おしゃれな部屋ほど、モノが多い!

水野友紀子
水野 友紀子

おしゃれな部屋ほど、モノが多い

「お部屋をおしゃれにしたいのにどうしていいかわからない」
「新築しないと、今の家でおしゃれなお部屋を作ることはムリ」
「全部を買い替えないとおしゃれな部屋にはならない」


と仰る方が多いんですが、そもそも、おしゃれなお部屋って、どんなお部屋でしょうか?

ステキなシャンデリアのある部屋?
立派な家具が置いてある部屋?
モデルハウスのような間取りの部屋?

この質問に対して「こんな部屋」と明確に答えられる方って、ほとんどいないんじゃないかな?

実際、これだけ長くインテリアに携わっている私でも、おしゃれなお部屋の定義を語ることなんてムリ!(笑)

だから、このお部屋がおしゃれです!と言うことは出来ませんが、一つだけ言えることがあります。

それは、「おしゃれなお部屋だと思うお部屋はモノが多い」ということ。

これを言うと、意外だと仰る方が多いんですが、そんな風に思うことこそがおしゃれなお部屋を作れない原因だと私は思っています。

と言うのも、モノが多いというのは「不要なものが多い」という意味ではありません。

日常生活していくうえで、必要だと思って置いているモノが、意外に多いという意味です。

例えば、私は、朝起きて顔を洗った後、すぐにPCに向かうので、パソコンデスクは必要です。デスクに向かうためにもちろん椅子に座るのでデスクチェアも必須アイテム。

次に、お弁当を作って朝ご飯を食べるためのダイニングテーブル&チェアはなくてはならないアイテムだし、テレビを見る時にはテレビ台として使っているサイドボードとお行儀よく寝転ぶためのソファも必要です。

ココまでは私が生活するうえで、最低限に必要なリビングダイニングに置いてある家具。

ですが、私の場合、これだけでは収まらず、デスクの左側にはブラックブルー色にペイントされたオープンタイプの本棚を置いて、インテリア関係の雑誌やイギリスやフランスの本、最近ブームの筋トレの本がギッチリ!

右側に置いてあるサイドボードの中は・・・私の洋服ダンス(笑)毎日履く、デニムやパンツ、Tシャツなどが入っていて、上はアクセサリー置き場に。

さらにサイドボードの壁面には大きなウォールシェルフが取り付けられていて、家族の写真や旅行に行った時に買ってきたお土産やおもちゃなどのガラクタが置いてあります。

あっ!そういえば、PCを置いたデスクの脇には、大きなミラーも立てかけてあって、アクセサリーを付けた後の身だしなみチェックが出来るようになっているんですが、どれもこれも、私にとっては必要ですが、他の人から見たらリビングには不要なものかも(笑)

そんなに広い部屋でもないのに、他にもチェストカップボードもあるしロッキングチェア&パーソナルチェアに、ソファの脇にブランケットボックスまであるので、考えられないくらいギュウギュウ詰めかも(笑)

でも、これらのモノが置いてあることで、わが家流のインテリアが出来上がっているんじゃないかな?と思っています。

もちろん、わが家がおしゃれと言っているわけではありません(笑)わが家のインテリアが好きじゃない方にとっては、ゴチャゴチャしているだけの部屋かも(大笑)

ただ、もし、必要最小限のPCデスクとダイニングテーブル、サイドボードとソファしかなかったら、スッキリはしているけれど私にとっては居心地もよくないし、自分らしさって表現できない・・・

本棚に入っている本の背表紙やオープンシェルフに飾ってあるガラクタたち、ソファの上のクッションの色や模様など、私が好きなモノばかりが置いてあることで、私が居心地がいい部屋になっているし、同じようなお部屋が好みの人にとってはおしゃれに見えるんじゃないかなと思っています。

わが家はさておき、先日、購入した「世界のアーティストの部屋」を掲載した本を見ていると、やっぱりおしゃれな部屋はモノが多い!

必要最低限の家具だけが置いてある部屋はほとんどなくて、絵が掛けてあったり、変なオブジェが置いてあったり、大量の陶器がディスプレイされていたり・・・

どのお部屋も他の人にとっては不要なモノがたくさん置いてあるんだけれど、その人の個性や好きなモノがたくさん置いてあることでインパクトがあり、印象に残った結果「おしゃれなお部屋」になるんだろうな・・・って。

だって、例えば、全く同じ間取り、同じ作りのマンションでも、置いてある家具の種類が同じだったとしたら、おしゃれな部屋は存在しないと思うんです。

同じ間取り、同じ作りでも、そこに個性が入ることでおしゃれな部屋が出来上がるから、個性を入れるために好きなモノが置いてあるハズ!

だからこそ、おしゃれなお部屋ほど、個性が表現されるモノが多いんだなって思っています。

とは言え、日本では、何も置かないお部屋が美しいとされる固定概念があって、その呪縛が頭から離れないことで、お部屋にモノを置いてはいけないと思う方が多いのも事実。

モノを置いてはいけないと思うあまり、逆にモノが増えて、逆におしゃれな部屋からドンドン離れてしまう・・・という方も多いんです。

次回は、日本のお部屋作りに対する考え方とおしゃれなお部屋作りの相違点についてお話します。



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水野友紀子

水野 友紀子

空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。

大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。

アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)

1903年創業

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