キャスター

水野友紀子
水野 友紀子

どこでもコロコロ自由に移動ができる便利なアイテム

今も昔も変わらずに便利に使えるキャスター付きの家具。 今では、キッチンやダイニングで使うワゴンや小ぶりなTVボードなどで使われていることが多いですが、 実はアンティーク家具では大きな家具にキャスターが使われていることも多いんです。

その中でも多いのが、当時は洗面台として使われていたウォッシュスタンド。 水を張ったボウルを家具の上に置いて、洗面ボウルとして使われていたので、 床や壁に水が跳ねて、そのあと家具を移動して掃除しやすくするためにキャスターがつかわれていたのでしょうか。

アンティーク家具に見られるキャスターは今のものと比べるとコンパクトで、存在感がなく、家具本来のデザインを決して邪魔しないものが多く見られます。 今のようにくるくる回転したりと機能的なものではないですが、キチンとメンテナンスを行い今でも当時と同じようにキャスターを回転させてて家具を動かすことができます。

その他にも、チェストやドレッサー、テーブルなど様々な家具にキャスターが使われています。 当時は、オーダーして造られた家具も多く、大きく、重量のある家具を移動する手段の一つとしてキャスターが取り入れられていたのではないでしょうか。 また現代と同じように、コンパクトなワゴンやサイドボードなどにキャスターが使われているものもあり、 今も昔も変わらない人々の生活スタイルを垣間見ることができます。




1930年代にイギリスで作られたウォッシュスタンドです。
このようなウォッシュスタンドにはキャスターが使われているものが多く見られます。 脚の先よりも小さなサイズですが、しっかりとキャスターを動かして移動することができます。




1930年代にイギリスでつくられたマホガニー材のドレッサーです。 このようなドレッサーにキャスターがついているものはめずらしく、小さなキャスターでマホガニー材の高級感はそのままです。




1960年代にイギリスでつくられた伸張式ダイニングテーブルです。
脚にキャスターがついているため、天板のサイズを変える際にも便利です。




1930年代にイギリスでつくられたオーク材のトロリー(ワゴン)です。 今でもこのようにキャスターがついているワゴンは多く見ますが、昔から今と同じように キッチンやダイニングなどで便利に使われていたのではないでしょうか。