パリの三大蚤の市と言えば、「クリニャンクール」「モントルイユ」そして「ヴァンヴ」の蚤の市です。
3つの蚤の市の中で、どこが一番おススメ?と聞かれたら、個人的に私がおススメしたいのは絶対にヴァンヴ蚤の市。
三大蚤の市の中ではいちばん規模が小さくて、治安も悪くない場所なので、初めて蚤の市に行ってみたいと思う方には、まずはヴァンブがおススメです。
そんなヴァンブの蚤の市、どんな場所なのか、ちょっとお散歩してみましょう!
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【パリさんぽ】初めての方におススメ、ヴァンブ蚤の市
- 水野 友紀子
ヴァンブの蚤の市はパリの14区です。パリの中心部からアクセスもすごくよくて行きやすいし、治安も悪くないので歩いていても怖くない~!
街並みもキレイでこんな感じなんです。
一番近い地下鉄は13番線「Porte de Vanves」。
「② bd. Brune」と書かれた出口から地上に出て高架下に向かって歩いていきます。
看板が見えてきました!ここを曲がって進んでいくと・・・
ヴァンヴ蚤の市が見えてきます!
街路樹が続いていて、その下ににテントをはった露天がズラ~っと並んでいるので、お天気がいい日はぶらぶらと散歩しているだけで気持ちがいいんです。
初めてアンティークを買おう!と思っても、なかなか緊張しちゃうと思うんですが、その点、ヴァンブはお金もかからないし、青空の下の露天なので、日本で言うフリーマーケット感覚で気軽に見て歩けるからおススメ。
とは言え、いくら規模が小さいと言っても、お店の数は300近くあるので、じっくり見て回ろうと思うと2~3時間近くはかかります。
ちなみに、ヴァンヴ蚤の市の営業時間は土、日曜日の7:00~14:00になっていますが・・・さすがフランス!7:00に行っても開いていないお店だらけ(笑)
「朝早く行って、掘り出し物を探しましょう!」と書いてあるガイドブックも多いですが、好みに合うお店が開いていればいいのですが、そうじゃないと、まだ開店していない中で待っているのは不安・・・待っている時間ももったいないので、9時過ぎに到着すれば十分だと思います。
9時を過ぎる頃には、さすがにどのお店も開店準備を始めて、こんな感じでにぎやかな雰囲気になってきます。
ヴァンヴの蚤の市で見つけることが出来るアンティークは、食器やキッチングッズ、ビーズなどのフランスらしい可愛い雑貨から、照明器具、絵やドイリーなどの布物のアンティーク、手芸用品やお菓子の型などインテリアに関わるものが多のも特徴。
なので、私も買い付けに行ったとき、パリに立ち寄った際は、時間が合えば掘り出し物を探しにヴァンブに向かいます。
ちなみに、12時近くなると、逆にドンドンお店を閉めてしまうので、9:00~12:00までの3時間が勝負!
出来るだけ足早にいろんなお店を回りましょう!本気でアンティークを探したいと思っている方は気合を入れて回って下さい(笑)
さぁ、一軒目。ここはアクセサリー屋さんです。ピンバッヂがたくさん並んでいるんですが、私が見ているのはクリアファイル(笑)実は、このお姉さんが持っていたファイルの中にドイリーがたくさん入っているのを発見!
どちらかと言うと、アクセサリーに力を入れているお店だったので、ついでにたままドイリーが置いてあるって感じだったのですが、おかげでかなりお値打ち!
