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ウォッシュスタンドとは?アンティーク家具の選び方・使い方
- 水野 友紀子
ウォッシュスタンドとは、天板に天然大理石を使い、立ち上がりの部分に美しいタイルが貼られた贅沢な家具のことを言います。
洗面台の原型として、富裕層が寝室で使っていたアンティークでしか手に入れることが出来ないウォッシュハンドスタンドについてお話します。
Handle 水野 友紀子
wash stand
ウォッシュスタンドとは
ウォッシュスタンドとは、今のように水道が発達していない頃、寝室に置いて使っていた洗面台のことです。
水を入れた大きなジャグと洗面器を置いて、顔や手を洗ったり、歯磨きをして、身だしなみを整えるための家具でした。
水が飛ぶことを考えて、天板に天然大理石が使われているものや、立ち上がりの部分にタイルが貼られているウォッシュスタンド。
蛇口を回せば水が出てくる現代では、もう、必要がなくなってしまったため、造られることがなくなった、アンティークでしか手に入れることが出来ない家具です。
ウォッシュスタンドの歴史
英国紳士の身だしなみの
目覚めから誕生
正式には「ウォッシュハンドスタンド」と呼ばれる、ウォッシュスタンド。
イギリスでは、14世紀から石鹸の製造が始まりましたが、17世紀に入ると、石鹸を使って洗顔することが一部の人の間で習慣化されていきました。
1685年頃から19世紀の初めまで、英国紳士たちの間で髭剃りが流行し、身だしなみを意識することに目覚めた人々のためにウォッシュスタンドが造られるようになりました。
ちなみに、最初に造られたウォッシュスタンドは、1750年頃に造られた三本足の「ウィッグスタンド」=「かつら置き」とよばれる家具でした!
当時のウォッシュスタンドは、上段には洗面器を受ける金具、下の棚には水差しが置ける台が付いたもの。
この頃、ボールのように球の形をしていた石鹸をカップの中に入れて使っていました。
男性は髪粉をふりかけた、かつら(ウィッグ)を被っていたのですが、かつらを使わない時、洗面器を置く場所に置いていたので、ウィッグスタンドと呼ばれていたそうです。
時代が進むにつれて、ウォッシュスタンドの機能も工夫されていき、19世紀に入るとHandleでご紹介しているようなウォッシュハンドスタンドの形が登場します。
ヴィクトリアン期に入ると、ワードローブとチェストと同じく、ビクトリアンベッドルームスイートの必須アイテムの一つになったウォッシュスタンド。
ジャグ&ボウルを乗せるために、天板には天然大理石が使われ、水が飛んでも壁が濡れないよう、天然石やタイルを貼られた「スプラッシュバック」や「ウォッシュボード」と呼ばれる立ち上がりが付いたデザインになっています。
さらに、ミラーが付いたものや、タオルをかけておくためのバーが付いたもの、また、ジャグとボールを重ねて収納できる、背が高い扉の収納が付いたものが造られるようになります。
贅沢な素材を使った機能性やデザイン性にこだわりが感じられるウォッシュスタンドは、富裕層の間で親しまれる最高級の家具として普及していきました。
charm
ウォッシュスタンドの魅力
今は必要がなく、造られることがなくなったウォッシュスタンドは、初めて目にする方も多いアンティークの家具です。5つの魅力をまとめてみました。
point01
アンティークのタイル
ジャグから洗面器にお水を注ぐ際や、顔を洗った時、壁が濡れないように立てられたスプラッシュバックと呼ばれる、つい立に貼られたタイル。
