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アンティークのガラスと一緒に花を楽しむ暮らし
- 水野 友紀子
お花が大好きの母のおかげで、小さい頃からいつもお家の中にお花があった私。
私にとっては何気なく身近な存在だったから気がつかなかったんだけれど、家具屋に嫁いでお店をディスプレイしている時に、お部屋を素敵に見せるときに絶対に欠かせないものが「お花」だったんだということに気が付きました。
お花と言っても私の場合、生け花とかアレンジメントと言うわけではなく、スーパーで買ってきたり花壇に咲いているお花を、気取らずとりあえずアンティークのプレスドグラスに一輪挿すだけ。
たったそれだけのことで、お部屋に入る度になんだかワクワクしてくるから不思議です。
Handle 水野 友紀子
私は、そんなに深く考えず、お花屋さんで見て「可愛い」って思ったお花を、家の中に飾るようにしています。
疲れたときにはスーパーのレジ横で見つけたお花だったり、何もない時は花壇にちょこっと咲いていたものを飾ったりするんだけれど、それでもやっぱりお部屋を彩って、心にちょこっとゆとりをくれます。
キッチンは、私だけの場所。だから1輪でもいいから自分のためにキッチンフラワーを飾るようにしています。
いつも指定席はココ!窓のすぐ横です。
毎日、ゴハンを作りながら「疲れたな・・・」と思った時、窓からの光を通してキラッと輝くプレスドグラスとお花を見るだけで「ガンバロウ!」って思えるんです。
私は時間がないので、ゴハンは見た目重視!視覚でどれだけ「美味しそう~」って思ってもらえるか勝負なので(笑)テーブルの上をパッと華やかに色を添えてくれるお花は欠かせません。
イギリスのテーブルコーディネイトでは1人に1個、小さなプレスドグラスの花器を使ってお花をセッティングするそうなんだけれど、私にはちょっと無理(笑)
なので大きな花器に花壇でミントを取って入れただけ。それだけで色を添えてくれるんです。
以前、友人から「お花は悪い気を吸ってくれるから枯れていくんだよ」と教えてもらったことがあるんです。
ただの迷信だと思うんだけれど、それ以降、みんなが集まる場所、リビングにお花を欠かせなくなりました(笑)
玄関はやっぱりお家の顔。だから、いつ、誰が来てもいいように、いつも玄関にはお花を飾っておきたいなと思っています。
憧れは大輪のバラ!…なんだけれど、実際は野球少年の道具が溢れてるので、ちょっとムズカシそうです(苦笑)
子ども部屋のデスクには必要ないけれど、私が仕事するデスクには出来る限り置いておきたいなと思っているお花。
朝早く起きて、パソコンを開いた時に「おはよう」って挨拶してくれている気がして、清々しさが違うんです。
寝室のベッド脇やソファの横にお花を置くことが出来たら、一番の贅沢じゃないかな・・・っていつも思うんです。
寝る前にベッド脇で咲いているお花の香りを楽しめたら・・・と思うけれど、子どもと一緒に寝ている間は、まだまだ無理そう・・・
手のひらサイズの花器って可愛いんですよね。
お花を一輪挿すだけであっと言う間に癒やされちゃうんだけれど、もともと英国でテーブルをセッティングする時、1人に1個ずつ置く「1人用の花器」として作られたって話を聞いた時、なんだか素敵だな・・・って思ったんです。
同じように見えるんだけれど、脚が付いたものは「Sweetmeat&Jelly Glass」と呼ばれる、甘いお菓子やデザートを入れるための器。
イギリスの人はババロアやムース、カスタードが好きだから、ここに入れて楽しんでいるみたいです。
キャンドルスタンドも、ロウソクを挿して使わないときは花器代わりに
もともとは、まだ電気が発達していない時代に、ドレッサーの両脇でお部屋を照らすアイテムでした。
食卓で使われていたグラスは、形で細かく分類されるんだけれど、「テーブルグラス」か「ドリンキンググラス」でOK。
お花を挿せばさらに「フラワーグラス」と名前を付けたいくらい可愛いです。
