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東京都庭園美術館(旧朝香邸)で出会うアール・デコ様式とアンティーク家具の世界

- 水野 友紀子
アールデコと言えば、日本ではココ!「東京都庭園美術館」です。
今回は、「アール・デコ様式の美術品」と呼ばれる、1933年に建てられた洋館を利用した東京都庭園美術館をたっぷりご紹介します。
東京都庭園美術館とは
目黒駅から歩いて7分。都会の真ん中とは思えないほど緑豊かな森の中を歩いた先に見えてくる東京都庭園美術館とは、1933年(昭和8年)に朝香宮家の本邸として建てられた建物をそのまま利用した美術館のことです。
留学先のフランス、パリで開催された「アール・デコ博覧会」を見学し、すっかりアール・デコに魅了された朝香宮ご夫妻は、帰国後に自らの邸宅を建てる際、フランスのデザイナーアンリ・ラパンやルネ・ラリックに内装を依頼。
フランスの洗練されたアールデコデザインと、日本の職人の技術が融合して生まれた邸宅を東京都が買取り、1983年に「東京都庭園美術館」として開館しました。
それでは、中に入ってみましょう!
正面玄関
いきなり現れた門番(笑)玄関の両脇には立派な青銅で出来た狛犬!
アール・デコにちょっと不釣り合いな狛犬は、施主である鳩彦王のお気に入りで、本当は口に照明灯がつく予定だったそうです。
美しいアーチとあたたかな照明の灯りが出迎えてくれる車寄せの玄関ポーチ。
玄関ポーチに入ると、写真を撮る人たちでごった返しています。みんなが写真を撮っているのは、まさにここ庭園美術館のシンボル・・・!!
ルネ・ラリック作のガラスレリーフ扉!
足元にも宮内省内匠寮の大賀隆氏が手がけた見事な天然石のモザイクタイルが広がっています。
いきなりすごい作品にお出迎えされてドキドキしながら近づいてみると・・・
巨匠ルネ・ラリックがデザインした、翼のある立体的な女性像が4体、並んでいます。
もともとの予定は裸の女性像でしたが、允子妃殿下の希望を聞いたルネ・ラリックが、ギリシャ風の薄布をまとって翼を広げたような可憐な姿の女性像に変更しました。
船で日本に到着後、扉の設置にはとても苦労したガラス扉には、美術館開館当初から宮家時代に出来た亀裂が2カ所ありましたが、偶然、オークションに出品されていたレリーフと交換!
亀裂は、ご家族が帰宅した時に強く扉を閉めたことが原因とのコトで、現在は右手の入り口を使用するようになりました。
玄関の天井を見上げると、幾何学的なアール・デコ様式のペンダントライトを発見!
金属フレームとすりガラスを組み合わせた直線的でモダンな六角形のシャンデリアが、天井の四角いラインに陰影を作って、とても素敵です。
いよいよ、右の扉から建物の中へ。まずは1階の地図を見ながら、建物内に入ってみましょう。
1階 大広間
受付を通って中に入ると、まずは大広間。
主にダンスパーティーの待合室として使われていた落ち着いた雰囲気の大広間の壁はクルミ材の羽目板で仕上げられています。
奥側には、イタリア産の高級大理石が贅沢に使われた暖炉が設置されていて、上を見上げると・・・
天井にはアールデコらしい照明を発見!
格子縁の中に並んだ照明の数は実に・・・40個☆
一見、アール・デコらしい幾何学的なデザインに見えますが、実は日本のお寺などで見られる「格天井(ごうてんじょう)」がベース!
日本の職人(宮内省内匠寮)が設計し、木の格子の中に40個の半球状の照明を埋め込んだことで、直接照明のまぶしさを抑え、空間をフワッと照らすように計算されています。
大広間の壁面にはイアン・レオン・ブランショ彫刻のレリーフ。
フランス彫刻家の作品を、日本の宮内省内匠寮の職人が丁寧に組み立てて仕上げたもの。まさに日仏の美の競演です!
香水塔のある次室
大広間の横のスペースには、鮮やかなモザイク床。そして・・・香水塔?!
