「逆」の発想でイメージ通りのお家を造りましょう。

水野友紀子
水野 友紀子

最近、LINE@からよくご質問を頂くようになって、なんだか嬉しいな~と思っている私。どんなことにも大抵、お答えさせて頂くのですが、1つだけどうしても困る質問があります。

それは何も置いていないガラーンとしたお部屋の写真が送られてきて「このお部屋の壁紙に似合う家具はどれでしょう?」とか「この部屋に似合うインテリアは何ですか?」と言う質問。
こんなにムズカシイ質問はない!っていつも思っています(笑)

この壁紙に似合う家具?
この部屋に似合うインテリア??

私の中ではいつも不思議で仕方がない質問。と言うのも、以前お話ししたとおり、お部屋の雰囲気は家具が作るもの。置く家具によって、お部屋の雰囲気が決まるので、逆に何もないお部屋の壁紙に似合う家具やインテリアなんて選べるはずがないんです。
なので、しいて言えば・・・「どれでも似合います!」が正解です(笑)

この質問って、日本の家づくりの順番だと当たり前。だからイメージ通りの家が建てれないって言う方が多いんだろうな~と思うんです。
と言うのも、住宅の設計施工も行ってきた家具屋の私は、日本のお家の作り方は海外とは真逆だと言うことに気が付きました。

日本では家を建てる時、当たり前のように図面から入ります。その時点で、
どの家具をどこに置いて、どの照明をどこに、どれくらいの高さで取り付ける・・・みたいに、お部屋の中に実際に置く予定のインテリアを見ながら決めていくということは、ほぼありません。

日本の家づくりは、
家の設計は設計士さんが、
建てるのは工務店さんが、
キッチンやお風呂はシステムキッチンメーカーさんが、
照明器具やカーテン、壁紙は分厚いカタログの中の小さな写真を見ながら、最後に家の図面に描かれているサイズに合わせて家具を選ぶ・・・と言うことがほとんど。全てがバラバラです。
実物を見ながら頭の中でイメージを作るということは最後の最後まで(下手すると、家が出来上がるまで)ありません。しかも、全てのインテリアのイメージを分かってくれている人はお施主様以外がいないのが現状です。
だから「イメージ通りの家」が建つはずがないのは当たり前なんです。

海外の家づくりは日本とは真逆です。
古い家をリフォームしながら住む人が多いと言うこともありますが、日本とは正反対で、先に自分の好きな家具や照明など、インテリアを見つけて決めておき、自分の好みを分かってくれるパートナー(設計士や工務店さん)を探して図面を考え、全てをトータルコーディネイトしながら住空間を作りあげていきます。

もちろん、壁紙や床の色もインテリアに合わせて似合うものをセレクトしていくので、イメージ通りの家になるのは当たり前。お家=器を先に決めてからインテリアをあわせようとする日本のお家づくりとは順番が真逆なんです。

よく「家は3回建てると満足するものが出来る」と言うことを聞きますが、お家って一生に一度、建てるかどうかの大きなお買い物。実際に3度もお家を建てれる方って、そんなにいないと思います。

だから、1回目で出来る限り自分の描いているイメージ通りのお家を建てて、満足することが一番。そのためには、お家を建てる順番を逆にして、まずはイメージをしっかり作ってみてください。



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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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第521010008980号



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