ご新築やリフォームをされる際、一番、頭を悩ませるのが、大きな部分の素材を決めること。例えば、フローリングなどの床材やクロスなどの壁材は、とても面積が大きい部分だけに悩まれる方も多いんです。
というのも、決める際、ハウスメーカーさんや工務店さんが持ってきてくれるサンプル帳に載っている床材の見本だけじゃ、とてもとてもイメージが出来ない・・・(汗)
実際に、敷いたものを目で見てみないと、どんな床になるのかが想像できず、最後にはどれも同じように見えてしまって、色と価格だけで選んでしまう方も多いようです。
私も、自宅やお店、お客様のお家などで、いろんな床材を見てきて、いろいろご提案してきましたが、何度、経験しても、毎回、同じように悩んでしまうんです。
床材にもいろんなデザインや素材があって、価格もピンからキリまで様々。その違いがよく分からないまま決めてしまうことが一番マズイので、まずは素材の違いを知っておくことが必要です。
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フローリング材の選び方について
- 水野 友紀子
同じように見えるフローリング材ですが、実は、「無垢材」「突板材」「プリント合板」があって、その違いで価格に大きな差が出てきます。
無垢材とは1枚の板のこと。
森林から伐り出した丸太を加工して、床材として使えるように仕上げたものが、無垢材のフローリング材です。
無垢材は価格ももちろん高額ですが、天然木が本来持っているぬくもりが感じられ、肌触りもとてもいいので、最近、とても人気です。
天然木なので、一枚一枚、木肌の色や模様が違うこと、さらに、反りや割れがあることを理解しましょう。
また、せっかく無垢材のフローリングを使うのであれば、天然木本来の肌触りを楽しむため、塗装はウレタンなどの化学系の塗装ではなく、天然素材の蜜蝋ワックスやオイル仕上げじゃないと意味がありません!
どうしても汚れがつきやすくなること、また、何年後かに塗り直しが必要であることを理解した上で、無垢材のフローリングを使うことをおススメします。
反りや割れがイヤだと思う方には、複合材のフローリングがおススメです。複合材のフローリングとは、合板に突き板(つきいた)や木目を紙にプリントしたプリント合板を使ったものです。
突板のフローリングは突板の厚みや突板に使っている木材によって価格が違ってきますが、無垢材のフローリングに比べると、使っている木材が少ないだけに価格は安価です。
最近では、結構、厚みのある突板を使った複合フローリング材の種類も多くなり、天然素材の塗装を使って、無垢材のフローリングとあまり変わらない風合いで仕上げているあるものも見かけます。
プリント合板のフローリングは紙に木目を印刷しているものは、木を使っていないので、さらに価格は安価です。
安価である分、紙を張り付けているので、湿気に弱く、表面が剥がれないように上から分厚い化学系の塗装が施してあるので、本物の木の風合いはありません。塗膜が分厚いので、キズは付きにくいですが、経年変化で表面のプリント紙が剥がれ落ちる場合があります。
こんな風に、フローリング材にも、それぞれ長所と短所があり、価格に違いが出てくるので、まずは、それを理解した上で、どれが一番、自分に合っているかを考えて決めることが必要なんですが、私が思う一番、大切なことは、何より図面の段階で、自分の好きなフローリングで試算しておくということです。
正直、住宅を契約する際、一般的なフローリング材で予算が組まれていることは分かっていても、実際に、どの部屋に、どのフローリング材を敷くかまで考えて契約されている方はほとんどいません。
そのため、契約後にフローリングを決める段階で、予算に入っているフローリングを確認した際、自分が思っていたものと大きく違うということが多いんです。
プリント合板のものを気に入っている場合であれば、予算が落ちることが多いので、それほど問題はありませんが、例えば、風合いのいい無垢材のフローリングにしたいと思った際、組まれている予算と合わず、さらにお金がかかってしまったり、もしくは、泣く泣く諦めなければいけないということをよく見てきました。
予算は何より大事ですが、予算を中心に考えて、妥協し続けてしまうと、全てにおいて自分の理想とかけ離れた、満足できる部分が見つからないお家になってしまいます。
なので、まずは、フローリング材の種類を決め、図面の段階で試算してもらった上で、どうするかを決めるようにしましょう!
ちなみに・・・大工さんの手間代や塗装業者さんの手間代も、無垢材のフローリングと複合フローリングでは違ってきます。
予め、それを伝えた上で、どれくらい差が出るかを考え、最後は予算を見ながら、お金をかけるポイントを決めることをおススメします。
ちなみのちなみに・・・わが家の場合、無垢材にこだわりがあったため、全てを無垢材のフローリングで仕上げることを決めていました。
その上で、リビングは幅の広い節のあるオーク材に、寝室はフレンチヘリンボーンに決め、予算の関係上、子ども部屋はパイン材のフローリングにして、塗装は自分たちでやることに。
メリハリをつけたおかげで、家族が集まるリビングはお気に入りの床材にして、予算内に収めることが出来ました。
予算は大事!でも、こだわりも大事!まずは、どれが見積もりに入っているかをきちんと確認した上で、大きな面積を占めるフローリングを決めていきましょう!
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
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第521010008980号
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