカップに入れてくれる?」と、お茶を飲みに来るのを楽しみにしているみたいです(笑)」
カップ&ソーサーはもちろん、坂井さまは雑貨の使い方もスゴク上手なので、勉強になる~
アンティークのシルバーの砂糖入れには、袋のままコーヒーシュガーを入れて。これだけで、なんだかお砂糖が特別なものに見えてきて、紅茶の中に入れたい気分デス(笑)
いろんな場所でアンティークを見つけることが出来る坂井さまのお家。
さぞかし昔から、アンティークが大好きだったんだろうなと思っていたんですが、実は、最初に選んだものは、意外にもアンティークではなく、バーレイ社のカップ&ソーサー。
その後、ホーンジーとウェッジウッドの陶磁器を選んだことから、アンティークの世界にハマってしまったそうです。
アンティークの陶磁器は、観賞用としてキャビネットの中に入れて眺めて楽しむ方が多いのですが、坂井さまは実用派!普段使いで楽しまれています。
昨年、仲のいいお友達と3人で、ずっと夢だった「三人展」を画廊で開催された坂井さま。
自分で絵を描かれることもあり、手描きのアンティークの陶磁器が特に気に入っていらっしゃるようです。
「スージークーパーやシェリーを眺めているだけで、なんだかため息が出てくるんです。疲れてイライラしているなと思った時は、アンティークのカップを眺めながら一息しています(笑)これからも一緒に時間を重ねていきたいと思います。」
ビューローブックケースと過ごす時間
「この机を眺める度に可愛いな・・・とため息ばかりついています」
書斎の奥待った場所に置いてあったのが、アンティークのビューローブックケース。
ここで、病院にいるお母さんの毎日の様子を綴る「お母さん日記」を書くことが日課になっているそうです。
可愛らしいメモ帳が置いてある机の上には、いつでも字が書けるようにボールペンがインク瓶に差してあって、まるでお店のディスプレイのようです。
「初めてアンティーク家具を見た時、大げさだけれどなんだか世界観が変わりました。まるで違う時代にタイムスリップしたような懐かしい気持ちになりました。」
と語る坂井さまにアンティークを好きになった理由をたずねてみると、
「手作業で作られた昔のものを使っていると、なんだか心が落ち着いてくるみたいです。近代的なものより、手作り感のある古いものの方がくつろぐみたい。」
その気持ち、よくわかります!こんな風に楽しんで使って頂けて、ボクも嬉しいです。
照明&小物の使い方
ここは寝室。入り口から入ってすぐの場所に、天板が天然大理石のウォッシュスタンドを置いて、デスクとして使われていました。
「お花がないとダメなんです。造花でもいいから、お花がお部屋にないと素敵にならない」
ありとあらゆるお部屋に、お花が置いてあって、とても華やかな雰囲気。しかも、照明の使い方がとても上手!
キッチンなど作業する場所はダウンライトなどの直接照明を。リビングや寝室などにはスタンドライトやテーブルランプがいろんな場所に置いてあって、間接照明を上手に使って癒される空間が作られていました。
コロナでしばらくの間、お客様のお家にお伺いすることが出来なかったけれど、今回、坂井さまのお家に伺って、自分流の使い方でアンティークを楽しむ坂井さまのお家を見せて頂いて、僕自身、とても勉強になりました。
何より、喜んで使って頂けていることが嬉しい!!
これからも、ガンバってピッカピカにキレイに修復して、全国のお客様のお家にお届けしたいと思います。
-
水野 慎太郎
創業明治36年、1903年から続く老舗家具屋4代目。
アンティークショップHandleオーナー。小さい頃から囲まれて育ってきた、家具に対する知識と修復技術力は誰にも負けない自信がある。
30年後に日本の10人に1人がアンティーク家具を使っている文化を作ることを目標にし、日々、アンティーク家具の修復に奮闘中。
-
アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41
古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号
記事をシェアする