昔の人は、こんなバスケットに入れてお買い物していたんだろうな・・・って思っちゃう、可愛いバスケット型のアンティークプレスグラス。
花壇に咲いたビオラを挿すだけでパッと華やかです。
ガーデニングの国だけあって、英国に買い付けに行ったとき、数多くあるアンティークのガラスのアイテムの中でも、お花を生けるための花器は特に数が多くて、たくさん見つかるんです。
いろんなサイズがある中で、一番気軽に使えて便利なサイズ。特に英国らしいなって思える脚が付いた「セロリーベイス」と呼ばれるプレスドはおススメです。
実はもともと花器として作られたものではなくて、食卓で食べるセロリを立てるためだけに作られた器!日本では考えられないけれど、どうやら昔の英国人は生のセロリにお塩を振ってポリポリ食べるのが好きだったようです(笑)
脚が付いてちょっと豪華に見えるセロリーベイズ。
下にお水を入れてセロリを立てておいた食器は、お花を入れるのにピッタリなんです。脚のおかげでオシャレに見えます。
口の部分が開いたデザインのセロリーベース。
ここにセロリを入れて食卓でみんながお塩を振りながらポリポリ・・・セロリ嫌いの私にはビックリです。
いろんな形の花器がたくさんあるのは、さすがガーデニングの国!
この大きさは1輪だけ入れても、たくさん入れてもどちらでも使えて使い勝手バツグンです。
私には一年に2回、大きな花束をもらう機会があります。それは誕生日と結婚記念日。
いつも使うわけじゃないけれど、大きな花束をもらった時に絶対に必要なのが大きなサイズのプレスドグラスの花器です。
中にはガラスで作られた花留めが付いているレアな花器もあるんですが、挿すだけであっという間に素敵に、そして少ないお花の量でもボリュームアップして生けることが出来る最強アイテム。
なかなか見つからないだけに、見つかった時はなんだかいいことありそうってテンションが上がるんです。
大きなサイズの花器の中で、まれに見つけることが出来るガラスの花留めが付いているもの。
割れずに残っていてくれただけで、なんだか感謝の気持ちでいっぱいです。
花留めに挿すだけであっという間にふんわりと素敵にフラワーアレンジメントが楽しめちゃうんです。
生け花のように剣山を使わなくても簡単だから、ズボラな私向きです(笑)
大きなサイズは花器として出番がない時でも、結構、便利に使えちゃうんです。
こんな風にワインクーラーやジュースなどを冷やしてオシャレに使って下さい。
30個・・・いや、50個に1個くらいの割合で見つかるレアなアンティークのガラスが色が付いたもの。
透明なガラスの中でアンバーやグリーン、薄いパープルに爽やかな水色などのガラスを見つけると、それはそれはテンションが上がっちゃうんです(大笑)
光にかざすとガラスのキラキラに加えて色がキレイに映えて見える、個性的でおシャレなアイテムです。
挿し色としてお部屋のアクセントにもなるので、好きな色のアンティークガラスが見つかったら、ぜひお部屋に取り入れてみてください。
ピッチャーってなんだか可愛いんですよね。日本語にすると「水差し」
それだけにお水やミルクなどいろんなものを中に入れて使えるから花器にもピッタリです。
大きさもいろいろあるピッチャーは、ミルクティー用の小さなものから、英国のどこの家庭にも2,3個あるウォータージャグやシンプルなデザインのレモネードジャグまでいろいろ。もちろんオシャレな花器として絵になります。
色の付いたガラスを使うと、同じお花を生けてもなんだかイメージがガラッと変わるんです。
お花に合わせてガラスの色合わせを楽しんでみませんか?
私は、買ってきたばかりのお花をなかなか短く切ることが出来なくて・・・(苦笑)
なので、同じお花を花器を変えて2回楽しむようにしています!
買って来たばかりの時はあまりカットせずに出来るだけ長いまま大きな花器に生けてしばらく楽しんで、その後、切り戻しをした時に、思い切って短くカットして違うプレスドグラスに入れると、また全然違った雰囲気に!