一体、なんのための場所?と思ったら、小客室と大客室をつなぐ役割を果たす次室。
大広間の落ち着いた雰囲気とは一転し、鮮やかな色彩のモザイク床に浮かび上がるのは白磁の噴水。
黒の漆塗りの柱と朱色の人工石の壁。丸いドームをはめ込んだ白い漆喰の天井が、窓の外の緑といい感じに溶け合って、アール・デコ様式らしい、活気に満ちた空間が創り出された次室です。
朝香邸のシンボル「香水塔」。
部屋の中央で、とにかく目立っている香水塔は、1932年にアンリ・ラパンが設計し、フランスのセーヴル国立磁器製作所で作られたもの。
「ラパンの輝く花瓶」と名前が付けられたこの白磁の噴水はただのオブジェではなく、上の部分にある照明の熱を利用して、名前の通り香水を温めるための装置です。
当時は水音とともに心地よい香りが部屋中に漂い、来客を「香り」でもてなしていたようですが、残念ながら、今は香りはしないので、どんな香りだったのか気になる・・・(笑)
森を感じる「小客室」
次室の奥にある扉から入ると少人数のお客様をお通しするための部屋「小客室」。
壁には、アンリ・ラパンがデザインした木々が描かれた美しい壁紙。
深い緑色の天然大理石で作られたマントルピース型のラジエーターカバーとコラボして、まるで静かな森の中にいるような空間に。
マントルピースの上には大きな分割鏡が設置されているおかげで、そんなに広くない小客室が広く感じます。
大客室
アールデコに囲まれた、お客様を迎え入れるための大客室。
このお部屋の設計はもちろん、主要な家具のデザインを任されたのは、アール・デコ展で大活躍したアンリ・ラパン。
ラパン一色のお部屋の奥には、先ほどの香水塔も見えて、とにかく美しい~!!
大客室に置かれたソファとテーブルのサロンセット。
丸みを帯びた優雅な一人掛けソファや、モダンな雰囲気の丸いガラスのセンターテーブルは、アンリ・ラパン自身が特別にデザインしたもの!
部屋の中から振り返ると、次室の香水塔が一直線に見えるように計算された美しいレイアウトです。
天井には、ルネ・ラリック作のシャンデリア「ブカレスト」。
幾何学模様のガラスパーツが重なって見える「ブカレスト」は、元々ルーマニアの宮殿のためにデザインされたもの。
アール・デコらしい階段状の直線フォルムと、天井に施されたジグザグ模様の漆喰装飾がコラボして、さらに素敵な雰囲気を醸し出してくれています。
壁面上部の木製パネルには、アンリ・ラパンが自ら描いた油彩の壁画。
木々が生い茂る森の中の庭園を背景に、アーチ状の建造物や神殿のような建物、噴水の水を飲むしか達が描かれていて、古代ギリシャ・ローマを思わせるクラシカルな要素と、アールデコの直線&曲線デザインが融合した風景になっています。
壁面はプラタナス材の化粧板張り。お部屋全体をより格調高く引き締めています。
幾何学模様が美しい、大客室のエッチングガラス室内扉。
マックス・イングラン作の銀色のフロスト加工が施されたエッチングガラスが嵌め込まれています。
ブロンズフレームとブロンズスプレー装飾が施され、左右対称にケシやチューリップの花が美しく描かれています。
また、扉の上部には鉄工芸家レイモン・スベスによる装飾的な鉄細工のティンパニ(半円形の装飾)が付けられています。
幾何学模様と花がデザインされた金属製のラジエーターカバー。
室内を彩る大理石のマントルピースに合わせて、実用的な暖房のパイプを隠すラジエーターカバーにも、アールデコを意識した幾何学模様と花の透かし彫りが宮内省内匠寮の職人たちによって施されました。
豊穣のモチーフが彩る「大食堂」
華やかな晩餐会が催された大食堂の家具も美しいアールデコ☆
テーブルも背もたれも細長いオーバル形。庭園を見渡す大きな円形の出窓と重なって、とても開放的なダイニングです。
壁にはイアン・レオン・ブランショがデザインした、植物をテーマにした銀灰色のレリーフが。
実は建設中に、このコンクリートレリーフがフランスから送られてきましたが、輸送中にひび割れてしまって、急遽、日本の職人が石膏で型を取り直し、銀灰色の塗料で仕上げたそうです。
テーブルの奥には、庭園を一望する大きなカーブを描くオーバル型のガラス出窓。
ダイニングテーブルや椅子のなだらかな曲線と同じようなデザインになっているところがスゴイ!