アンティークのタイルは、昔、手作業で焼かれたものなので、独特の美しいデザインと色使いが魅力です。
現代のように、機械で焼いたものでは出てこない焼きムラや、微妙に変化したアンティーク独特の色。今は見ることが出来ない美しいデザインのタイルは、どれも魅力的!お部屋のアクセントとして、彩を添えてくれます。
point02
高級感ある天然大理石
お水をこぼしてもいいように、天板に使われた素材は、なんと!贅沢にも天然大理石。
現在は、天然大理石は、とても高級なので、人工の大理石が主流ですが、こんなに分厚く、しかも自然が作り出したマーブル模様は、一枚一枚の模様が異なり、同じものがありません。
風水学では、お金が貯まる象徴として、大切に使われてきた天然大理石。時代を経て、ずっと割れなかったマーブル模様&強度が楽しめます。
point03
アンティークのミラー
何台かに一台の割合で、見つけることが出来るミラー付きのウォッシュスタンドは、とても凝った装飾のものが多いです。
顔を洗って、歯を磨いて、髪をとかして鏡を見る・・・
使い手のことを考えて、特別に付けられたミラーは、もちろんアンティーク。今のものとは違って、厚みがあり、縁のカットがキラキラと輝くので、とても美しいです。
point04
便利に使えるタオルバー
時々、見つけるウォッシュスタンドの横に付いているバーは、タオル掛けとして使われていたもの。
金属のものや、木製のものなどいろいろありますが、現代の生活で使う場合、タオルはもちろん、キッチンでは、キッチンツールを掛けたり、リビングでは、S字フックを使ってカバンや帽子置き場にしたり・・・と、今の生活に合わせて便利に使えます。
point05 いろんな収納
ジャグとボウルを収納できるように、縦に長い扉がついているものや、洗った顔を拭くためのタオルが収納できるようにチェストになっているものなど、いろんな形の収納になっています。
昔の洗面台は、今はおしゃれな収納家具として、いろんな場所で便利に使って楽しめます!
How to use
ウォッシュスタンドの使い方
今では使うことがなくなったウォッシュスタンドの使い方はアイデア次第。現代の使い方でアレンジして楽しんでみましょう!
01
サブテーブル
として使う
洗面台として使われていたウォッシュスタンドの天板は、水に強い大理石がほとんど。
キッチンやダイニングなどで調理台として使ったり、料理をサーブするテーブルとして使うのにピッタリです。
02 電化製品を置く
タイルを張った立ち上がりが付いているので、熱にも強く、レンジやトースターなど、キッチンやダイニングで使う電化製品置き場にもピッタリです。
テーブルと同じくらいの高さなので使いやすく、無機質な電化製品もウォッシュスタンドの上に置くだけで、柔らかな雰囲気で楽しめます。
03
たっぷり収納
をする
ウォッシュスタンドは、収納家具としても大人気の家具です。
キッチンでは、カトラリーやカップ、お皿に料理本などを収納したり、チェストタイプはタオルはもちろん、リビングに置いてお洋服などをたっぷり収納することが出来ます。
いろんなものが収納できるおしゃれな家具として、実用的に使いましょう。
04 デスクとして使う
天板が広々しているウォッシュスタンドは、デスクとして使われる方も多い人気の家具。
洗面台として使われていただけあって、デスクやドレッサーとして使うのにちょうどいい高さです。
椅子を組み合わせてPCデスクとして使えば、毎日が楽しくなります。
05 玄関に置く
天板が天然大理石のウォッシュスタンドは、玄関に置く家具としても人気!
