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英国生まれの男前ソファ「チェスターフィールド」の魅力
- 水野 友紀子
英国発祥のカッコいい革張りソファと言えば、やっぱり「チェスターフィールド」。
今回は、見た人みんなが思わず「カッコいい!」と叫んでしまう男前な椅子についてお話します。
Handle 水野 友紀子
chesterfield
チェスターフィールドとは
チェスターフィールドとは、背もたれや座面の部分がボタンを使ったタフティングや鋲打ちが施されたデザインの、英国発祥の革張りのソファのことです。
高品質の革を使い、英国の熟練した職人技で現在まで造り続けられているチェスターフィールド。見た目のカッコよさはもちろん、強度や座り心地、縫製などもとても美しく仕上げられた最上級の椅子です。
特に革張りで造られたものは使い込むほどに味わいが増し、一生もののソファとして大切にメンテナンスしながら使い続けられてきました。
歴史を重ねたことで出てきた、風合いのよさも大きな魅力の一つです。
重厚感が漂う紳士的なデザインでありながら、エレガントな雰囲気が漂うチェスターフィールドは、昔から世界中のおしゃれな人たちからの憧れの的。
上流階級の人たちのリビングルームや書斎で使われるのはもちろん、ホテルやレストランのラウンジやジェントルマンの応接室やクラブ、さらに、映画など撮影スタジオのセットなどで使われたことによって注目されるようになり、紳士的で廃れないデザインは、今も世界中の人から支持され続けています。
どんなお部屋でも、チェスターフィールドを置くだけで英国らしい重厚で気品あふれる空間に変えてくれます。
チェスターフィールドの起源
約250年ほど前に誕生したといわれているチェスターフィールド。
ですが、いつ、どこで、誰がデザインして造られたものなのかなどの詳細については、実は明確には分かっていなくて、その歴史は未だ謎に包まれています。
チェスターフィールド(Chesterfield)は、イングランド中部のダービーシャー北部にある工業都市の名前ですが、製造された地名と言うわけでもなく、「チェスターフィールド」という製造メーカーがあったわけでもなさそうです。
名前の由来には諸説ありますが、第4代チェスターフィールド伯爵フィリップ・ドーマー・スタンホープが、自分が使うリラクゼーションチェアとして造らせたことからチェスターフィールドと呼ばれるようになったという説が有力とされています。
フィリップ・スタンホープは英国紳士としてのマナーに大変厳しく、自身の自宅のインテリアにもこだわりがあったことで知られていました。
そんな彼が好んで愛用していたのが革張りで背もたれがボタン留めでデザインされたリラクゼーションチェア。
「チェスターフィールド・セティ」と呼ばれ、書斎や玄関用のソファとして使われていましたが、1860年以降にはビリヤード室や紳士クラブによく置かれるようになり、ソファの種類の一つとして定着しました。
ちなみに・・・チェスターフォールドという名前で有名なのがチェスターフィールドコート。
英国紳士らしい着丈の長いコートは、19世紀に第6代チェスターフィールド伯爵(ジョージ・スタンホープ)が流行させたことで知られています。
どちらも、今も愛され続ける英国の定番スタイルです。
point
チェスターフィールドの特徴
本来、チェスターフィールドとは、総革張りでボタンを使ったタフティングが施されている椅子の総称。ですが、最近では革ではなく生地を使ったものなども増え、ボタン留めしてある椅子をチェスターフィールドと呼ぶ傾向があります。
本来、チェスターフィールドと呼ばれてきた英国発祥の椅子の特徴をまとめてみました。
point01 革張り
チェスターフィールドの最大の特徴はなんといっても高品質な本革。分厚いフレームにクッションを使った総革張りのソファのことです。
本革ならではの質感と艶が美しく、また肌触りもとても気持ちがいいのが特徴。
特に年代の古いものは品質のいい革が使われているため、クリームなどを塗ってきちんとケアしてあるものは、経年変化により風合いを増しています。
point02 ボタン留め
チェスターフィールドらしいデザインの一番の特徴が、背もたれや座面、アーム部分などで見かけるボタン留めです。
パンッと張った革に、同じ革のボタンで留めることで、革に立体感が出て艶が増し、高級感がUPします。
このデザインこそが「チェスターフィールド」らしさの象徴になっています。
point03 鋲打ち
チェスターフィールドのアームの部分やウィングバックチェアの耳の部分で見かける鋲打ち(ブラスネイリング)。
革と革を張ったつなぎ目の部分が分からなくなるようにデザインを兼ねて、アンティークのものは1つ1つ鋲を打ち込んでいます。
現代、造られているものは、鋲が連なったリボン状のものを貼っているものが多いです。
point04 座り心地
チェスターフィールド伯爵が気に入っていただけに、掛け心地はバツグン!