そして、窓の下には宮内省内匠寮の作品、ラジエーターカバーが。これもよく見るとダイニングルームらしく、魚や貝殻の模様がデザインされています。
テーブルの上に設置されたガラスのキャンドルスタンドのデザインもアールデコ。
小物まで徹底してアールデコスタイルなことに感動しながら上を見ると・・・
緩やかなカーブを描く天井と、スクエア型のガラスの照明器具!
この大きなガラス照明もルネ・ラリックの作品です。
デコボコして見えるんだけれど、一体、なんだろう?と思って近づいて見ると・・・
半円状のガラスパネルには、なんとなんと!パイナップルの型押し模様。
食事を楽しむ場所にふさわしく、パイナップルやザクロ、ブドウなどの果物が型押しされている豊穣を象徴するデザインだとか。
ダイニングにこんなデザインって、なんだかめっちゃ遊び心ある~(笑)
そして一番奥には、アンリ・ラパンの壁画「噴水と赤いパーゴラのある庭園」
巨大な油彩の壁画が飾られている下には、大理石の暖炉が。実はこれはラジエーターを隠すためのダミー暖炉!
壁に使われているフランス産の大理石をよーく見るとアンモナイトなどの化石が埋まっているからビックリです。
和の雰囲気漂う「小食堂」
ヒノキの板張りの天井と、日本の職人がデザインした和モダンなシャンデリアが吊るされた小食堂。
豪華絢爛な来客用の大食堂とは異なり、朝香宮ご一家が毎日の食事をとるための小食堂は、日本の建築様式やデザイン要素が随所に取り入れられています。
一段高くなった「床の間」や、ローズウッドとケヤキで作られた寄咳細工の床、さらに黒檀の縁取りで囲まれた日本の伝統建築を取り入れた造りになっています。
来賓化粧室
なんだかすっごくおしゃれな場所ですが、ここはお客様が使用する「来客用化粧室」。
コテ跡を大胆に残した表情豊かな塗り壁に、柔らかなアーチ型のアンティークミラーとアイアンの飾りがついた窓と照明が設置された化粧室です。
鏡の上に設置された幾何学模様のフレームが美しいブラケットライト。
直線と曲線を組み合わせたアール・デコデザインのブラケットライトからの灯りが壁面に反射して、ムーディーな雰囲気を作ってくれます。
階段状のデザインと透かし彫りのアイアンワークが目を引く装飾窓。
アイアンワークでデザインされたバラなどの植物模様の窓から入る自然光で浮かび上がって見えて、まるで一枚のアート作品のようです。
第一階段を上って2階へ
家の中心にあるこの第一階段を上って、ご家族のプライベート空間になっている2階へ。
コの階段を境に、1階のフランス風アール・デコ様式から、2階の日本風アール・デコ様式へと変化します。
赤い絨毯が敷かれたふかふかの階段を上っていきましょう。
大広間から上がるこの階段のステップ、手すり、そして壁の下半分を覆う腰壁に使用されているのは・・・大理石☆めっちゃ贅沢仕様です。
階段の手すりの装飾にいは、アール・デコ様式らしいジグザグ模様。
階段に沿って施されている金属細工は全てブロンズです。そして、階段を明るく照らす大きな窓には・・・
直線的な模様が入ったリーディングガラスと、モダンなブラケットライトが。
幾何学的な窓枠に合わせて、照明も直線的でモダンなブラケットライトが選ばれていて、そこに優雅なドレープを描くカーテンが組み合わさることで、直線と曲線のコラボがなんとも優雅で美しい~
折り返すと、2階に見えてくるのは一体、何?!