クリアファイルの中にキレイにたくさん入っていたドイリーをお姉さんにお願いして全部出してもらって物色中です(笑)
ヴァンブの蚤の市の中にある露天は3タイプに分かれています。1つ目は、私がドイリーを見ているこのお店のように、いろんなものを集めて置いてあるオールマイティー型。2つ目は、パッと見て何屋さんかが分かる専門店型。3つ目は・・・ダンボールの中に入れっぱなしのダンボール型です。
もう一軒、オールマイティー型のお店を発見。このお店ではミヤマンが陶磁器のお皿を物色中(のフリ?(笑)をしていますが、食器だけじゃなくて、隣りには絵やシルバー製品も置いてあります。
Handleでも人気のシルバーのカトラリー。クリニャンクールの蚤の市では、大抵セットできっちり揃っているものが多いので、高額なんです。
でも、ヴァンヴの蚤の市で見つかるシルバーのカトラリーは、セットで揃っているものは、あまり見つからなくてセットハズレのものが多いんだけれど、その分、安く手に入れることができるんです。
しかも、時には、めったに出会えないレアなアイテムが見つかることもあるので、私がドイリーを見つけたように宝物を探し出す楽しさみたいなものがあります。
ちなみに、このお店の奥のほうには・・・
タイルとかミラー、さらにアクセサリーも売られていました。
このタイル・・・欲しかったな~。さすがに重すぎるし、しかも全部を組み合わせて、どんなデザインになるのか見たかったんだけれど、枚数も揃っていないようだったし、組み合わせる時間がなかったから、あきらめました(涙)
でも、今見ても可愛いから、本当に可愛くて欲しい・・・
こんな風に、いろんなものを1つのお店で集める事が出来るお店が、オールマイティー型です。
そして、次は、2つ目の専門型。
マジメ?に物色している様子?の主人。彼が見ているのはフランスらしいシャンデリアです。そう、ここは照明屋さんです。
私の大好きなキラキラ輝くガラスのシャンデリアと壁付けのシャンデリアが、たくさん置いてありました。
フロアランプもあるから、かなり興奮!
この時、シャンデリア&壁付けシャンデリアをまとめて購入すると、かなりお買い得な金額を提示してくれたので「連れて帰ろう!」と思っていたのですが・・・主人が「重い」と言い始めてOKを出さず・・・(汗)
何度も何度も説得したのですがかたくなに拒むので、泣く泣くあきらめました。
このお店みたいに、置いてあるアンティークがハッキリと決まっているのが2つ目の専門店型です。
専門店型のお店は、お店を覗いた瞬間、何が売られているのか分かるんです。
ここはカンの専門店。いろんなカンやホウロウのアンティークが置いてありました。
専門店型のお店は、何が欲しいか決まっている方にはおススメ。例えば、このお店のようにカンが欲しいと思っていて専門店型のお店を見つけることが出来たら、たくさん種類があって選びやすいし、信用も出来るので安心です。
ここはメンスリー、手芸用品を扱う専門店。
フランスのアンティークの手芸用品って、女性には人気のアンティーク。気軽に買って日本まで持って帰れるので。蚤の市で何かアンティークを買おうかなと思っている方にはおススメのアイテムです。
どうやらこのお店は日本のガイドブックなどでも紹介されているようで、お店の入り口には日本語のガイドブックの切り抜きが貼ってありました。
お店のお姉さんも日本語で話しかけてきてくれて、コンディションもよくてキレイ~!
その分、価格は他と比べて高額ですが、観光で想い出に残るものを購入される方にはピッタリだと思います!
残念ながら・・・私たちには向いていないので、写真だけとって、握手をして帰ってきました・・・(笑)
こんな風に、専門店型のお店は、専門性が高いだけに安心して購入する事が出来るので、初めて蚤の市にチャレンジする方には専門型のお店がおススメです。
ただ、蚤の市で購入する場合、アイテム選びには気を付けるようにしましょう。例えば、私が買おうとしていた照明器具。とっても可愛いので気軽に購入して持ち帰る方も多いようですが・・・そのままでは使えません!
日本とフランスでは電圧もコードの太さも違います。また、アンティークのものは修理が特殊。なので、電気屋さんでもアンティークに慣れた方じゃないとお直しが出来ません!日本仕様にオーバーホウルしない限り使えないので、どんなにステキだと思っても、気軽に購入しないようにご注意下さい。
ちなみに・・・海外で購入されたアンティークの照明器具のオーバーホウルのお問い合わせを頂く事がありますが、修理だけのご依頼はお断りさせて頂いていますので、ご了承下さい。
そして、ダンボールの中に入れて、そのままドーンと出しているお店。
おそらく、その中にはいろんな掘り出し物があると思うのですが・・・私は掘り出しません(笑)
私がヴァンブの蚤の市に行った時は、オールマイティー型のお店で購入するようにしています。というのも、ヴァンブの蚤の市は旅行者の方向けの蚤の市。
なので、治安もいいので気軽にお店の人に声をかけることもできて、しかもクリニャンクールの蚤の市と違って、ここは値引き交渉がしやすい!(笑)
もともと観光客向けに価格を高めに設定してあるので、気に入ったものがあれば、ぜひ価格交渉してみて下さい。お店によって違いますが、軽い値引きだったら喜んでしてくれると思います。
ちなみに、価格交渉中の私(笑)
パリは物価が高いので、私がヴァンブで買い付けをすることはほとんどないんだけれど、それでも、欲しいものが見つかったときは、本気モードに入ります!
