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シャビーシックの定番グリアージュとは?フランス色のおしゃれコーディネート術

- 水野 友紀子
グリアージュとは
シャビーシックやフレンチカントリーのインテリアに置く家具として、代表的な存在のグリアージュキャビネット。
その始まりは18世紀のフランスで使われていた「garde-manger(ガルド・マンジェ)」と呼ばれるキャビネットと言われています。
当時は今のように冷蔵庫なんてない時代だったので、チーズやパンのような食べ物は、腐らないよう風通しのいい涼しい場所で保管されていました。
風は通しつつ、虫がつかないように、扉の部分に金網を貼ったgarde-manger(ガルド・マンジェ)と呼ばれる、パイン材やオーク材で造られた素朴なデザインの食料保管用のキャビネットが、農村や修道院のキッチンなどに置いて使われるようになりました。
19世紀に入ると、この戸棚はだんだん大型化。それとともに、シンプルだったデザインに、家具職人たちが装飾や曲線を取り入れるようになります。
こうして誕生したのが、見た目がとても美しい「armoire grillagée(アルモワール・グリアージュ)」と呼ばれるキャビネットです。
それまでは食品を保管するための庫としてキッチンやパントリーで使われていましたが、装飾が華やかになったことで、ダイニングに置く食器棚や寝室で使うリネンキャビネットへと発展!
ペイントで仕上げた華やかなフランスらしい色ものも登場し、素朴な実用品から、暮らしを彩るインテリアへと進化しました。
もともとは農村で使われていた素朴なデザインでしたが、やがておしゃれなフランス色でペイントされたものが、パリのアパルトマンでも人気を集め、飾って楽しむ収納家具として上流階級の邸宅にも取り入れられるようになりました。
今は、シャビーシックやフレンチブロカント、ナチュラルスタイルなど、ペイントのおしゃれなお部屋には欠かせないアンティーク家具のアイテムとして大人気です。
グリアージュの特徴
風を通す金網の扉
もともと食品棚として造られたグリアージュの扉は、風が通るように金網になっています。
風通りがいいのはもちろん、見た目がおしゃれ。
食品はもちろん、食器や洋服などを入れて、風通しよく清潔に使えます。
フランス色&デザイン

フランスらしいおしゃれな色でペイントされているものが多く、とっても華やかな雰囲気。
また、ガラスや木の扉ではなく金網になっていることで、太陽や電気に反射せず、中に入れたものもハッキリ見えます。
いろんなグリアージュ
本棚

ガラス扉よりも軽やかで、ほどよく中身を見せてくれるところが魅力のグリアージュキャビネット。
お気に入りの本や雑誌を入れても圧迫感がなく、むしろ「見せる収納」としておしゃれな収納を楽しんで頂けます。
通気性がいいので、湿気で本がこもらないところも安心ポイント。お部屋の主役になってくれる本棚です。
ワードローブ
グリアージュ扉が印象的な、フレンチアンティークのワードローブは、ほどよく中が見えるデザインなので、洋服やリネンを片付けてもまるでショップのように明るく軽やかな空間を作り出してくれます。
風通しがいいので、湿気が衣類にこもらず安心。
優雅な白のペイントと繊細な彫りの装飾がフレンチアンティークらしい、置くだけでお部屋の雰囲気が柔らかくなるワードローブです。
食器棚

フランスらしいやわらかなイエロー色が目を惹く、グリアージュ扉のキャビネット。
上段にはお気に入りのカップやグラスを、下段にはお皿やストックを並べて、見せながらスッキリ収納できます。
風通しがいいので湿気がこもらず、食器も清潔に保てて、コンパクトながら実用性とデザイン性を兼ね備えた、フレンチスタイルの食器棚です。
壁付けキャビネット

サイズはコンパクトなのに、存在感たっぷりのフランスのアンティーク家具らしいグリアージュ扉のスモールキャビネット。
金網の扉越しに中が見れるので、収納しながらも軽やかな雰囲気に。
お気に入りのティータイムグッズや小瓶、リネンなどを飾るように収納したり、思い出の写真やグリーンを置いて、自分だけの小さなディスプレイコーナーが楽しめます。
グリアージュを使ったコーディネート術
フレンチテイストが素敵な「グリアージュ」扉が付いた家具の使い方をご紹介します。
毎日の食卓がカフェになるダイニング
扉越しにふんわりと光を透かすグリアージュキャビネットは、ダイニングに置くだけで優しい雰囲気をまとわせてくれる存在。
お部屋の雰囲気にすっと溶け込み、まるでお気に入りのカフェのようなあたたかみを演出してくれます。
見せながら食器を片付けることが出来るので、使うたびにお気に入りの器たちが迎えてくれるような楽しさも。
通気性がよく、自然素材のうつわとも相性がよいのが嬉しいポイントです。
オールドパイン材のテーブルやいろんな色のキッチンチェアを合わせれば「外で食べるより、家がいい」と思えるダイニング。主役になるグリアージュと一緒に作りませんか?
人を招きたくなるリビング
友だちを招くとき、最初に目に入るのはリビングの一角。
今まで子どものものがたくさん入っていたキャビネットをグリアージュに代えて、お気に入りのものを並べた収納にすれば「ステキね」と思わず言いたくなっちゃう見せ場が作れます
白いペイントと木製の家具。そしてアイアンソファがつくるやわらかなフレンチカントリーのリビングは、おもてなしの場としてはもちろん、自分だけの小さなアトリエ気分が楽しめます。
和と洋が交わる「これからの和室」
正統派の和家具だけでまとめるのではなく、あえて洋のエッセンスをプラスした和室。
存在感のあるグリアージュの白いキャビネットは、意外にも畳との相性もよくまとまります。
落ち着いた和の雰囲気に、少しだけフレンチの軽やかさを加えた、これからの暮らしに似合う和室のコーディネート術です。
グリアージュのある子ども部屋
床に並んだ絵本やおもちゃの場所として使うグリアージュキャビネット。
金網越しにチラッと見えるお気に入りが教科書や参考書に代わり、数年後には本や趣味のものへ。
小さい頃からずっと使えるシャビーシックなグリアージュキャビネットなら、子ども部屋からワークスペース、さらに思い出を並べるギャラリーへと、そのまま使い続けることが出来る一台です。

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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
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第521010008980号
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