最近、英国家具の様式を勉強している私が気になって仕方がない町があります。それが、イングランド北西部チェシャー州の街「チェスター」
チェスターと言えば、英国家具の原点とも言えるチューダー様式の建物が並んでいるウェールズとの境にある城郭都市です。
いつもだったら、買い付けの途中で、なんとなく見つけた場所にふらふら立ち寄るんですが、今回、チェスターには、めずらしく日本を発つ前から綿密に計画して行ってきました!(笑)
リバプールから電車で約40分。ロンドンのユーストン駅からだと列車で約2時間揺られてチェスター駅に到着です。
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【イギリスさんぽ】チューダー様式の街並み「Chester」
- 水野 友紀子
まずは、チェスターの地図。この、赤い線で囲まれた部分が古い城壁です。
城壁で取り囲まれた中に、十字のメインストリートが通っていて、城壁の東西南北、それぞれに門が建っています。
この地図を見たとき、なんとなくラストエンペラーを思い出してしまった私(笑)どこの国も同じ感じなんですね。
ここは、街の北に位置するノースゲート
中世のノースゲートは防御的な玄関口。街の内外での脅威から街を守っていた場所です。
ここから城壁の上に上ることが出来ます。
上から見ると、こんな感じ!おとぎ話の世界にいるような建物ばかりです。
城壁をグルっと歩いて回ることが出来るので、ちょっと歩いてみましょう!
歩きながら、チェスターについて、調べたことをお話ししますね。
この城壁は、西暦70~80年にブリテン島を支配したローマ人によって建てられたものです。侵略から身を守るために周囲に木製の囲いを作ったのが始まりだそうです。
木製の囲いはその後、砂石に変わって、少しずつ強度を増していって、12世紀ごろに今の城壁が完成したそうです。
イギリスの西部にあるチェスター市の旧市街地を囲むようにつくられた城壁の長さは、どれくらいだと思いますか??
実は、3.2キロメートル!現在もこんな風に城壁の上を歩くことが出来るので、グルっとお散歩すれば、約1時間ほどで街全体を歩いて回ることが出来ます。
さぁ、見えてきました!右側に見えるのが、Chester Town Hall。市庁舎です。
実は、さっき城壁をご紹介した地図は市庁舎のもの。なので、地図上で「YOU ARE HERE」と書かれている場所が市庁舎です。
到着です!旧市街のノースゲート・ストリートの西側に建てられた市庁舎です。
ここが建てられたのは1869年。19世紀にイギリスを発祥とするゴシック建築の復興運動「ゴシック・リヴァイバル」中に建てられた建物なので、もちろん、バリッバリのゴシック建築(笑)
「ラスキニアン・ヴェネツィアン・ゴシック」様式が採用されました。落成式は、ウェールズ大公のプリンス・オブ・ ウェールズが行ったそうです。
ここの1階に観光案内所があって、いろんな資料などが置いてあるので、チェスターを観光する前にまずは立ち寄るといいと思います。
下から見上げても・・・ゴシック!!
さぁ、次は、チェスターの中心エリア「The Cross」 ザ・クロスに行ってみましょう!
ココは、チェスターの街の中心部を貫く大通りの交差点です。待ち合わせにも便利?な塔?が経っています。
ここから東西南北に「The Rows(ザ・ロウズ)」が伸びています。
さぁ、にぎやかな感じになってきました。
「The Rows」ザ・ロウズと呼ばれる街の中心の交差点の角にある、特徴的な建物。
ここは、チェスターで最も人気の高い観光スポットの1つでイギリスの重要文化財建物に登録されています。
確かに、人気が高いのも分かる~!!白と黒を基調としたチューダー様式の建物がズラーっと並んでいます。
玄関は別々なんですが、2階は全部がくっついているんです。
なので、そのまま隣の建物の2階に移動ができるアーケードのような造りになっているので、雨が降った日も、室内をそのままグルっとショッピングして回ることが出来ます。
13世紀に造られた当時の姿、そのままっていうことにもビックリ!
1階部分は倉庫として使われていたので、半地下のような造りになっているそうです。
可愛いアンティークショップを発見!こんな風に真っ赤なお店もいいなぁ~(笑)
中世の街並みの中に、ロンドンと変わらないレストランやパブ、スーパーが並ぶショッピング街(笑)
なんだか不思議な感じです。
さぁ、次は「East Gate(イーストゲート)」に向かいます。
町の中心から東方向を見ると「イースト・ゲート」が見えますが、イーストゲートは特に人気!
その理由は・・・
「East Gate Clock(イーストゲート・クロック)」
街のシンボル的な存在で、イギリスではロンドンのビッグベンに次いで有名な時計台です。
1897年に、ダイヤモンドジュビリーと呼ばれるヴィクトリア女王の即位60年を記念して建設された時計台です。
なので、一番てっぺんには、ヴィクトリア女王、ヴィクトリア・レジーナの「VR」が!とっても可愛い時計台です。
あぁ・・・真っ暗!実は、この日より以前、ちょっと時間が空いたから~と思って、ふらふらと立ち寄ったことがあったんです。
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ところが、この時のイギリスの日照時間は8時間半。夕方の4時半で、この暗さ!
ほぼ何も見えない・・・ということで、今回は、綿密に計画を立ててのリベンジでした(笑)
暗くなると街の表情もガラっと変わるので、みなさんもチェスターに行かれる際は、ぜひ、時間を考えて、しっかり計画を立ててから行きましょう~!
The Rows
4 Bridge St Chester, Cheshire West and Chester CH1 1NQ
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水野 友紀子
空間スタイリスト。
アンティークショップHandleバイヤー。大学で小さい頃から好きだった化学実験が出来る薬学を専攻。薬剤師となり、製薬会社で研究職に就く。 結婚を機に、休日は嫁ぎ先の老舗家具屋の手伝いをすることに。
家具のことを学びながら、そこで得た知識と固定観念にとらわれない主婦目線での女性らしい提案が、お客様に喜んでもらえることが嬉しくなり、薬の研究を辞め、インテリアの研究に没頭することを決める。
アンティーク家具に出会い、それまで知らなかった世界に感動。 家具やインテリアに対して伝えたいことや、自らが買い付けてきたアンティークに対する想いを「買い付けうらばなし」や「まいにちハンドル」に綴り、日々配信中。
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アンティーク家具Handle
(水野商品館 株式会社)1903年創業
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古物商 福井県公安委員会許可
第521010008980号
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