今回の英国さんぽは、見どころたっぷりの人気の観光地Tatton Park(タットンパーク)をご紹介します。
ロンドンから2時間ほどのリヴァプール東にあるWarrington駅(WBQ)で下車して、バスを乗り継ぎ、Clamhunger Laneという停留所で降りてから徒歩15分ほどでゲートに到着します。
以前、ご紹介したLymePark(ライムパーク)から車で40分くらいで来れる場所にあるので、せっかくだったら、まとめて一緒に回ってください!と言いたいところ。
・・・ですが、ハンパない広さ!入り口の門をくぐって、お家の玄関までが1時間くらいかかるので、とても広すぎるので、まとめて1日で回ることは出来ないと思います・・・(汗)
- トップページ
- アンティーク買い付け日記
- イギリス観光のおすすめ!タットンパーク「Tatton Park」
イギリス観光のおすすめ!タットンパーク「Tatton Park」
- 水野 友紀子
タットンパークは、庭園だけで50エーカー!ちなみに10エーカーで東京ドーム1個分の広さなので、東京ドームが5個分のお庭(大汗)
そして、シカの保護地域にもなっている1000エーカーの敷地。さらに動物農園やヒツジ、豚の放牧場まであって、エジャートン家の邸宅まで見れます。
お散歩やサイクリングをする方は無料なので、パーク内には家族連れや犬の散歩をする方、サイクリングをする方がたくさん訪れています。もちろん、私たちは車で訪れたんですが、車の場合は一台につき8~9.5ポンドかかります。
ここを訪れたのは春。なので、ポカポカの陽気の中、心地よくお散歩したいな・・・と思っていましたが・・・
イギリスらしい曇り空・・・(苦笑)
まぁ、これもイギリスらしさだなぁと思いながら、タットンパークのお話をしながら、おさんぽしていきましょう!
パーク内に入って、まず目に飛び込んできたのがコチラ。
イギリスでよく見るようなガーデニング?とはちょっと違うな??と思っていたら、畑!
タットンパークはもともと邸宅。なので、当時、育てていた野菜畑がそのまま残っていて、今も野菜が作り続けられています。
春なので、まだ植えたばかりの苗木もたくさんあって、これからどんな風に成長していくのかが楽しみ~!
野菜のほかに果物の木も植えられていて、すくすく育っている野菜や果物、木々を見ながらお散歩しているだけで、なんだかエネルギーをもらえそう~。
野菜畑を歩いていると、作業途中の手押し車がそのまま置いてあって、日本にいる気分(笑)
なんだかゆったりと時間が流れているような感じがして、旅の疲れが少しずつほぐれていくような気分になります。
ここでは、何の野菜が育てられているんだろう??
同じ野菜でも、なんだか日本とはちょっと様子が違う感じです。
畑を通っていると、目の前にイギリスらしい赤いレンガ造りの塀が目の前に。
やっぱりレンガの塀って可愛い~!
うちの周りもこんな塀で囲んでみたいな・・・と思って近づいてみてみると、なんだか様子がちょっと違う感じがする。
レンガの塀の上に、何かが乗ってる??なんだろうと思って近づいてみると・・・
白い壺?!
写真では1個だけしか見えないんですが、実は、塀の上には、たくさんの白い壺が!
レンガの上に、こんなにおしゃれな飾りがと思っていたんですが、実は飾りではなく・・・煙突!?
壁の下の方に穴が空いていて、そこで火を焚いて壁全体を温めて、植物を育てていたようです。
カンタンに言うと、植物のための暖房。今までいろんな庭園や塀を見てきましたが、暖房になるレンガ塀というのは初めて。実際に使っている様子を見てみたいな・・・
壺に気をとられていましたが、なんだか熱い視線を感じる・・・
(笑)熱い視線の正体はこの子!さすがはガーデニングの国イギリスです。
後ろに回ってみると・・・
後ろ姿も可愛い~!
さぁ、先を急ぎましょう!
蓮の池を発見。なんだか日本っぽいな・・・と思ってみたら!
蓮の池の奥に、日本建築が遠くに見える~!
そう、ここはタットンパークの中でも、特に有名な日本庭園です。
タットン・パークの日本庭園は、1910年にロンドンのホワイト・シティで開催された日英博覧会で、日本の庭を見て。心を奪われしまったタットン公爵。
わざわざ日本から職人さんを呼んで日本庭園を造ってもらったそうです。
職人さんだけじゃなく、神社や鳥居、茶室などは、わざわざ日本から運んできたもの!
イギリスのお庭なのに、ちゃんと日本の紅葉が意識されていて、イギリスにたくさんある日本庭園の中でも特に人気の理由も分かる~!