急いで近づいて見ると・・・
第一階段の踊り場に立つ、巨大な照明柱が。
階段の踊り場に立つこの巨大な照明柱を見ながら振り返って見ると、後ろの窓枠の「直線」と、照明柱のアール・デコ様式の花柄が対比して、めっちゃいい感じデス。
さらに、この照明柱の基部には生花を飾れるように水鉢が組み込まれていて、至れり尽くせりのデザインです。
2階 プライベート空間
ご家族のプライベート空間になっている2階の内装は宮内省内匠寮の主任建築家が設計したもの。それぞれ使う人の個性に合わせて、お部屋のインテリアがデザインされています。
階段を上がりきると、2階の広間には、グリーン色のベロア生地が貼られたソファとパーソナルチェアが置かれたサロンコーナー。
ソファ横のフロアランプもアールデコデザインのアッパーライトで、超おしゃれな雰囲気です。
サロンの上を見上げると、階段を上がった先の二階広間を照らすモダンな天井照明。
朝香宮家が暮らしていた当時は、ここにピアノが置かれていて、家族が集まって音楽を楽しみながらくつろぐ憩いの空間だったようです。
それでは、2階の地図を見ながら、先に進みましょう。
若宮寝室・合の間・若宮居間
2階東側のエリアを占めるのは、孚彦王の「若宮寝室」「合の間」「若宮居間」です。
まず、寝室に入ると、建築当時からのサッシが残っている張り出しの出窓。
竣工当時のサッシが残る張り出した窓と、遊び心のあるラジエーターカバー。
よーく見てみると、魚や貝殻など海の生き物をモチーフにした透かし彫りが入ってる~!!
シックなお部屋の中にも遊び心がたっぷりで、なんだかホッとする(笑)
そして天井には八角形のペンダントライトを発見。
東側エリアの照明器具は、宮内庁建築局(宮内省内匠寮)の水谷正雄氏が設計し、国内で製作されたものです。
そして、合の間に行って、目に飛び込んできたのが・・・
ビックリするほど美しい木目のアールデコ様式のワードローブ。
買い付けに行った時、こんなデザインのワードローブがあったら、即、連れて帰ってくる!(笑)それくらいデザインも木目もすてきでうっとりしちゃう~
しかも、床の市松模様もツートーンになっていて、めっちゃくちゃ可愛い~!そして、天井を見ると・・・
水谷正雄氏がデザインした、球体ガラスと金属リングの照明。
さっきとは違って、今度はまん丸の金属の和が立体的に交差していて、ちょっと柔らかな雰囲気です。
左官職人が仕上げた円形天井から吊り下げられているのは、色鮮やかなステンドグラスの照明。
ここは、合の間の奥にある「若宮居間」。ちょうどこのお部屋は正面玄関ホールの真上にあって、この部屋のベランダは正面の車寄せの屋根の上に建てられています。
白い漆喰の天井には美しい円形のくぼみがあって、そこから色鮮やかなステンドグラスの照明器具がとっても優しい灯り。お部屋全体に温かい雰囲気を醸し出してくれていました。
正方形を円形に見せる錯覚の美「書斎」
ドーム型天井と間接照明が美しい朝香宮殿下の書斎。
この書斎の内装設計は続いて、アンリ・ラパンです。
写真を見ると丸いお部屋に見えますが、実は正方形。四隅に木製の棚を作りつけにすることで、円形に見えるように設計されています。
この書斎に置かれている、書斎机に椅子、さらにカーペットまでもがすべてアンリ・ラパンのデザイン☆
半円と資格を組合わせたデザインの机・・・私も欲しい~(笑)
殿下居間