もともと重厚感のあるフレームに、厚みのあるクッションを乗せて本革を貼った椅子なので掛け心地も硬め。長時間座っていても疲れにくいです。
書斎や玄関用で使われていたため、座面も低く、安定感がある座り心地になっています。
item
いろいろなチェスターフィールド
チェスターフィールドというと大きなソファをイメージすることが多いですが、実はいろんなデザインのものがあります。
アンティークではなかなか見つからなくなってきた貴重なチェスターフィールドのアイテムをご紹介します。
アンティーク風 二人掛けソファ
アンティーク家具専門店が太鼓判を押す、アンティーク風のチェスターフィールドのソファです。本物の牛革に細かい鋲打ちでディテールも完璧です。
1980年代 ウィングバックチェア
現在もハンドメイドの製作にこだわり続けている老舗のレザーソファ工房トーマスロイド(Thomas Lloyd)で造られたウィングバックチェアです。
1980年代 ボックススツール
チェスターフィールドのソファと合わせて使いたい、チェスターフィールドのオットマンです。座面の蓋をパカっと開くと中がボックスになっていてたっぷり収納することができます。
1970年代 ロッキングチェア
チェスターフィールドのロッキングチェアです。ここに座って、ゆらゆら揺られているだけで、極上の贅沢な時間が過ごせます。
1970年代 リボルビングチェア
チェスターフィールドのリボルビングチェアです。回転式の椅子のことで、安定感のある座り心地のリボルビングチェアは書斎やオフィスチェアとしてもおすすめです。
1950年代 キッズチェア
チェスターフィールドの贅沢なキッズチェアです。サイズは小さいけど造りは本格的!カッコいいのに可愛い存在感。なかなか見つからない貴重なアイテムです。
styling
チェスターフィールドがある暮らし
イギリス発祥の伝統的なソファであるチェスターフィールドは世界中のドラマや映画の多くのシーンでも使われてきました。
そこにあるだけで一気に様になるチェスターフィールドのソファをお家にも取り入れて、まるで映画のワンシーンのような時間を過ごしてみませんか?
Room 01 リビング
英国伝統のチェスターフィールドをメインに、英国クラシックなリビングをコーディネートしました。
最近はなかなか見つからなくなったアンティークのチェスターフィールドのソファ。経年変化で味わいを増し、背もたれの形も現代のものでは見かけないデザインです。
チェスターフィールドに似合う、英国アンティークの家具を組み合わせることで、まるで映画のワンシーンのようなお部屋になります。
Room 02 リビング・ダイニング
スッキリしたデザインの北欧スタイルのビンテージ家具を中心にコーディネートしたお部屋に、チェスターフィールドのアームチェアをプラスして、リビングダイニングをコーディネートしました。
シンプルな家具に重厚感が漂うチェスターフィールドを組み合わせることで、一気に落ち着いた大人のお部屋になります。
何か物足りなさを感じた時、一人掛けのチェスターフィールドをプラスするだけで、一気にカッコよさを増したお部屋が完成します。
Room03 書斎
チェスターフィールドのリボルビングチェアをプラスして、カッコいい憧れの書斎をコーディネートしてみました。
男前なチェスターフィールドは、特に書斎に置くことでさらに男前な雰囲気。リボルビングチェアを置いただけで、英国紳士の書斎にお邪魔したかのような空気感に変化します。
アンティ―クではなかなか見つからない分、見た目も掛け心地も、さらに使いがっても申し分ないリボルビングチェア。仕事の合間のリラックスタイムまでも贅沢な時間になります。
Room04 和室
存在感が大きいチェスターフィールドは、もちろん和室にも似合います。
畳の色と相性がいいグリーン色の革を貼ったアンティーク調の2人掛けのソファをセレクトしてみました。
一見合わせるのが難しそうな和室ですが、本物の素材同志の組み合わせは意外とどんなものでもしっくりくるんです。
トライバルラグを合わせたことで、大正ロマンの雰囲気漂う、オトナの和室が完成です。
いかがでしたか?250年経っても色褪せることのないデザインが魅力の英国発祥の椅子「チェスターフィールド」。
ここ最近は、アンティークの買い付け先で見かけることがなくなってしまったので、コンディションがいいものに出会った時は嬉しくなってしまう憧れの存在です。
まるで映画のワンシーンの中に入り込んだような気分になっちゃうくらいカッコいい、これから何年経っても色あせることがないチェスターフィールと素敵な時間を一緒に刻みませんか?
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
【店舗&倉庫】
〒910-0019 福井市春山2-9-13
【南青山オフィス】
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41
古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号
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