パッと目を惹く美しいタイルの模様はもちろん、風水学で、玄関に天然石を置くと運気がアップすると言われているので、玄関にピッタリの家具なんです。
コンソールテーブル代わりに、玄関に置くだけでお家全体がパッと華やかな印象になります。
collection
デザインで魅せる
ウォッシュスタンド
美しい木材×天然大理石×タイル。異なる素材が一つにまとまった贅沢で美しい家具、ウォッシュスタンド。 今までHandleに届いた、いろんなデザインのウォッシュスタンドをご紹介します。
1920年代 イギリス サテンウッド材
マホガニー材の木目と繊細なデザインのタイルが美しいウォッシュスタンドです。収納力もたっぷりで使い勝手も抜群です。
1920年代 イギリス マホガニー材
タイルに美しい絵が描かれているめずらしいウォッシュスタンドは、まるで絵画を飾っているような雰囲気。まさに絵になる家具です。
1910年代 イギリス マホガニー材
マホガニー材の木目と繊細なデザインのタイルが美しいウォッシュスタンド。ミラーも引き出しも、扉収納もついて使い勝手も抜群です。
1930年代 イギリス マホガニー材
赤と緑の落ち着いたオトナ色のタイルとマーブル模様が美しいゴージャスなウォッシュスタンド。ジャグ&ボウルを入れて使った大きな扉収納が付いています。
1930年代 イギリス マホガニー材
横長の大きなミラーが特徴的なめずらしいウォッシュスタンド。象嵌が入ったマホガニー材の家具の、美しさが際立っています。
1920年代 イギリス ウォールナット材
お部屋の角にピタッと入るめずらしいウォッシュスタンド。場所がないお家でも、お部屋の隅から華やかな雰囲気を彩ってくれます。
1930年代 イギリス マホガニー材
美しさの極みのような贅沢なマホガニー材のウォッシュスタンド。足元がスッキリしているので、デスクとしても使えます。
1930年代 イギリス マホガニー材
光が当たる度にキラキラと七色に輝くアンティークのタイルが美しいウォッシュスタンド。たっぷり収納できるチェストタイプです。
1920年代 イギリス オーク材
まるで、現代のユニットバスの洗面台のような、大きなミラーが3つ付いたウォッシュスタンド。なんと三面鏡になる鏡です。
1920年代 イギリス オーク材
驚くほど豪華な彫がたっぷり入った個性的なデザインのウォッシュスタンド。中央の扉にはサッカーをしている様子が彫られています。
styling
ウォッシュスタンドのある暮らし
今では洗面台としてウォッシュスタンドを使うことはなくなりましたが、いろんなお部屋でとっても便利に使えるんです。
styling01
キッチンダイニング
水に強いウォッシュスタンドは、キッチンやダイニングで、人気です。
パンやケーキなどを作る際の調理台として使ったり、ダイニングのサブブテーブルとしてお料理をサーブしたり、電化製品を置いたり・・・いろいろ便利に活躍してくれます。
styling02
リビング
ウォッシュスタンドには、デスクに使えるものやチェストタイプのものなど、いろんな用途で使えるものがいろいろあるので、リビング収納としてつかうのにピッタリです。
お部屋全体をパッと華やかにしてくれる便利に使えるリビング家具です。
styling03
和室
もちろん、畳の和室でも使ええるウォッシュスタンド。
自分流のおしゃれな使い方で、畳とアンティーク家具のコラボを楽しんでみましょう。
VOICE
お客様のウォッシュスタンド
千葉県 Aさま
あまりに素敵で息をのむほどの感動です。
美しいだけでなく、思いがけず引き出しがとても使いやすく収納力も十分でした。
以前購入した同じマホガニーのサロンチェアやネストテーブルともぴったりでとても美しい部屋になりました。
兵庫県 Tさま
青いタイルのウォッシュスタンド、とてもキレイで気に入っています!
1歳の息子も持ち手の装飾に興味津々、昔の人が美しいと感じたものに触れさせるっていいなって思いました。
使っているアンティークのドローリーフテーブルとの色もあって、とても可愛い部屋になりました!
栃木県 Tさま
ウオッシュスタンドですが今日届きました。
床の色とも合い、サイズも丁度良く玄関が見違えるように素敵になりました。
タイルもHPの写真通りでとても綺麗です。大理石の色もグレーにタイルのブルーが少し写って落ち着いた感じで素敵です。
東京都 Hさま
ウォッシュスタンドとても気に入りました。雰囲気、テイスト、サイズ等すべてイメージ通りで大満足です。
縁あって我が家に、私のところにやって来てくれたことをとても喜んでいます。大切にします。これからどういうSTORYを作っていけるのかとても楽しみです。
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
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