モダンな意匠とヴォールト天井「殿下居間・殿下寝室」
天井が高いアーチ型(ヴォールト)になっているこのお部屋は「殿下居間」。
同じくアンリ・ラパンのデザインで、高いアーチ型の天井が広々とした空間を演出してくれています。
ガラスキャビネットもとっても上品な雰囲気。壁紙とカーテンは、オリジナルを忠実に再現して2014年に復刻されたものらしいんですが、とにかく超おしゃれ☆
そして上を見上げると、殿下居間を優しく照らすペンダントライト。
ヴォールト天井の中心から、チェーンで吊り下げられた乳白色の半球型の柔らかなフォルムのペンダントライトが、直線的でモダンな部屋の中に上品なあたたかさを足してくれている感じです。
大理石に囲まれた第一浴室
最高級の大理石に囲まれた浴室。
殿下寝室と妃殿下寝室の間にある第一浴室の床は椿窯(つばきがま)陶器製作所製のタイルを使ったモザイク模様で、アール・デコらしい幾何学的な美しさが描かれています。
壁面は、「ヴェール・デストゥール」と呼ばれるフランス産の最高級大理石で仕上げられていて、これまたとってもいい雰囲気。
石版の真ん中で切って本のように開いて張る「ブックマッチ」という技法が用いられているそうで、左右対称に広がる見事な石目が空間の格調高さを引き立てています。
妃殿下寝室・居間
第一浴室の隣は、允子(のぶこ)妃殿下のエリアになっています。まずは寝室。
寝室に置かれていたのは、豪華な彫刻の入ったアンティークのワードローブ。
暖房用の吹き出し口のデザインは、妃殿下が自身が考案されたものだそうです。
そして天井には、とっても可愛い布シェードのペンダントライト。
ギャザーが寄せられていて、めっちゃ可愛い布シェードには、上げ下げが出来る昇降機能付き!
コードの途中にある滑車と重りで、高さが自由に変えられる実用的な作りになっています。
寝室のお隣、妃殿下居間の窓辺には、精巧なデザインのラジエーターカバーと花の絵画。
四角い花模様の透かし彫りが3列×4段並んでいるラジエーターカバーがめっちゃ可愛い~!そして、天井を見上げると・・・
5つの丸いガラス玉の照明。
緩やかなアーチ型の天井から、丸いガラス玉5つを組合わせたおしゃれなアンティークの照明が吊り下げられています。
とても個性的な照明がステキだな・・・と思いながら、廊下に出ると・・・
天井から金平糖のような形のステンドグラスの照明を発見!
いろんな色のガラスを組合わせて作られた、お星さまの形をしたステンドグラスの照明から、白い天井に赤や黄色、緑の光の影が映し出されて幻想的な雰囲気なんです。
この灯りの下を通って、次は、姫宮のプライベート空間へ行ってみましょう!
姫宮寝室・居間
朝香宮家の紀久子女王のために用意された姫宮寝室。
こちらは朝香宮家の娘様(紀久子女王)のために用意された「姫宮寝室」です。
このお部屋の床はケヤキ材を使ったヘリンボーンデザインの寄木細工(パーケットリー)。
グリーン色の直線と幾何学模様が描かれた美しい壁紙は、スイス・サルブラ社製の「鉄甲(テッコー)」という金属箔を張った高級壁紙。
なんと!建設当時に貼られたオリジナルの壁紙がそのまま残っているそうです。
光の当たり方によって光沢が変わるメタリックな輝きが魅力的です。
お部屋を優しく照らす照明は、ハンギングボウル。
私も大好きなハンギングボウルが実際に、こんな風に吊るされている姿を見て、なんだか嬉しい~!