例えば、この時のターゲットはこのムッシューのお店。1つのお店でまとめて欲しいものがあるとなった瞬間に交渉に入ります。
1つのお店でまとめて買うことで値引きが出来るので、いつも欲しいものが見つかったら「お店のものを半分くらいを持って帰る!」くらいの勢いで選ぶのが私流(笑)まとめて「これ、全部、持って帰るから、まとめていくらにしてもらえる?」と聞くと、かなり安くしてくれるんです。
だから、お店選びはかなり重要。グルッと全体を見回して、欲しいものが多いお店だけに狙いを絞ります(笑)
しかも、狙ったお店の隣りのお店も巻き込んじゃう~(笑)
お隣さんにも欲しいものがあれば「ここにも欲しいものがあるから、これもまとめて全部持って帰りたい~」とアピールすることで、周りのお店も全部巻き込んで「この日本人、本気だぞ」と思わせることがポイント(笑)
そうなると、隣のお店の人もノリノリになってきて、商品をまとめてディスカウントしてくれるんです。私の得意技です(大笑)
でも交渉するためには「なんとなくフランス人は英語を話さないからフランス語じゃないと・・・」と思う方も多いと思いますが、最近は全然違うんです。
と言うのも、逆に英語を話したい人が多くなっているんです。特にパリでは、ちゃんと英語教育を受けた(特に若い)人は、逆に英語を使ってしゃべりたいので、英語で話しかけてきてくれます。
クリニャンクールでは、無理な値引きが出来ないので、ヴァンブではぜひみなさんもチャレンジしてみて下さい。
いくら英語が通じるといっても、せっかくなので、ヴァンブの蚤の市ではフランス語を使ってみましょう!
まず蚤の市で気になるアイテムに出会ったら、手にとって見る前に、まず一言お店のオーナーに話しかけましょう。
Bonjourを言わずに触るとムっとされることもあるので、必ず声をかけることがマナーです。
●Je peux le toucher?(ジュ プ ル トゥシェ:これ触ってもいい?)
●C'est combien?(セ コンビアン:いくらですか?)
●C'est cher.(セ シェール:高い)
●S'il vos plaît.(シルブプレ:お願いします)
●Merci!(メルシー:ありがとう)
これだけ言えれば完璧!いろんなものを見ながら楽しんで蚤の市の雰囲気を楽しんで下さい。
あっ!治安はいいのですが、スリはたくさんいます。絶対に肩掛けバックを持ち歩いてスラれないように気をつけて下さいね。
ちなみに・・・私は交渉中、都合が悪くなるとフランス語が分からないふりをします(笑)
しかも、一番多いのは日本語で交渉すること(大笑)
これが、結構、いい感じ?で通じている?んです~。 このお店のムッシューはとてもいい人だったので、かなり安くしてくれました。Merci!
ちなみに、ここはお店の裏側。お店の人は、みんなこんな風に車を停めて、左側の街路樹の並んでいる所にお店を出店しています。
前に大きな荷物を持って歩いているのは・・・ムーさん(笑)
私たち2人は、主人がダメと言ったシャンデリアが忘れられなくて、売れていないことを祈りながら、結局お店に戻って、無事にゲット!
重い荷物を抱えながらみんなのもとに小走りしているムーさんの苦しそうな後姿デス。重いシャンデリアをハァハァ言いながら持って帰ってきました(苦笑)
みなさんも、ぜひ、フランスに行ったときは、ヴァンブ蚤の市、楽しんでみて下さい。
ヴァンブ蚤の市 (Marchéaux puces Vanves)
住所 Angle avenue Georges-Lafenestre et avnue Marc-Sangnier 75014 Paris
開催日 毎週土曜日と日曜日 午前7時 - 午後2時00分頃
交通:メトロ13号線Porte de Vanves駅
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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