今月のコーディネートは、ロココ様式をお手本にしたフレンチサロンスタイルのお部屋。
フレンチアンティークのしなやかな曲線や繊細な装飾を生かしながら、夏らしい軽やかさをプラスしました。
主役になるのは、優雅なカーブが美しいフランスアンティークの
ビューローブックケースと、
ピンクのアームチェア。
テーブルやキャビネット、照明をロココらしいラインで揃えることで、
「サロンらしさ」が自然と整うコーディネートの作り方をご紹介します。
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フランスアンティークと作るロココ様式の上品コーディネート術

- 冨田 文代
コーディネートのポイント
フランスアンティークの主役家具
ロココ様式のお部屋づくりでは、最初に「主役になる家具」を決めることがポイント。
今回の軸にしたのは、フランスらしい彫刻と柔らかな曲線が特徴の
ビューローブックケースです。
扉や脚にはロココを象徴する優しいカーブが入り、サロンの中心として十分な存在感があります。
収納とデスク機能を兼ね備えているため、実用と装飾の両方で空間を支えてくれるアイテムです。
扉を開けば、小さな書斎として使えるフラップ式デスクに。
手紙を書いたり、パソコン作業をしたりと、日常の作業を落ち着いて行える実用的なつくりです。
サロンには、くつろぎのためのソファが欠かせません。
今回合わせたのは、英国アンティークの
ホールソファ。
本来は玄関ホールに置くために作られた家具で、上質な仕上げが魅力です。
フランス家具ではありませんが、柔らかな曲線がロココのスタイルとしっかり調和します。
“曲線の家具”という共通点があれば、他国のアンティークでもサロン全体の統一感が保てます。
ソファの横には、細身のシルエットが美しい
ベッドサイドキャビネットを。
特に天板のパーケットリー(寄木細工)が印象的で、
小さな家具でも装飾が丁寧に施されていると、サロン全体にロココらしい優雅さが加わります。
サロンの雰囲気を決める重要なポイントがチェア。
今回主役に選んだのは、ロココらしい優雅な曲線を持つ
アームチェアです。
淡いピンクのファブリックは夏らしい軽やかさがあり、
お部屋の印象を明るく整えてくれます。
ロココを気軽に取り入れたいときは、まず曲線のアームチェアから始めると、
一脚だけでもサロンらしさがしっかり感じられるようになります。
夏色のブロカントディスプレイ
ビューローブックケースのガラス扉には、
夏らしい色合いの陶器やガラス雑貨を合わせて、サロンに軽さをプラスしました。
アクセントに選んだのは、
ロイヤルドルトンのフィギュリン「Lambing Time」。
繊細なシルエットのフィギュリンは、ロココの特徴である優雅な装飾と相性がよく、
小さなスペースでもサロンらしさを取り入れられるアイテムです。
サロンを彩るフランス照明
ロココ様式のインテリアで大切なのが、空間を仕上げる照明のデザイン。
家具と同じように「曲線があるかどうか」が、サロンらしさに直結します。
キャビネットの上には、フランス製の3灯タイプ
テーブルシャンデリアを配置。
やわらかな灯りは、アンティーク家具の彫刻やシルエットをきれいに見せてくれるため、
サロンづくりに欠かせない存在です。
お部屋の反対側には、アイアンの曲線が美しい
フロアランプを組み合わせました。
脚のラインやゴールドの装飾など、テーブルシャンデリアと共通点のあるデザインを選ぶことで、
サロン全体の統一感が自然と整います。
天井には、ガラスパーツがきれいに光を拾う
シャンデリアを。
細いアイアンを滑らかに曲げて作られた
Handleオリジナル「リエール」は、
ロココらしい曲線美がしっかり感じられるデザインです。
天井照明を曲線のあるタイプにするだけで、
家具と照明の方向性が揃い、サロンらしいまとまりが生まれます。
ペルシャ絨毯とティータイムコーディネート
お部屋の仕上げには、足元とテーブルの上を整えることが大切です。
フレンチのコーヒーテーブルは、
寄木細工の天板と猫脚のシルエットが魅力。
ビューローやキャビネットと同じく、曲線のある家具で揃えることで、
サロン全体のバランスが乱れず、ロココらしい統一感が生まれます。
足元には、淡いピンクが美しいタブリーズ産の
ペルシャ絨毯を選びました。
アームチェアの色とリンクさせることで、家具とテキスタイルの方向性が揃い、
まとまりのあるコーディネートになります。
テーブルの上には、英国製の
ティーボウル&プレートを合わせました。
小花模様のチンツ柄にはゴールドが控えめに入っており、
テーブルシャンデリアの金具と素材の方向性が揃うため、
サロンの中でも自然に調和します。
形は英国らしいですが、可憐さのある絵付けはロココの柔らかい家具にもよく馴染み、
夏のティータイムを上品に整えてくれるアイテムです。
今月のスタイリングのまとめ
今回は、フランスアンティークとロココ様式をテーマに、
夏のサロンスタイルをご紹介しました。
ロココらしいサロンをつくるうえで大切なポイントは、次の3つです。
・フランスアンティークの曲線家具で、お部屋の「骨格」をつくること
・照明のデザイン(曲線・ゴールド)を揃えて、空間の方向性を整えること
・色と素材をリンクさせ、小物で全体のバランスを仕上げること
まず主役となる家具を決め、家具のラインに合う照明を合わせるだけで、
サロンらしい統一感が出しやすくなります。
さらに、アームチェアの色と絨毯、照明の金具と小物のゴールドなど、
色や素材を意図的にリンクさせることで、ひとつひとつのアイテムが
空間の中で役割を持ち、サロン全体に無理のない一体感が生まれます。
フランスアンティークの家具や照明、小物を少しずつ取り入れながら、
ご自宅でもロココ様式の心地よいサロンづくりをぜひ楽しんでみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ロココ様式の家具が1つしかなくてもサロンらしくなりますか?
はい、大丈夫です。
曲線のラインがきれいな主役家具が1点あれば十分。
チェア・キャビネット・照明など、ほかのアイテムをその曲線に合わせて選ぶだけで、サロンらしい統一感が出ます。
Q2. ロココに合う色はピンク以外に何がありますか?
ピンクはロココらしさを出しやすい色ですが、ほかにもオフホワイト/アイボリー/ゴールド/淡いブルーがよく合います。
家具が曲線なら、色は無理に揃えなくても、同系の“やわらかい色”を選ぶと失敗しません。
Q3. 英国アンティークを混ぜても大丈夫ですか?
問題ありません。
今回の記事でも英国のホールソファを合わせています。
大事なのは国ではなく、曲線のデザインが揃っているかどうか。
曲線の方向性が同じであれば、フランス・英国どちらでもロココサロンになじみます。
Q4. ロココのサロンに置く照明はどんなものが合いますか?
・曲線のシルエット
・ゴールドか、アンティークらしい金具
テーブルシャンデリア+フロアランプ+天井シャンデリアの3点を
“同じ方向性のデザイン”で揃えると、サロンらしさが自然にまとまります。

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冨田 文代
アンティークショップHandle コーディネーター
カラーコーディネーター2級(東京商工会議所主催)
ファッション販売能力検定2級
高校・中学校教諭1種免許(家庭)服飾デザインが好きで、大学では服飾美術を専攻。アパレル会社に勤務していたが、地元に戻ることになりHandleへ。
アパレルでの経験を活かし、洋服をコーディネートするように、おしゃれなお部屋のコーディネート方法を分かりやすく記事にし配信している。
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アンティーク家具Handle
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