カーニバルガラスとは?虹色に輝くアンティークガラスの歴史と魅力

水野友紀子
水野 友紀子

カーニバルガラス(Carnival glass)


カーニバルガラス

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初めてカーニバルガラスを見つけた時、幻想的な虹色の輝きに感動した私。

それ以来、見つける度に必ず連れて帰ってくるようjにしている美しいアンティークのカーニバルグラスについてお話します。

カーニバルガラスとは


カーニバルガラス

カーニバルガラス(Carnival Glass)とは、ガラスの表面に金属酸化物を吹きつけて焼き付けた、虹色に輝くプレスガラスのことです。

まるでシャボン玉のように光の当たる角度によってキラキラと色が変化して見える所が一番の特徴。

光の当たり方によって、金・紫・緑などなどいろんな色が浮かび上がる、まさに虹色に輝くガラスです。

カーニバルガラスの誕生

1900年代の初め、アメリカではティファニー社が作るアートガラス(ファヴリルガラス)が大人気でした。

・・・が、とても高級品で一般の人たちはとても購入することが出来ない・・・ということで、1908年にFenton Art Glass Company(フェントン社)が、型押しガラス(プレスガラス)に金属の膜を吹きつけて虹色にする技術を開発!

「Iridescent Ware(イリデッセント・ウェア)」や「Iridill(イリディル)」と名前が付けられ、庶民でも買えるアートガラスとして大ヒットします。

フェントン社

その後、Northwood(ノースウッド)、Imperial(インペリアル)、Millersburg(ミラーズバーグ)など多くのガラスメーカーが参入したことで、1920年代に黄金期を迎えました。

イギリス、オーストラリア、カナダなどにも輸出され、イギリスではSowerby(ソウアビー)やDavidson(デイヴィッドソン)といったメーカーが独自のカーニバルガラスを生産するようになります。

1930年代に入ると、よりモダンでシンプルなガラス製品が好まれるようになり、人気が下火に・・・

在庫が大量に余ったので、移動式遊園地(カーニバル)の景品として配られるようになったことから「カーニバルガラス」と呼ばれるようになりました。

1970年代以降、再びアンティークとしてカーニバルガラスへの関心が高まったため、フェントン社は生産を再開しました!・・・が、2007年には生産を終了したので、古いものでしか手に入れることが出来ません。

カーニバルガラスの色


カーニバルガラスの色は、ガラス自体のベースになっている色と、表面に施された虹色のイリデッセンス(ラスター加工)が重なり合って出来ています。

カーニバルガラスの色の違い

ベースカラーの濃淡や、吹き付けた金属塩の種類、塗布の量の違い、焼成時の条件などなど、いろんな要素で虹色の出方が変わってくるので、同じ色のベースを使ったとしても、仕上がりの印象がひとつひとつ違うところも大きな特徴です。

特に初期に作られたものは色のバラツキが多く、コレクターの間では「虹彩が強い」「オーロラ感がある」「サテンのような光沢」など、細やかな表現で語られています。

代表的な色をご紹介します。

Marigold
(マリゴールド)

マリゴールド色のカーニバルガラス

カーニバルガラスの代表的な色「マリーゴールド」

ベースの透明なガラスの表面に金属塩を吹き付けて再加熱することで、オレンジ・金色・銅色に虹色が重なる色に。

一番多く採用された色で生産量も豊富ですが、光の当たり方で表情が大きく変化するので、一点ごとに異なる輝きを楽しめるところが魅力です。


Green
(グリーン)

グリーン色のカーニバルガラス

マリーゴールドに次いで多く見られるカーニバルガラスの代表的な色グリーン

ベースになっている緑色のガラスの表面に金属塩を施したグリーンは、淡いオリーブから深みのあるエメラルド色まで幅があります。

自然を思わせる爽やかな印象で、植物文様がより立体的に映える色です。


Blue
(ブルー)

ブルー色のカーニバルガラス

カーニバルガラスの中でも特に人気の色がブルー!

濃いコバルトブルーは、特にコレクターの間で人気です。

コバルトや濃紺のガラスにラスター加工を施すことで浮かび上がった、金や紫、緑色はまるで孔雀の羽のような輝きに。生産数も少ないので、見つかったらラッキーです。


カーニバルガラスの模様


カーニバルガラスの魅力の一つが型押しでデザインされた模様です。いろんなプレス模様をご紹介します。

Peacock(孔雀)

孔雀模様のカーニバルガラス

放射状に広がる、まるで孔雀の羽根のようなデザインの「ピーコック(Peacock)」

中心から同心円状に重なる羽根状のラインが広がり、虹彩加工によって紫や緑の光が美しく浮かび上がります。

光の角度で表情が変わる、カーニバルガラスらしいデザインです。


Grape(葡萄)