ここでお茶が飲みたい気分だな・・・と思いながら、日本庭園を見て歩きました。
ちなみに、普段は日本庭園内には入れないんですが、ガイド付きツアーを入り口で申し込めば、庭園内に入ることが出来るそうです。
興味がある方は、入口で聞いてみてください。
また、庭園内で日本文化を紹介する「タットンパークミニ祭り」なるものが開催されることがあるそうです。なんだか嬉しい~
さぁ!見えました☆エジャートン邸宅です。
ビックリするくらいお庭の手入れが行き届いてて美しい~
ここが正面です。
1598年からこの土地に住み始めたエジャートン家。18世紀に改築した際、新古典主義様式が用いられた建物になったようです。
邸宅には、ナショナルトラスト最高の図書館があるんです。
さらに、イギリスの中で高品質の家具製造会社Gillows社の家具コレクションも!中を見るのがすっごく楽しみ~
と思いながら、振り返ってみると・・・
イタリア様式の庭園☆
さっきまでの日本庭園とは全く違う世界(笑)
「Maison Entrance」入り口を発見。さぁ、いよいよ邸宅内に・・・
まずは、こちら。なんとなんと、玄関ホール。
玄関だけでわが家が全部入りそう(笑)
バロック時代のアンソニー・ヴァン・ダイクや、ルネサンス時代のイタリアの画家、サルヴィアーティの絵画作品などなど、歴代の邸宅の所有者が収集してきたものを見ることができるんです。
暖炉の周りのマントルピースのデザインも、新古典主義様式。
そして、私の注目ポイントが、その前に置かれたスクリーン!暖炉を使わない時期は、こうやってスクリーンを置いて、中が見えないようにしているんです。
暖炉を中心にシンメトリーに配置されていて、鏡を中心に壁付けのシャンデリアが一対、そして、サイドテーブルが一対置かれていました。
雰囲気が大きく変わって、こちらはサロン。
大きな大きな鏡の反対側にももう一枚、大きな鏡があって、向かい合わせになっているので、鏡に鏡が映って、ただでさえ広いお部屋がめっちゃくちゃ広く感じる~!!
別方向から見るとこんな感じ。
広い割に、シャンデリアをあえて低く設置。わざと、鏡に映るようにしているようです。
少し低めにシャンデリアを設置して、大きな鏡に反射させることで、広く見せるだけじゃなく、お部屋を明るくする効果も!
そして、なにやら面白いデザインのドアを抜けると・・・
ため息が出るくらいに美しい書斎☆
どうやら、さっきのドアは本棚に見えるように仕上げたドア!
新古典主義時代は左右対称が好まれていたので、片方にだけドアが付いていると均衡が崩れるとのことで、本棚に見えるドアが造られたようです。すごいこだわりぶり(笑)
もう一回、ドアに近づいてみると、こんな感じ。右半分がドア、左半分が本棚。確かに、本物の本に見える~(笑)
ここには、およそ9000冊の本が所蔵されていますが、5000冊の本がこの書斎に所蔵されているそうです。
ラテン語、フランス語、イタリア語など多言語に及ぶ本がズラ~っと並んでいるんですが、最古の本は、なんと!1513年出版。読んでみたい~
本もすごいんですが、本棚にも注目☆この本棚はGillows社が1811~1812年に造ったものだそうです。
手前、左側に見えるめずらしい形の椅子は、上流階級や中流階級の女性が手芸をするために造られた椅子。
普通の椅子とは逆向きに脚を開いて、背もたれ側を前にして座っていたそうです。
書斎と言っても、本を読んだり仕事をするだけの場所ではなく、ゆったりとした空間の中で、いろんな活動ができるような造りのお部屋になっていました。
これまた素晴らしいインテリアのお部屋は、食事を食べるためのダイニングルーム。
ここにいるだけで、お腹がいっぱいになりそう~(笑)
ちなみに、食器はミントン製!これまたお腹がいっぱいになりそう~(大笑)
次にご案内するこのお部屋。その名も「レモンベッドルーム」
確かに、レモン色の壁紙が可愛いんですが、どうやら壁紙やカーテンを新調して完成したこの部屋を見て、
「まるでレモンだね!ここは、レモンベッドルームにしよう!」
と、後で名前が付けられたとのこと(笑)
本当かな?って疑いたくなるけれど、この壁紙の色も板壁の色も可愛いから、信じます(大笑)
こちらの寝室は、エジャートン卿夫人が使っていたお部屋。
19世紀初めに使われていた典型的な家具を使っているだけあって、私たちが買い付けてくるアンティークがそのまま並べられているようなお部屋になっているんです。
ある意味、感動☆このお部屋をまるごと全部、持って帰りたい気分(笑)
ちなみに、写真だけでもマホガニー材の家具だって分かる、一番右側の家具。なんだと思います??
これは、当時の・・・トイレ!マホガニーのトイレなんて、贅沢極まりない~☆
挽もの細工がとっても立派な階段を下りていくと・・・
暗くて長い廊下。そう、ココからは使用人の階です。
どんな場所かワクワク~
めっちゃくちゃ広いキッチン!!
銅製の鍋に鉄製のオーブンが見えます。ここで炭を焚いて料理を作っていたんですね。
この邸宅のキッチンには大きな窓があって、明るくてすごく気持ちがいい~!
大抵、こういう邸宅のキッチンは、半地下や地下にある場合が多いので、ここのオーナーが使用人のことをちゃんと考えてくれていたんだろうな・・・
こんなキッチンで調理が出来た使用人の人達も大切にされていたんじゃないかな?って思っちゃいます。
ここは、アフターヌーンティを用意するための小さめのキッチン。
白を基調としたキッチンで、壁掛けの時計や照明も可愛いくて、超ワタシ好み(笑)
見どころたっぷりのタットンパーク、いかがでしたか??
今回は、レモンベッドルームのイメージが強くて(笑)Handle流のレモンベッドルームをコーディネートしてみました(笑)
マホガニー材の家具を中心にしたレモンベッドルーム。
マホガニー材の赤茶色の杢肌と、レモン色の壁の色がよく似合います。
日本庭園を意識して・・・ちょっと和風のベッドルームも。
マホガニー材を使った寝室はコチラからご覧いただけます。
Tatton Park タットンパーク
住所:Tatton Park Tatton Park, Knutsford WA16 6SG, UK
電話:+44 1625 374400
HP: https://www.tattonpark.org.uk/home.aspx
-
水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
-
アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41
古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号