まるで天然石のようなマーブル模様が入ったガラスシェードからの灯りが、お部屋を柔らかく照らしてくれます。
可愛いパステルピンク色の大理石の暖炉と丸い鏡がお部屋の中心にある姫宮居間。
このお部屋の床材はローズウッド、ケヤキ、カーリーメープルを贅沢に組み合わせた寄木細工(パーケットリー)です。
そして、暖炉の横に置いてあるのは・・・
八角形のフォルムと愛らしい花柄が目を引くアンティークチェア。
背もたれと座面が八角形になっている、めっちゃめずらしいアール・デコらしい幾何学的なフォルムの椅子。
真ん中には、これまた可愛らしいお花がデザインされた名作!連れて帰りたい・・・(笑)
椅子の奥に見える、暖炉脇の扉はメープル材。いろんな銘木が使われている美しいお部屋です。
天井には、メダリオンから吊るされたお花のカタチのペンダントライト。
姫宮らしく、いろんな部分に可愛らしさがギュッと詰まったお部屋です。
夏の涼を楽しむ「北の間」
ここは夏の暑い時期に家族が集まる場所として使われていた「北の間」。
建物の北側にあって、一歩足を踏み入れると、天井に設けられた天窓から柔らかな自然光が差し込んできます。
柱や建具などの木工部には高級木材である「チーク材」がふんだんに使われていて、床は、市松模様の磁器タイルでひんやりと。
そして、次にご紹介するのは・・・
最上階の温室「ウィンターガーデン」
自然光がたっぷりと降り注ぐ、最上階のウィンターガーデン。
ここは冬の間も植物や花を育てることが出来る温室になっていて、2階の「北の間」とは対照的に、ポカポカとあたたかい光あふれる空間。
パッと見た目は同じに見える白黒の市松模様。実は床は人工大理石、壁は天然大理石で異素材だそうです。
そしてそして!空間のアクセントとなっているモダンな椅子は、バウハウスを代表するデザイナー、マルセル・ブロイヤー氏がデザインした名作!
当時最先端だったバウハウスのデザインをいち早く暮らしに取り入れていた朝香宮邸でした。
日本庭園と茶室
邸宅内を堪能した後は、外へ。都会のど真ん中とは思えないほど、静かで緑豊かな日本庭園が広がっています。
日本庭園から振り返って見た旧朝香邸の外観。
石灯籠や立派な松の木の日本庭園とアールデコ建築の洋館がいい感じに調和しています。
お庭を歩いて行くと・・・
ビックリするほど青いお水の池!
どうしてこんなに青いのか、教えて欲しい~!!そして、池の横には・・・
重要文化財の茶室「光華(こうか)」。
1936年(昭和11年)に完成した本格的な茶室の設計は、武者小路千家の茶人・中川砂村、施工は「昭和の名工」と称された大阪の数寄屋大工棟梁、平田雅哉。
海外からの賓客をもてなすことを想定して、椅子に座ってお茶を楽しむ空間も設けられています。
最後に芝生広場から見上げる朝香邸をご紹介。
何度も訪れたくなる素敵な東京都庭園美術館でした。
Handleでご紹介したアールデコ
ここからは、今までHandleがご紹介してきたアールデコスタイルのアンティークをご紹介します。
姫宮寝室で使われていたようなアンティークのハンギングボウル

姫宮(幼い王女)の寝室で天井から吊るされていたハンギングボウル。幾何学的なアール・デコのガラスボウルからの灯りがお部屋を優しく照らしてくれます。
▶ハンギングボウル一覧
アールデコスタイルのダイニングチェア

ダイニングで使われていたようなスッキリした幾何学デザインが魅力のアンティークチェア。
▶アンティークチェア一覧
妃殿下寝室に佇む「上質な木目のワードローブ」

朝香邸のプライベート空間でもひときわ存在感を放っていたのが大型の収納家具。無駄を削ぎ落とした直線的なフォルムと上質な木肌の美しさが際立つ、アール・デコスタイルの贅沢なキャビネットです。
▶アンティークキャビネット一覧
東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)のまとめ
今回ご紹介した「東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)」はいかがでしたか?
正直、ヨーロッパの建物をたくさん見てきた私にとって、日本にある海外風の建物は、ちょっと物足りない部分があるんですが、この旧朝香邸は別格!
隅から隅までこだわりまくったアールデコスタイルに脱帽です。
今まで美術館や博物館で見てきたルネ・ラリックが実際、建物の内装として使われているところや、アンリ・ラパンが設計した家具まで実際に使われてきた様子を垣間見ることが出来て、とても感動しました。
何度でも訪れたくなる東京都庭園美術館。機会が合ったらぜひ!
東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)
・住所: 東京都港区白金台 5-21-9
・アクセス: 目黒駅より徒歩約 7 分、白金台駅より徒歩約 6 分
・開館時間:10:00~18:00
※休館日や展示内容の詳細は公式ホームページをご確認ください。

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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41
古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号
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