葡萄模様のカーニバルガラス

カーニバルガラスの代表的なデザインの一つ、葡萄(Grape)模様。

房状の実と蔓、葉を立体的に表現した葡萄は女性に人気のモチーフ。果実の豊穣を象徴するデザインとしても人気でした。

葡萄の一粒一粒が光に反射して輝き、葉脈の細部まで浮かび上がる美しいデザインです。


アイリス

アイリス模様のカーニバルガラス

花弁の波打つ形と細長い葉を立体的に表現した植物の紋様「アイリス(Iris)」

アール・ヌーヴォーの流れを感じさせる優雅な曲線が女性らしいデザインです。

虹彩加工によって花弁の凹凸が強調され、光の角度で金や紫が浮かび上がる、華やかでありながら繊細な印象を持つ上品なデザインです。


花鳥

花鳥模様のカーニバルガラス

花と鳥を組み合わせた装飾的なパターン「花鳥(Floral & Bird)」デザインは、カーニバルガラスの中でも物語性のあるデザインとして人気です。

プレス成形で表現された花弁や羽根の凹凸は、虹彩加工を行ったことで細部が強調されています。

写実というより装飾的に図案化されたデザインが特徴で、光の当たり方で立体感が際立ちます。


動物

動物が描かれたカーニバルガラス

カーニバルガラスの中でも比較的、数が少なく希少性の高い動物模様

イギリスで人気の馬から鳥、白鳥、ニワトリなどなど、プレス成形で立体的に浮かび上がる動物模様は、写実的というより装飾的に図案化されていて、ついつい欲しくなってしまう人気のデザインです。


格子

格子模様のカーニバルガラス

縦横に交差する直線で構成された幾何学的なデザイン「格子模様」

規則正しく並ぶ小さな四角や長方形が、編み目のような落ち着いたデザインがおしゃれです。

装飾性を抑えながらも、光の反射によって豊かな表情を楽しめるデザインです。


リブ

リブパターンのカーニバルガラス

縦方向に規則正しく並ぶリブ(溝)

幾何学的な意匠で、光を受けることでリブの凹凸が強調され、虹彩の色彩がより立体的に浮かび上がります。

シンプルですが、カーニバルガラスらしい輝きが一番楽しめるデザインです。


いろんなカーニバルガラス


庶民でも買えるカーニバルガラスは、日常使いの器を中心に、いろんなものが作られました。

今までHandleでご紹介したものをご紹介します。

フラワーベース

カーニバルガラスの花瓶

まるで、お水が水面に落ちた時の水紋のような美しい形のフラワーベース。
Swung Vase(スワングベース)と呼ばれるこの形は、型から取り出した後のガラスが熱いうちに引き延ばして、高さを出したものです。

1900年代初頭のアメリカで流行した技法で、同じ型から作られても高さやリムの広がりに個体差が生まれるのが特徴で、光を受けると縦のリブに沿って虹色に輝きます。


ラッフルド・ボウル

カーニバルガラスのラッフルド・ボウル

ラッフル(Ruffled)とは波打つ縁のこと。型から出した後、まだ柔らかい状態のガラスを手で広げ、花びらのようなフリルを作ったボウルの事を言います。

フリルになった縁(リム)は光を受けやすく、自然光や間接照明などを受けて美しく輝きます。

テーブル中央のセンターピースとしてフルーツやお菓子を入れていました。

浅いものは「フロートボウル」と言って、水を張って花を浮かべて楽しんでいました。


セロリーベース

カーニバルガラスのセロリーベース

セロリーベースは、その名の通り生のセロリースティックを立てるための専用の器です。

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アメリカやイギリスでセロリは「高級野菜」として、食卓の中央やサイドボードに美しく飾られることがステータスでした。

氷水に浸したセロリをシャキッとさせ、縦長のガラス器に立てていました。


ミルクピッチャー

カーニバルガラスのミルクピッチャー

コーヒーや紅茶に入れるミルクやクリーム、シロップを入れるのに使われていたミルクピッチャー。
口縁に見られる粒状の装飾は「ビーディング」と呼ばれ、成形時に金型から一体で作られたものです。

光を受けると粒が虹色の輝きを強調し、カーニバルガラスならではの立体的な表情を生み出します。


ボウル

カーニバルガラスのボウル

室内装飾として流行した「シダ鉢(Fern Dish)」浅く広がるラッフル縁は、当時はシダや苔を飾る器として、また菓子や果実を盛るボウルとしても使われました。

ベリーボウルや、ナッツボウル、ボンボンディッシュとも紹介されていたボウルたちは、少しづつ違った色んな形で、いろんな使われ方で楽しまれていました。


水差し

カーニバルガラスの水差し

植物の模様を型押ししたアール・ヌーヴォー様式デザインの水差し、ピッチャー。

当時は水やレモネードを注ぐテーブルウェアとして販売されました。
今は、大きな花瓶としても使う方も多い人気のアイテムです。


サービングボウル

カーニバルガラスのサービングボウル

器の左右にハンドルが付いた、脚付きサービングボウル。

当時はお菓子やナッツを入れるテーブルウェアとして人気でした。
縁は、大きく波打つ動きのあるラッフル仕上げ。テーブルの中心を飾ってくれる華やかな器はフラワーアレンジメントにも人気です。


カーニバルガラス商品一覧

虹色に輝く美しいカーニバルガラスをご紹介しています。



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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13

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第521010008980号



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