同じお花なのに、雰囲気もイメージも全然違って2倍楽しめちゃうんです。
いつも雨が降る時期になると花壇に咲く大きな紫陽花。あまり好きじゃなかった梅雨を楽しみな季節にしてくれたのは、この紫陽花のおかげです。
小さなお花がたくさん集まっている大きな紫陽花。1輪を大きな花器に挿しただけでも、十分楽しめる存在感があります。
大きな紫陽花をたっぷり楽しんだら、お花の部分だけを小さくカットして水に浮かべています。
選んだのはアンティークのゼリーモールド。ゼリーだけじゃなくて前菜やデザートをかたどって食卓をカラフルに彩るための裕福な家庭のステイタスシンボルだったんです。
鮮やかな色のラナンキュラス。丸いお花の形が大好きな私は、いろんな色を組み合わせて選んできます。
パワーが欲しい時はビタミンカラーのオレンジ。
お水を入れて使っていたウォータージャグにそのままザックリ入れただけなのに、なんだか元気が出てきます!
咲き終わりでも、まだまだ諦めません!(笑)
お花の部分だけをカットして水に浮かべます。これだけで十分キレイ。
使ったのはアンティークのコロネーションプレート。エリザベス2世のクイーン即位を記念して作られたものです。
匂いが大好きなスイートピー。お花屋さんに並ぶと「春だな~」っていつもワクワクさせてくれるお花です。
いつも行くお花屋さんがちょっと古くなって販売できなくなったものをたくさんくれるので嬉しい~!最初はカットせずに長いまま見た目と香りを楽しみます。
十分、香りを楽しんだ後は、バッサリ短くカットして小さなリキュールグラスの中へ。
小さなグラスをたくさん並べるだけでなんだか可愛いんです。最後の最後まで楽しむのがワタシ流(笑)。
アネモネは1つだけでも存在感のあるお花。この形、もう大好き!
アネモネだけはなんとなく長いまま使えないから、先をちょっとカットして、よく使う花器の中に、まとめてそのまま挿します。可愛い形でお部屋がパッと明るくなります。
ちょっと気分を変えたくなったら、いろんな長さにカットして、小さなプレスドグラスに1本ずつ小分けして入れます。
高低さがついてお花に動きが出てきて、一気におシャレ度がUP。ドレッシングチェストの上で使われていたビューティーセットのトレイの上に乗せるとさらにキラキラ輝きます。
春が感じられる桃の花や桜などの枝モノが、一番カットしにくいんです~(笑)
生け花に使ってもいいんだけれど、最初は長いまま大きな花器に挿して枝の動きを楽しみます。
お花が咲いたら短くカットして、小さなアンティークのプレスドグラスの中に。
大きな枝モノも、小さくカットして入れるだけでなんだか可愛い雰囲気に。キラキラ輝くアンティークのガラスでお茶の時間を楽しみましょう。
基本のお手入れだけ押さえておけば、誰でもカンタンです!以下のことだけ心がけてお花を楽しんでみてください。
お花の基本はお水。特に、夏場など暑い時は、氷などを入れるとお花が長持ちします。
最近はお花を長持ちさせる切花鮮度保持剤もたくさんあるので、使ってみてください。
球根系のお花やガーベラ、ひまわりなどはお水が汚れやすいのでお水を少なめに入れてこまめに入れ替えましょう。
お花をお家にもって帰ったら、なんだか元気がない・・・そんな時でも、「水切り」をしてあげればあっという間に元気になります。
水中で茎を斜めにカットするだけ。茎の断面が斜めになった分、水を吸う面積が広くなって、水を吸い上げやすくなります。慌てず落ち着いてナナメにカットしてみてください。
お水に浸かってしまう部分の葉っぱは、とても腐りやすく、お水を汚す原因にもなるので、必ず全部取り除きましょう。
元気がなくなった葉っぱも、なんだかもったいない気もするのですが、全部取り除くことでお花が長持ちします。
長持ちさせるために、定期的に「切り戻し」をしましょう。
茎が水に浸かったままだと腐敗して水の吸収が悪くなります。切り戻しすることで、茎を清潔にしておく効果があります。
また同じお花の雰囲気を変えることも出来るので、こまめに行いましょう。
庶民の憧れだったガラスのこと
今は食卓で当たり前に使っているガラスですが、昔の人にとってガラスはとても高級品。熟練した職人さんが一つ一つ手作業で作る吹きガラスが主流で、庶民に手が出せるものではなかったんです。
それが1900年代に入って、溶解したガラスを型で型押し(プレス)して作られるガラスの技術が開発され、1930~1940年代にかけて、それまでガラスに憧れ続けた庶民の要望に応えるように、いろんな形のものがたくさん作られ、一般の家庭に普及していきました。
それが「プレスガラス」や「プレスドグラス」と呼ばれるガラスです。
冷たくないガラス「プレスドグラス」
プレスドグラスは型押しで作られているので、それまでの手吹きガラスと比べて形もキレイに整っていて、厚みがあります。
もちろん現代のように強化ガラスなどは存在しない時代のものなので、割れないように分厚いというのが一番の特長。
私たちが普段使っているガラスは、中に冷たいものを入れて持つとヒヤッとしますが、アンティークのガラスは厚みがあるのであったかいガラスと言われています。
ガラスの成分も現代のものとは違っているから光を通した時のキラキラ感が全然違うし、まだそんなに機械が発達していない時代のものなので、気泡が入っていたり、少しゆがんでいたり・・・それがぬくもりを感じさせてくれます。
ふたが付いたガラスのケースにもいろんなものがあるんだけれど、その中で、一番アンティークらしいなって思うのがパフケース。実はおしろいを入れておくための器なんです。
昔はドレッシングチェストの上に、パフケースと蜀台がトレイに乗せられて置かれていたんだけれど、ガラスで出来たお化粧道具って言うだけで女性はみんなドキドキです。
→フタ付きケースを見る
見つけた時に超ラッキーだと思うのがシルバーの花留めが付いた花器。
背が低くてコロンとした形がとっても可愛いんだけれど、お水を入れて花を挿すだけであっという間にアレンジメントの出来上がり!
お花を入れるのはもちろん、ポプリなどの芳香剤などを入れても使えます。
→フラワーベースを見る
クリスマスのシーズンになると、このケーキスタンドは私の必須アイテム。ここにオアシスを乗せてリースを作って、クリスマス気分を楽しんでいます。
普段はアクセサリー置き場などに使っているんだけれど、もともとはホールケーキを乗せて使うための場所。テーブルコーディネイトの中心として華を添えるセンターピースとして使われていた贅沢な器です。
→ケーキスタンドを見る
大きなスプーンとフォークのセットはサラダ用・・・だなんて、まるでおとぎ話の中の話みたいで、なんだか使えない~!と思っていたんだけれど、実際に使っている方がいてビックリ!負けじと私も購入しました(笑)
最初はドキドキだったんだけれど、使ってみると意外に便利。しかも、こんなに長く割れずにいてくれただけあって、意外に強いんです。何より使っている間、自分に酔いしれる時間が好き(笑)
→カトラリーを見る
キャンドルスタンドって、食卓で使われていたイメージが強いんだけれど、実は、ガラスのキャンドルスタンドは、ドレッシングチェストの上で使われていたものなんです。
ミラーの両脇に置いて鏡をキャンドルの灯りで反射させてお部屋を明るくする効果もあったので、アンティークのドレッシングチェストにはキャンドル置き場まで作られているんです。
→キャンドルスタンドを見る
個人的に大好きな器がゼリーモールド。
私はゼリーが大好きで、こんなに大きな型でゼリーが作れたら、どんなに幸せだろう?っていつも思っていたんだけれど、実際にお客様で大きなゼリーを作った方が写真を送ってくれて大興奮(笑)
昔は裕福な家庭で、ゼリーはもちろん前菜などを模って食卓を彩るために使っていたステイタスシンボルって聞いてから、ますます大好きになりました。
→テーブルウェアを見る
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
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